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企画×開発×研究組織の連携で、転職時の活躍可能性の最大化を目指す―「ミイダス」ニューワールドプロジェクト 

はたらく個人の “自分の強みを活かした転職” と、企業の “効率的で精度の高い採用活動” を支援する、中途採用サービス「ミイダス」。「ミイダス」の特徴的な機能として、一人ひとりが自分に合った環境で活躍できる可能性を可視化する「可能性診断」があります。 

「可能性診断」の機能実装へ向け、「ミイダス」では機能改善プロジェクト「ニューワールド」に取り組みました。 

今回は、この「ニューワールド」プロジェクトをリードした企画を担当するCPO(Chief Product Officer)の石田、開発を担うCTOの磯崎、科学的知見のビジネス実装を担うHRサイエンス研究所​シニアリサーチャー​の大羽にインタビュー。企画・開発・研究を担う各組織がどのように連携し、サービスの改善に取り組んだのか。プロジェクトの軌跡について話を聞きました。

ニューワールドプロジェクト概要

ミイダスの特徴的な機能である、一人ひとりが自分に合った環境で活躍できる可能性を可視化する「可能性診断」機能を実装する、2022年に行われたプロジェクト。

「面接確約」のオファーのみを求職者に届けるという機能を、ニューワールドプロジェクトを通じて、求職者に対する幅広い情報提供とともに、「活躍できる可能性」を提示するという機能に変更。ニューワールドプロジェクトはこの機能改善に関わるプロジェクトを指す。

企画×開発×研究を担う各組織が連携し、前進した「ニューワールド」プロジェクト

―まずは、「ニューワールド」プロジェクトに携わった3組織それぞれの、役割や特徴から教えてください。 

石田:企画組織は「求職者と企業のマッチングを増やす」ことをミッションとしてサービス企画・改善に取り組む、10名弱の組織です。ミイダスを利用する求職者ファーストの視点で企画を立て、そこから開発チームのみなさんと実現可能性を検討しながら取り組みを進めています。 

磯崎:開発組織は、アプリやインフラのエンジニアからデザイナー、テストを担当するメンバー、そしてエンジニア採用を担うメンバーが集まる、100名弱の組織です。生産性高く、滞りなく機能実装やシステム運営を担うことがミッションで、「リクルーティングを伸ばす」「営業の生産性を高める」など各部署の目的に合わせて、複数のシステムを並行して開発しています。 

―HRサイエンス研究所についてはいかがですか。 

大羽:HRサイエンス研究所は、心理学を中心とした “人間の科学” とデータやコンピュータを取り扱う “情報の科学” の二軸で研究開発を担い、ビジネス実装するための科学的知見を作ることを目的にした組織です。各領域の研究者​や実験・調査でデータを収集するメンバー​、また「サイエンスに貢献したい」という志向を持つエンジニアなどが集まって、社内での研究にとどまらず、さまざまな情報収集や外部研究機関との共同研究、そして研究成果の発表を行なっています。 

ミイダスの中で研究開発をするからには、現時点のミイダスにおけるニーズを把握し、そこに応えながらも、ニーズだけに縛られない知見を提供していくのが私たちHRサイエンス研究所の特徴です。 

収集した情報や人間科学・情報科学の理論にもとづいて “いつか必要になるに違いないもの” や “世の中を変えそうなもの” を思い描き、そこからシーズを作ったり、作ったシーズを今のミイダスのニーズに応えるために活用したりしています。

各組織の視点や取り組みの成果がリンクし、相乗効果が生まれる

―「ニューワールド」プロジェクトの概要や始動した経緯について教えてください。 

磯崎:もともとミイダスは、「企業からオファーが来て応募したけれど、書類選考を通過できなかった」という非効率性や個人の負担を改善するために、「面接確約」のオファーだけを求職者に届けるサービスとしてスタートしました。 

しかし、この仕組みは確かに転職・採用活動の効率を高める一方、求職者に届けられる求人が少なくなり、機会損失に繋がってしまっているのではないかと。そこで幅広く情報を届けるとともに「活躍できる可能性」を提示することで、さまざまな求人情報を見たい方と、より効率的に転職活動をしたい方の両方のニーズに応えよう、と始動したのが「ニューワールド」プロジェクトです。 

―プロジェクトはどのように進められたのですか? 

