Top Management Conference 開催
パーソルグループは中期経営計画2026の中で、経営の方向性として「テクノロジードリブンの人材サービス企業」を掲げています。パーソルグループ全体で「テクノロジードリブン」を目指していくためには、グループ社員全員で「テクノロジー」に関する理解を深めていく必要があります。
今回レポートするのはTop Management Conference(以下TMC)。グループ各社の経営陣約100名が一堂に会し、定期的にグループ方針や戦略の理解・議論を深める場として設定されています。2023年12月に開催されたTMCでは、テクノロジーがテーマとして設定されました。
代表取締役社長 CEOである和田より、「私たちが実現したい社会に向け、その手段としてテクノロジーを味方につける必要がある」という話がされたのち、CIO/CDOである柘植より、「テクノロジードリブンの人材サービス企業に向けて」と題したプレゼンが実施されました。今回は50ページを超えるプレゼンテーションより、ポイントを抜粋してご紹介します。
テクノロジードリブンの人材サービス企業に向けて
- ポイント1:生成AIによって置き換わる仕事は数年前より確実に割合が増えている一方、新たな仕事が生まれ、機会も増えている
このスライドは、人間の能力をAIが超えるタイミングを示しています。2030年に照準を合わせて見てみると、多くの職種で生成AIが人間の保有する高いレベルの能力を超えることが分かります。
次のスライドは、生成AIの出現前と後で、各職種においてどれくらいの割合が生成AIに置き換わると考えられているかを示しています。たとえば、「ビジネス・法務の知識」ではもともとは32%くらいと思われていたものが、今では62%が置き換わると考えられています。その他にも多くの仕事が生成AIの影響を受けるということです。
一方で、新しく生まれる仕事も想定されています。それはAI関連の知識を要するものです。そう言ってしまうと難しく感じてしまうかもしれないですが、いまはスマホを子どもでもシニアでも使っていますよね?そのように直感的に身に付けられるものになっていくと思います。
- ポイント2:かつて創業者の篠原はいち早くコンピューターを導入し、そのDNAはパーソルグループにずっと受け継がれている
では、生成AIは人材サービスビジネスに具体的にどういった影響を与えるのか。人材ビジネスは個人データや求人データ、カウンセリングにおける音声データ、マッチングなど、生成AIととても相性がいいテキストデータなどで成り立っています。そうなると、人材サービスビジネスにとっての生成AIは脅威なのか、機会なのか。
パーソルのルーツである創業者の篠原は、当時はまだ知られていないコンピューターを導入することで生産性が上がることに注目し、高額のパソコンを購入していました。創業当時からこういった変革を大事にすることで成長しており、これからも変わっていけるDNAが私たちに根付いているのだと思います。
- ポイント3:人は人でしかできない価値発揮にフォーカスし、テクノロジーを活用した「体験価値」をいかに提供していけるかが重要になる
私たちが携わるビジネスにおいて、生成AIで置き換わる業務は当然出てくるでしょう。ただ、その分新しく生まれる業務もあります。
そういった中でパーソルはどう変化していくのか。人々の情報格差を埋めることは、もはや価値を生まなくなってしまう可能性があります。これまで私たちは「速く」「多く」「精度の高い」を武器にして情報価値を提供してきました。これからは、この点は徹底的にテクノロジーを活用することで磨き上げ、人にしかできないことにフォーカスして基本価値を高めていくことが重要になります。
ただ、これだけではただ単に便利になるだけなので競争優位性が保てなくなります。そこで重要なのは「体験価値」です。テクノロジーを活用した新しい顧客体験をどう提供していくかが大きなポイントになります。
改めて、私たちの経営理念「雇用の創造 人々の成長 社会貢献」、これまでお話したことはこの経営理念にすべてつながっていますし、今こそここに立ち返るフェーズなのだと思います。「はたらく」をアップデートし、パーソルグループをアップデートしていくためにも「テクノロジードリブンの人材サービス企業」を目指していきたいと思います。
最後に
柘植のプレゼンテーションは、経営陣の満足度、興味・関心が非常に高かったことから、後日、同様の内容をパーソルグループ内の社員へ向けたウェビナー配信も行いました。
「テクノロジードリブンの人材サービス企業」を目指すにあたって、経営理念である「雇用の創造 人々の成長 社会貢献」にすべてつながっていること、今こそここに立ち返って「はたらく」、そしてパーソルグループをアップデートする必要があるというメッセージは、TMC当日は経営陣に、ウェビナー配信時はグループ社員に印象深く残ったようです。
(2024年2月時点の情報です。)