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【前編】企業や求職者へのさらなる価値提供に向けた、パーソルキャリアの変化に対応できる柔軟な組織づくり  

転職サービス「doda」をはじめとした多様な人材サービスを通じて、転職・就職支援や採用・経営支援を手がけるパーソルキャリア。 

今回は、同社の事業成長や事業創出を、テクノロジードリブンでリードするテクノロジー本部 本部長の上妻(こうづま)に、これまでの経験と現在の役割、組織づくりにおける考え方について話を聞きました。

【後編】はこちら→【後編】グループに勢いをもたらす“トップバッター”を目指して―パーソルキャリアのテクノロジー活用の今とこれから

自分の役割を決めず、新たな役割やまだ存在しない仕事を作り出す 

―前半は、上妻さんがテクノロジー本部 本部長の役割を担われるに至った背景にフォーカスしてお話を伺います。まずはこれまでのご経歴からお聞かせいただけますか。  

音楽スタジオでのレコーディングエンジニアやアパレル業界での販売員経験を経て、2005年にインテリジェンスITソリューションズ(現パーソルキャリア、以下旧インテリジェンス)に入社しました。 

ヘルプデスクからスタートしてネットワークエンジニアやWebサービスエンジニアなどを経験した後、2012年に新設された「BITA*」のマネジャーに就任。そこから「doda」サイトやアプリ、新規サービスなどさまざまなシステムやサービスの企画・開発とそのマネジメントに携わってきました。 

*BITA:Business IT Architectの略称。ビジネスを理解し、IT知識を持ち、IT施策を推進する組織として2012年に設置された 

―テクノロジー領域で多様な経験をされているのが印象的ですが、この領域で経験を積むに至ったきっかけなどはありましたか? 

幼い頃から父がパソコンで自作したゲームで遊んでいたこともあり、テクノロジーは身近な存在ではありましたが、特に強い動機があってこの領域に入ってきたわけではありません。 

社内システムを担当するエンジニアとしてプログラミングやプロジェクトマネジメントを学ぶ中で、書いたコードが思ったように動いたり、現場の方と対話しながら開発を進めてシステムが良くなり、みなさんに喜んでいただけたり……そういった経験から、この仕事の面白さを感じてここまできたのかなと振り返ります。 

―その後BITAのマネジャーを任されたときは、どんなお気持ちでしたか。 

当時、システムを作るには外部ベンダーを頼らざるを得ず、IT部門が “ベンダーとの調整役” にとどまっていた中、新しく掲げられた「IT戦略の策定、企画からプロジェクトの推進、実現までを担う」というコンセプトには大きな共感を覚えて。それによって会社を良くしていけそうだ、自分がしっかりやっていくぞ、という思いでしたね。 

―ここまで多様な経験をされていますが、変わらず大事にされていることはありますか? 

自身のあり方としては、パーソルキャリアのバリューの中でも特に「自分ゴト化」を大切にしています。 

自分ゴト化というのは、自分の役割を決めないということでもあるのかなと。BITAでマネジャーをしていたときも、BITAという役割に囚われすぎずに新しい役割や存在していない仕事を作ってきたかなと思いますし、役割の境界線を超えて「こういう役割があった方がいいのではないか」と考える視点や動きを大切にしたいなと思っています。

そのとき、その場に最適なフォーメーションが組める、柔軟な組織を目指して  

―改めて、上妻さんの現在の役割について教えてください。 

2022年から、テクノロジー本部の責任者を務めています。 

テクノロジー本部は、転職サービス「doda」をはじめとしたパーソルキャリアが手がける多様なサービスの開発や、それらを運営する事業のプロセス設計や業務システム開発、全社的な業務フロー改善や生産性向上の取り組みなどを担う組織です。 

私の役割は、エンジニアやITコンサルタント、データテクノロジーなどの各職種や、CIOが管轄する「ITマネジメント」、CTOが管轄する「ITアーキテクチャ」などの各機能を含め、組織全体を統括すること。 

“経営として実現したいこと” と “それを実現するためのテクノロジー本部としての戦略” を接続することが自身のミッションだと捉えています。 

―テクノロジー本部はどのような組織体制になっているのでしょうか。 

2023年4月から「職能」と「プロダクト」の要素を組み合わせた「マトリックス組織」を採用しており、メンバーはテクノロジー本部と現場組織の両方に所属する形になっています。

マトリックス組織イメージ図

―マトリックス組織を採用する狙いとは? 

例えばあるエンジニアがテクノロジー本部だけに所属していると、組織運営上の都合によって複数のプロジェクトに同時並行でアサインされ、それぞれのプロダクトに対する理解が促進されなくなってしまいかねません。 

また反対に各メンバーが現場組織にのみ所属して職能ごとのまとまりがない場合、「今エンジニアが何名いるか」「会社としてエンジニアの採用をどのようなポートフォリオで進めるか」という視点を持つことが難しくなってしまいますよね。 

こういった点をふまえ、メンバーがプロダクトにしっかりとコミットできる状態を作った上で、テクノロジー領域においても適切なモニタリングや戦略の策定・実行を行っていくことを狙いとして、マトリックス組織を採用しています。 

―テクノロジー本部 本部長として、今後どんな組織を作っていきたいとお考えですか。 

来期では引き続きマトリックス組織へ向けた組織変革を進め、“メンバーがプロダクトにコミットできる組織体制” を築いていこうと考えています。 

その他の点では、柔軟性を大切にしたいなと思っています。組織づくりには正解がなく、そのとき、その場所に最適な “フォーメーション” を考えていくことが必要だと思うのです。サッカーでも、勝っているときと負けているときでは、きっとフォーメーションが異なるはずですから。 

「これが最適な形だ」と凝り固まってしまうのではなく、いつでも状況に対応して変化できるような、柔軟な組織を作っていければと思います。 

―ありがとうございました! 

取材=伊藤秋廣(エーアイプロダクション)/文=永田遥奈/撮影=合同会社ヒトグラム
(2024年2月時点の情報です。) 

上妻 裕史Hirofumi Kouzuma
パーソルキャリア株式会社
テクノロジー本部
本部長
2005年、インテリジェンスITソリューションズ(現パーソルキャリア、以下旧インテリジェンス)に中途入社。ヘルプデスクを皮切りにネットワークエンジニア、Webサービスエンジニアを経験。2012年に旧インテリジェンスにて「IT知識と事業理解を持ち、IT施策を推進する」新設部門「BITA(ビータ)」のマネジャーに就任。その後、転職サービス「doda」のサイトやアプリの開発責任者、新規サービス企画組織の管掌など、パーソルキャリア内の幅広いシステムやサービスの企画・開発に携わる。2022年より、テクノロジー本部の責任者に着任。

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