目標は「40歳までに管理職」 IT未経験・2児の母が語るオープンなキャリア構築

テクノロジードリブンの人材サービス企業を目指す、パーソルグループ。同じ志をもつテクノロジー人材が次々とジョインしています。今回は、プライベートでは小学生と中学生の女児2人の母の顔を持ち、パーソルテンプスタッフで部長を務める鈴木に、現在の仕事とパーソルテンプスタッフではたらく魅力について聞きました。

2024年12月にパーソルホールディングスが主催する勉強会に鈴木が登壇しました。
その記事がこちら→ 【勉強会開催レポート】パーソルグループ各社のプロジェクトマネジャーが語る「プロジェクトマネジメントの極意」─変革を牽引するパートナー協働×合意形成とは

「派遣」のはたらき方に魅力を感じ、パーソルテンプスタッフへ

ーパーソルテンプスタッフに入社した経緯を教えてください。

大学時代に労働経済論を学ぶなかで、多様なはたらき方に触れ、「派遣社員」というはたらき方に関心を持ったのがきっかけです。「派遣社員」は、それぞれの事情に合った条件で仕事ができる点で人生の選択肢を広げられると思い、とても魅力に感じたからです。そのため人材サービス業界を視野に入れつつ、なかでも人材派遣サービスに関われる仕事への就職を目指していました。

当時は、あまり人材派遣サービスの知名度も高くはなく、むしろ正規社員よりは立場の低いはたらき方という印象が強い時代でした。当時の私は、こういった派遣のはたらき方に対するイメージを変えていきたいという想いが強くありましたね。パーソルテンプスタッフ(当時のテンプスタッフ)は、それを実現できる場所であり、採用選考を通じてはたらく方々の人の良さも実感したため、最終的に入社を決めました。

ー入社後はどのような仕事をしていましたか?

当時のパーソルテンプスタッフでは、新卒入社者全員が人材派遣の法人営業職からキャリアがスタートするルールだったため、私も営業職に配属となりました。

実は入社当初は「派遣スタッフのために仕事をしたい」と強く思っていたので、営業職ではなく派遣スタッフに仕事を紹介したり、就業状況を見守るコーディネーター職を希望していました。ただ、実際に営業職に挑戦してみるとその魅力にどっぷり浸かってしまい、気付けば7年間も営業職として従事していたんです(笑)

営業職の仕事は、スタッフが新しい就業先に就労し始めるところからスタッフとの関わりがスタートし、就労中のサポートや、アフターフォローも行います。そのため、営業職は派遣スタッフに近いところで、スタッフのはたらき方に伴走できるポジションだと気づき、とてもやりがいを感じていました。

妊活をきっかけにIT領域へ異動。未経験からキャリアを築く

ーやりがいを持って仕事をしていた営業職時代から、現在のIT領域に移ることになったのは、どういった経緯ですか?

営業時代に結婚し妊活をしていたのですが、当時は外出も多く、気付かぬうちに体に疲れがたまっていたのかもしれません。なかなか妊娠できず、かついろいろな仕事を任されていたので、当時の状態で子どもを授かったとしても「このまま仕事を続けられるかな」と不安に思い、実は退職を考えたことがありました。

当時の上司に率直な気持ちを話し、今後の身の振り方について相談したところ、「プライベートを大切にしながらはたらけるポジションを探そう」といってもらい、これをきっかけに2011年、今のテクノロジー本部に異動となりました。最初は営業時代によく使っていた、派遣基幹システムの担当をさせていただき、「Microsoft Office Access」を使ったデータ抽出や、営業が使う機能の改修案件のリードなど、今までの経験を活かせるお仕事でのスタートだったので、とてもありがたかったです。

ーITは全くの未経験だったと思いますが、どのようにスキルを身につけたのですか?

はじめはとにかくITの専門用語が全くわからずにとても苦労しました。そこで、登録スタッフ向けに提供しているITスキルアップ講座を個別に受講させてもらい、必死に勉強しました。あとは日々業務を行いながら、少しずつキャッチアップしていきました。

もう1つ営業時代と大きく違う点は、思考の仕方が異なる点です。営業職は1カ月ごとに成果を振り返り、また次の月はどのように動いて売上を立てようかと練っていきますが、IT部門では仕掛り期間の長いプロジェクトばかりなので、中長期的な視点が求められます。はじめは、ここの思考の切り替えが本当に難しかったですね。ただ営業時代と同じくIT部門もやり始めるとおもしろく、ポジティブな気持ちでスキルアップできたと思っています。

ーその後、どのようにキャリアを発展させていったのですか?