磯崎:まずは次の3つを実現するための開発を行いました。

  1. 公開された求人情報全般を求職者が閲覧できるようにする
  2. 求職者の経歴や希望条件、企業の求める条件などをもとにマッチングをする
  3. その会社でどの程度活躍できそうか(「活躍可能性」)を表示する

その後も求職者に対する活躍可能性の見せ方などについて細やかな改善を重ねていた中、石田さんがCPOとして参画されたのを機に、さらなるブラッシュアップに取り組むことになりました。 

石田:ブラッシュアップにおける新たなコンセプトとして「マッチング機会の最大化」を掲げ、2つのフェーズに分けて取り組みを進めてきました。 

フェーズ1は、「バケツの穴を塞ぐ」フェーズ。穴のあいたバケツに水を入れても漏れてしまう、つまりサービス自体に穴がある状態で集客をしても成果には繋がらないため、まずは器を綺麗にする段階です。そしてフェーズ2は、「バケツをバスタブにする」フェーズ。フェーズ1で綺麗にした器を、今度はバスタブのようなしっかりとしたものに高めていく段階で、現在サービスの追加の開発に取り組んでいます。 

磯崎:このブラッシュアップの過程で活躍したのが、HRサイエンス研究所が作った「推薦エンジン」という仕組みです。 

―「推薦エンジン」について、詳しく教えてください。 

大羽:ミイダスのデータベースにある、求職者のデータと求人にまつわるデータ、そして「求職者がこのような企業の求人に応募した」というイベントにまつわるデータを使って学習し、求人を求職者にマッチする順に並べる役割を果たすのが、推薦エンジンという仕組みです。 

HRサイエンス研究所では、求職者によりマッチする求人を推薦するために、ニューワールドプロジェクトとは別でこの仕組みを作っていたのです。 

磯崎:ニューワールドプロジェクトによって、求職者が見ることのできる求人情報が大幅に増えた中、「求人を求職者の希望条件に合うものから順にソートするにはどうすべきか」を検討していて、この推薦エンジンを活用できるのではないかという流れが生まれました。 

大羽:活用できるのは間違いありませんが、推薦エンジンは「これまでにどのような求人にどのような求職者が応募したか」から「この求職者はこのポジションに応募しそうだ」と推測するもので、そのままの状態では、「希望条件にマッチするものから順に並び替える」というコンセプトには合いません。そこで「この企画で使えるタイプの推薦エンジンにするには?」と議論を重ねながら、作り上げていきました。 

―意図していなかったところから、企画×開発×研究組織の連携が生まれたのですね。 

大羽:そうですね。最初から「推薦エンジンを使ってこう開発していこう」という議論をするわけではなく、企画の皆さんには企画としての議題があり、HRサイエンス研究所からは、研究から見えてきた知見を提案するというスタンスで、その中で自然と接点が生まれていく。面白い距離感ですよね。 

磯崎:エンジニアとしては面白いものを作りたいですから、企画やHRサイエンス研究所のみなさんから面白いアイディアをもらえるのは嬉しいなと。今回のように、技術を活かすにあたって調整が必要なケースもありますが、その統合も私たちの一つの役割なのかなと思います。

石田:求人は人と人とのマッチングですから、モノの売り買いとは異なり、まだ心理的に紐解けていない部分があります。HRサイエンス研究所とタッグを組むことで、その見えないロジックに根拠を持って探りにいけるという点でも、社内に研究組織があることの強みや面白さを感じます。 

大羽:我々のような研究組織を、そういった “夢を与えられる存在” と捉えてくださっているのがありがたいですね。私自身としても、こうして目的を達成するための方法を探りにいくことに、新たな発見をして論文を書くのとはまた違う面白さを感じています。

求職者と企業のマッチング数 大幅増に貢献  

―現時点での、ニューワールドプロジェクトの成果としてはいかがですか? 

