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大切なのは、形にこだわらないこと―「ミイダス」の進化を支える内製開発組織の新たな挑戦

テクノロジーを活かした独自の「可能性診断」によって、はたらく個人の “自分の強みを活かした転職” と、企業の “効率的で精度の高い採用活動” を支援する、中途採用サービス「ミイダス」。 

今回はそんなミイダスの内製開発組織をVPoEとして率いる小林に、ミイダスの魅力と開発組織として描く未来について話を聞きました。

客観的データにもとづく“活躍の可能性”の分析・評価で、採用や転職活動をサポートする

―まずは、中途採用サービス「ミイダス」の概要から教えていただけますか。 

「ミイダス」は、人材の “活躍の可能性” を客観的データから分析・評価して転職活動や採用活動に活かす「アセスメント・リクルーティング」という手法で、はたらく人や企業をサポートする採用サービスです。

 2015年のリリース以来、多様なデータの分析を進めながら時代の変容に合わせて常にサービスを進化させてきて、現在では100万名以上のユーザー、42万社以上の企業*1にご利用いただいています。 

*1 登録ユーザー数および登録企業数:2024年2月時点の情報 

―人材の “活躍の可能性” にフォーカスした支援について、詳しく聞かせてください。 

ミイダスでは、ビジネスパーソンとしてのコンピテンシー(行動特性)や合理性のない意思決定をしてしまう心理傾向(認知バイアス)を見出す「可能性診断」をご提供しています。 

この「可能性診断」を通じて、はたらく個人がご自身の強みを認識すること、そしてその強みを活かして求人を探すことを可能にし、一人ひとりが自分に合った環境で活躍する可能性の最大化を後押しします。 

また企業は自社の従業員を対象に「可能性診断」を行うことで、自社で活躍するのはどのような人材かを評価・把握し、その人材像にマッチするミイダスの登録者に直接スカウトを行うことができる、そんな仕組みになっています。 

―サービスの進化について、特に注目すべき変化などはありましたか? 

ミイダスでは「企業からオファーは来るものの、なかなか面接まで進まない」というはたらく個人の負荷を解消するために、企業ははたらく個人に「面接確約」のオファーのみを送信できることが特徴でしたが、昨年の改修によって、公開された全ての求人をユーザーが閲覧できるようになりました。 

これは、面接確約の求人に限ることが転職・採用活動の効率化を叶える一方、一人ひとりの “チャレンジ” の可能性を狭めることにも繋がってしまっていたのではと考えたためです。より幅広い情報を閲覧できるようにするとともに「可能性診断」で活躍の可能性を提示することで、はたらく人がやりたい仕事にチャレンジするきっかけをご提供できるようになったと捉えています。 

―「ミイダス」ならではの強みはどの部分にあるのでしょうか。 

単にデータをふまえてはたらく個人と仕事のマッチングを行うだけでなく、独自の「可能性診断」で活躍の可能性を可視化する点が一番の強みです。 

これによって「入社後に思ったようなパフォーマンスを発揮できていない」といったミスマッチを減らすほか、活躍できるはずの人材を不採用にしてしまう機会損失を防ぐなど、より効率的で精度の高い採用・転職を実現すること、つまり採用・転職の成功体験をお届けすることが、私たちならではの提供価値だと自負しています。 

―その強みが、どのように “はたらくWell-being” の実現に繋がるとお考えですか? 

採用・入社後のミスマッチが最小限になることで、はたらく個人は入社した会社で安心してはたらいて価値を発揮し、理想とするキャリアを積み上げやすくなる。この過程を通じて、はたらくことによる満足感を得ていただければと考えています。

エンジニアがモノづくりに集中できる環境を大切に、新たな仕組みづくりと組織化に挑戦 

―続いて、そんな「ミイダス」を支える内製開発組織について伺っていきます。まず組織体制の概要から教えてください。 

パーソルキャリアの社内ベンチャー事業として誕生して以来、徐々に組織が拡大してきて、分社化を経た現在は90名*2を超える人数規模になっています。 

機能ごとにいくつかのチームに分かれているものの、基本的に開発は担当者に任されており、一人ひとりが自由かつ能動的に動いて自身の能力を最大限に発揮しながら、また周囲とコミュニケーションをとりながら、スピード感を持って開発を進めている組織だと言えます。 

*2 開発組織における所属人数:2024年2月時点の情報 

―開発組織としての魅力はどのようなところにありますか? 