その後は、営業経験を活かして業務システムやサービスシステムなど営業部門に関わるシステムの改修プロジェクトにプロジェクトリーダーとして携わっていきました。

それから複数のシステムを束ねるプロジェクトマネジャーも任せてもらうようになり、派遣スタッフ向け災害安否確認システムの導入プロジェクトから、グループ各社への派遣基幹システムとその周辺システムの導入プロジェクトなど、徐々にいろいろな案件を任せてもらい、役割が大きくなっていったイメージです。

最初は不安もありましたが、振り返ってみればIT未経験でも地道に学び続ければ、十分にキャリアを築いていけることを、身をもって実感しています。

ITで価値提供できる先の大きさを実感し、やりがいにつながる

ー現在担当している仕事の内容について教えてください。

現在は部長として、派遣スタッフ向けのIT基幹システムと社員向けの人事システムの保守・運用・企画を担当しています。現在進行しているのは、2025年7月にリリース予定の社員向け「タレントマネジメントシステム」のリニューアルプロジェクトです。社員のMBO機能や社員の志向・スキル・研修受講履歴などから適切な人財配置の検討やキャリア支援ができるようになる予定です。

また、テクノロジー本部での育成プログラム構築プロジェクトにも参画しています。その1つの取り組みとして、IT人材がどのようなキャリアを積んでいくと、どのような成長を遂げられるかを可視化したキャリアマップを作成しているところです。かつて、自分自身もIT人材としてどのようにキャリアを描けばよいかイメージがつかなかった経験があります。そういった声に加え、今後はIT未経験の新卒入社者やリスキリング人材が増えることが見込まれるために発足したプロジェクトです。

ーキャリアマップは、現在どのように活用しているのでしょうか?

半年に1度のペースでキャリアマップに紐づいたスキルアセスメントをメンバーに実施してもらい、上司との1on1や半年に一度のキャリア面談で活用しています。面談時にこのキャリアマップをもとにスキルの現在地を明確にして、この先に希望するキャリアやスキルアップに合わせたプロジェクトを選定したり、必要な資格があれば習得できるようにバックアップできると良いと思っています。

ー素敵な取り組みですね!そんな現在の仕事で特にやりがいを感じる部分はどこですか?

2つあります。まずIT技術を通じてより多くの派遣スタッフの方々にその価値が届けられていることを実感できる点です。営業時代は自分の担当先の顧客企業や派遣スタッフのみを支援していましたが、IT部門が価値提供できる先は、とても広いと感じています。

スタッフアンケートに「使いやすくなった」「便利になった」という声をいただいたり、営業・コーディネーター部門から「業務がスムーズになった」などの評価をいただけたときは、純粋に嬉しいですね。

もう1つは、後輩や部下の成長を感じられたときに、喜びで胸がいっぱいになるのが管理職の醍醐味だと思います。先日入社してきたばかりだと思っていたのに、ふと気づいたころには大型プロジェクトを回している姿を目の当たりにすると、涙が出るほど嬉しいものですよ。

「40歳までに管理職」目標も経験もオープンな姿勢で組織に貢献

ー管理職としてもやりがいを感じられているのですね!もともと「いつかはマネジメントに挑戦したい」という気持ちはあったのでしょうか?

営業職だった20代のころは、それほどマネジメントにチャレンジしたい気持ちはありませんでしたね。実は妊活中に一度マネジャーへの挑戦をオファーしてもらったんです。ただ、妊活とはじめての管理職への挑戦の両立は「なかなかハードルが高そう」と感じ、一度見送りました。

そのころからマネジメントへの挑戦を意識するようになりました。その後2人の子どもを授かり、仕事復帰したあたりから「40歳までに管理職に挑戦したい」という明確な目標を持つようになったんです。

それとは別で、年次を重ねるごとに「より管掌範囲が広い仕事に携わりたい」という想いをもともと持っていました。管理職は、自分の仕事はもちろん部下や同僚のプロジェクト、そして組織づくりや会社全体のことを考えることになるため、それが実現できると考えるようになったのもこのタイミングです。