石田:求職者と企業のマッチング数はブラッシュアップ開始時からの13ヶ月で大幅に増加しており、サービスの改革としては順調に進められ、一定ご評価もいただけているのかなと捉えています。さらにサービスの成長に繋げるために営業部門とも連携しながら、私たちは引き続き器を磨いていきたいところです。

―皆さんの今後の展望をお聞かせください。 

大羽:まず近い将来を見据えては、企画・開発だけでなく、営業の領域に対してもサイエンスの技術を使って貢献していこうと取り組んでおり、ここに今後も注力していきます。 

またジョブ型雇用を進めるにあたっての、「企業による各ポジションの定義をいかにサポートするか」も現在取り組んでいるテーマの一つです。大規模言語モデルや、ミイダスが持つ職種やスキルにまつわるデータを活用して、「このポジションはどのような職業か」を言葉で表現する負担の軽減を実現していきたいところです。 

もう少し先を見据えた展望としては、「自分がどのような仕事を求めているのか」「自社でどのような人材を求めているのか」を企業や個人が転職市場の中で見つけていけるようなシステムを作りたいと考えています。これはデータの精度だけでなく「人間にどうインタビューしていくか」といった要素まで関わるテーマであり、人間の科学と情報の科学の両方を扱うHRサイエンス研究所だからこそ取り組めることなのかなと。一つの枠の中だけにとどまらずに、模索して実現していければ嬉しいですね。 

―開発のお立場としてはいかがですか。 

磯崎:現在の転職にまつわる課題を解決して、もっと転職が当たり前のものになればなと、ミイダスという新しいサービスで今のあり方を変えていきたいなというのがまず一つです。 

またそれだけでなく、ミイダスに登録してくださっている企業様において、社員の行動特性や可能性を診断してその情報を活かしていただくなど、転職だけに囚われずに選択肢を広げる方向に進んでいければ面白いだろうなと思っています。 

開発組織として新しい技術にも積極的に挑戦していくことと、それを目的ではなく手段として必要なものを見極めることのバランスをとりながら、これらのテーマの実現に向けて取り組んでいければと思います。 

―最後に、企画のお立場としての思いを石田さんからお願いいたします。 

石田:ミイダスは、人材紹介サービスの領域では非常に珍しいSaaS型のサービスです。年間で対価をいただいて機能を活用していただく形態ですから、コスト効率よく使い倒していただけるように、求人以外のサービス開発などによってSaaSならではの付加価値を生み出していきたいと思っています。 

また人材紹介サービスは歴史の長い領域ではありますが、今も「転職すべきか、今の会社に残った方がいいのか」「本当にこの転職先でいいのか」や「内定を出したものの、面接の印象通り活躍してもらえるだろうか」「実際に入社してもらったら自社と合わなかった」といった個人・企業の不安や不満は残されています。ミイダスがこうした溝を埋めて、数ある転職サービスの中で選ばれる存在になっていきたいですね。 

そのために器として何を持つべきかを考え、開発を重ねてサービスとしての幅を最大限広げていくことを自身のミッションとして、取り組んでいければと思います。

―ありがとうございました! 

取材=伊藤秋廣(エーアイプロダクション)/文=永田遥奈/撮影=合同会社ヒトグラム
(2024年3月時点の情報です。)

石田琢磨Takuma Ishida
ミイダス株式会社
企画チーム
CPO
コンサルティング企業や起業を経て、2022年2月からミイダスの顧問、2022年12月から最高プロダクト責任者就任。 現在も株式会社アルマドールの代表取締役として大手企業のDX支援等を実施しつつも、ミイダスの各サービス企画をリードしている。
磯崎勢Sei Isozaki
ミイダス株式会社
開発部
CTO
新卒からSIerで15年ほど働き、初めての転職先としてインテリジェンス(現:パーソルキャリア)に入社。
SIerでは証券会社や保険会社など、大規模サービスの保守業務に携わったのち、新規サービス開発に興味があり、当時のインテリジェンス内での新規事業であったミイダスの立ち上げに参加。
大羽成征Shigeyuki Oba
ミイダス株式会社
HRサイエンス研究所
シニアリサーチャー
奈良先端科学技術大学院大学・助教、京都大学情報学研究科・講師を経て、現職。ミイダスユーザーの行動の裏に走るロジックをデータから解き明かすことと、サービスに参加する多数ステークホルダに共通する利益を最適に近づけるシステムを考えています。過去には、統計学と機械学習の研究者として、医学・生物学・神経科学における高次元少量データの解析に関する研究に携わっていました。著書「ガウス過程と機械学習」(持橋 大地、大羽 成征 著、講談社、2019)。

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