システムの監視やサービスの運用は別の運用グループが担い、エンジニアは「オーダーに対してどれだけ良いソリューションを提供できるか」に注力します。エンジニアとしてモノづくりだけに集中できるのが私たちの内製開発組織の強みであり、だからこその開発のスピード感があると考えています。 

また先にお伝えしたようにミイダスはサービスとして変化を続けており、この変化の裏にはシステムやデータベースなど根幹となる部分の大規模な改修があります。手を入れるべき箇所も影響範囲も大きい改修を調査、テストから実装までミスなく対応するのは大変なことではありますが、一般的なサービス開発においてはなかなか経験できない、システムリプレイスに近い大きなチャレンジができる点も、エンジニアにとって魅力的な部分なのかなと思います。

―反対に、組織の課題だと捉えていることはありますか。 

一人ひとりが自走して価値を発揮する今の体制は私たちの良さである一方、組織が100名を超える規模にまで成長しようとしていることで、課題が生まれています。例えば、担当するメンバーによってアウトプットのクオリティにゆれが生じたり、開発する機能やセクションが増える中で情報共有が十分にできていない場面がみられるようになっているのです。 

こうした状況をふまえ、今後はある程度組織化を図る必要があるなと。具体的に、チームの分割やそれに合わせたリーダーの育成・採用、権限の委譲などを進め、体制を整えていかなければいけないと考えています。 

また業務の属人化も組織の課題として捉え、今後はナレッジの蓄積を進めて、メンバーの入れ替わりによってナレッジが失われてしまうリスクにも対処していきたいところです。 

―そのような組織変革を、今後どのように進めていこうとお考えですか? 

チームごとに開発の進め方も課題も異なるため、まず「組織マネジメント室」を新たに設け、各チームを率いるエンジニアマネジャー(EM)と一緒に課題の解決に向けた検討を始めました。 

一人のEMがマネジメントできるのは多くて10名ですから、現在の100名超の組織をしっかりと見ていくには、まずはEMのもとにリーダーを立ててマネジメント体制を強化したいなと。そのためにも、チームの分割を考えるとともに、メンバーのキャリアプランなどを1on1で聞きながら業務を調整し、役割を与えていく必要があります。 

またヒューマンエラーを避けるために新たな業務プロセスを考えて組み込むこと、ナレッジの共有・蓄積のためにチーム内で意見交換の場を設けることなども検討しています。 

―VPoEとして組織変革を牽引するにあたり、特に大事にされていることを教えてください。 

個人が能動的に動く。だからこそ細かすぎるマネジメントや必要以上の管理を行わない。そんな既存のやり方はカルチャーとして組織に根付いているため、大切にしていきたいと考えています。そのため、新たな仕組みは “最低限” のものであることを重視し、必要以上にルール化しない、ルールは作っても形にはこだわりすぎない、ということを意識して進めています。 

ルールをガチガチに固めてしまうことで “やらなければいけないこと” ばかりが増え、本来エンジニアが注力すべき開発に手が回らなくなってしまっては意味がありませんから。本当に必要な確認だけをしっかりと行い、あくまでエンジニアにモノづくりに集中してもらえる環境を作っていけたらと思います。 

―VPoEとして内製開発組織のマネジメントを任されてみて、いかがですか? 今の率直な思いをお聞かせください。 

新卒からSIerでさまざまな業界・規模のシステム開発に携わり、その後ゲーム業界でマネジメントを担ってきて。自分で手を動かすところから組織づくりやメンバー・リーダーの育成まで、幅広い経験を経た次のステップとして挑戦したいと思ったのが、このVPoEという役割でした。 