先ほどお話ししたように、日々の業務で若手社員が成長する姿を見て喜びを感じていたので、「若手を育てたい」という気持ちも湧いていたんだと思います。

ー「40歳までに管理職」を実現するために、ご自身で努力したことがあればお聞きしたいです。

1on1で当時の上司に「40歳までに管理職に挑戦したい」という目標をオープンに伝えていましたね。それが実現できるように、大型案件を任せてもらうなど、マネジャーにステップアップするために必要な経験が積めるような環境を用意してもらえていました。

このようにパーソルテンプスタッフでは、個人のキャリアプランに対してオープンな社風があるのが魅力だと思います。心理的安全性が確保されているなかで、自分の「やってみたいこと」を自由に発言でき、そしてチャレンジさせてもらえる環境もあり、子育てとの両立も実現できています。はたらき方の満足度でいうと100%といっても大げさではないかと思います(笑)

ー組織づくりの観点で、女性管理職として心がけていることはありますか?

いま徐々に増えてきているものの、子育て中の女性管理職はまだまだ限られていると思います。だからこそ、まだまだはたらく女性の実態がわかるような情報が少ないと考えており、マイノリティとして自分自身のことをメンバーに伝えるようにしていますね。

仕事とプライベートの両立は性別問わずマストですし、仕事だけでなくさまざまなことに情熱を注ぎ、広い視野を持っている人材の方が会社でイノベーションが起こせると考えています。細かいことですが、スケジュールに「子どもの送迎」や「運動会」といった家族の予定を入れて部下と共有したり、「中学受験期間は、こんなことが特に大変だったよ」のような具体的なエピソードを雑談ベースで話したりと、「子育て中の女性管理職ってこんな感じ」というのをリアルタイムに共有するように心がけています。

あとは、プライベートの生産性を上げることが人生の生産性を上げることにもつながると思っていて。料理の時短テクニックや料理キットのサブスクリプションを使用した感想などもチームメンバーに幅広くシェアしています(笑)

実体験を共有し、「挑戦する人の背中を押せる存在に」

ーIT人材としての今後の目標を教えてください。

パーソルテンプスタッフがさまざまな方の人生に伴走できるような会社であれるよう、私はITの側面からサポートしていきたいと思っています。

もともと「派遣社員というはたらき方のイメージを変えたい」という想いとともに入社しているので、その点においても引き続き取り組んでいきたいと思っています。派遣社員というはたらき方は、さまざまな理由で選ぶ方がたくさんいますが、もちろん全ての方にとって派遣社員というはたらき方が最適解であるとは限りません。

ときには、正社員としての就職や個人事業主として独立する方がより合っているのではと思う場合もあります。なので、さまざまなはたらき方への可能性を視野に入れ、今派遣スタッフとして活躍する方々が、この先にキャリアチェンジやリスキリング・アップスキリングを通して別の選択肢への可能性を考えられるようになってもらいたい、そういった仕組みや環境をつくりたいと考えています。

ー最後に、鈴木さん個人としては今後どのような存在でありたいと思いますか?

2025年4月からはスタッフIT推進部 部長に昇進し、さらに大きな責任を担うことになりますが、営業職出身でIT未経験、そして2児の母である自分と両立しながらIT領域でキャリアを築き、管理職として活躍できることを、今後も自分の経験を通して広く伝えていきたいと思っています。そして、新しいことに挑戦する方々の背中を押せる存在でありたいと思います。

取材・文=ファーストブリッジ 宮口佑香
(2025年4月時点の情報です。)

鈴木美智子Michiko Suzuki
パーソルテンプスタッフ株式会社
テクノロジー本部 スタッフIT推進部
部長
2004年にパーソルテンプスタッフ株式会社へ入社。人材派遣営業職を経て、2011年にテクノロジー本部へ異動。グループ各社への派遣基幹システム導入や派遣スタッフ向け災害安否確認システム導入などのプロジェクトマネジャーを経験した。2022年4月にスタッフIT室マネジャーに着任し、現在は派遣スタッフ向けのIT基幹システムの運用保守やテクノロジー本部の育成プログラム構築に携わる。2025年4月からスタッフIT推進部長に就任。プライベートでは、中学生・小学生の2児の母。

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