23年1月の入社以来、メンバーとの1on1や評価、採用、制度や組織の設計などを担う中で、これまでに経験のない “ミイダスの内製開発組織に合った” 組織づくりのアプローチを手探りで進める難しさがある一方、モノづくりの楽しさ、その中でメンバーが育つことのやりがいを感じています。 

今までの経験にないとはいえ、「組織としての課題をどのようなアプローチで改善していくか」という根幹の部分でやるべきことは同じです。実際にはたらいているメンバーの思いや課題感を1on1やサーベイを通じてしっかりとキャッチアップし、みんなで議論しながら、「こういうやり方はどうだろう」「今のやり方からここを変えてみたほうがいいのでは」と提案して新しいやり方を作っていきたいと思っています。

サービスを成功させるために、柔軟性・生産性の高い開発組織であり続けたい 

―最後に、“これから” について伺います。まず事業における今後の展望を教えてください。 

既存のサービスとしては採用・転職がゴールになっていますが、これからのミイダスは、タレントマネジメントをはじめとした “入社後に活躍してもらうためのサポート” も視野に入れ、すでに機能やコンテンツの充実に向けて着手しています。 

単に「自社にマッチした方を採用できる」「自分が活躍できるところへの転職が叶う」だけにとどまらない価値提供を目指して、今後も会社として取り組んでいきます。 

―技術的な観点ではいかがですか? 

100万名を超えるユーザーと10万件以上の求人を組み合わせて計算し、一人ひとりに合った求人を効率的におすすめするために、膨大な組み合わせを迅速に処理することが開発者の大きなミッションとなります。その開発を進めるためにも、またスピード感を持ってサービスのバージョンアップを行うためにも、ビッグデータ分析の強化に取り組んでいきたいと思っています。 

特にAIの活用においては、「HRサイエンス研究所*3」における研究開発の取り組みを行っており、この取り組みを通じて得られた成果を今後どれだけサービスに組み込んでいけるかが大きなポイントになりそうです。

*3 HRサイエンス研究所:元大学教員、国立研究所の元研究員など、情報学・心理学・認知神経科学などの分野で博士の学位を取得したメンバーを中心に構成された、ミイダス内につくられた研究所  

―展望の実現に向けて、小林さんが描く 目指すべき組織のあり方とは?

このミイダスというサービスを成功させるために、マーケティングや企画のメンバーが時代の変容をふまえて描くサービスのあり方に対応できる、柔軟性と生産性の高い開発組織であり続けたいと思っています。 

そしてそのためには、開発に向けて全員が自立して能動的に動ける組織と、課題解決のために一人ひとりが提案しやすい環境をいかに作るかが重要です。改善提案が活発に行われ、「高い生産性を維持するためにはどうすべきか」が積極的に議論され、チームとして常に高いパフォーマンスを発揮できる。そんな状態を目指して、組織づくりに挑戦していければと思います。 

―パーソルグループにおいて、こんな位置付け、役割の組織になっていきたい、という思いはありますか? 

パーソルグループ全体を見渡しても 技術的にも組織的にも、形に囚われないやり方をしているのがミイダスの特徴であり、強みだと思っています。メンバーの強みや能力を活かして常に新しいことにチャレンジする 私たちらしいあり方で、まずは自分たちのサービスを成長させることにフォーカスしていきたいと思います。 

―ありがとうございました!

取材=伊藤秋廣(エーアイプロダクション)/文=永田遥奈/撮影=合同会社ヒトグラム
(2024年2月時点の情報です。)

 

小林圭一朗Keiichiro Kobayashi
開発部 VPoE
2004年にSIerへ入社。オープン系システム開発のエンジニアとして、10年にわたり要件定義から保守まで幅広く担当。リーダー業務の一環でOJTなどの育成にも従事。2013年にゲーム会社へサーバーエンジニアとして転職し、ゲーム、会員サービス開発をリーダー、マネージャーとして従事。新しくデータ分析部門を立ち上げ、データトリブンな意思決定ができる環境を構築。
2023年にミイダスへ入社し、現在はVPoEとして組織開発を進めつつ、運用グループのマネージャーを担当している。

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