PROJECT
グループ社員の“はたらく体験”向上を目指して―グループ共通経費精算システム導入プロジェクト
テクノロジードリブンの人材サービス企業を目指す、パーソルグループ。同じ志をもつテクノロジー人材が次々とジョインしています。今回は、経験者採用で入社した岩佐に現在の仕事とパーソルホールディングスではたらく魅力について聞きました。
当時は就職氷河期で厳しい時代だったので、業界や職種を絞ることなく幅広く見ていましたが、心のなかでは金融業界かIT関係の仕事を希望していました。金融とITは、考え方がロジカルで通ずるところがあると思ったからです。ただ、当時のIT企業はものすごく激務だといわれていましたし、IT企業に就職する女性がとても少なかったので、そのような環境で本当に頑張れるか自信がなかったのもあり、最終的には銀行の事務員を選択しました。
銀行に約2年勤めた後は、会社の経営全体に貢献できるコーポレート部門の仕事に興味を持ち、半導体関連メーカーで数年ほど広報・IRや経営企画に携わりました。それからデータベースマーケティング事業や公共サービス事業などを展開する企業に転職し、その会社でも経営管理を担当していました。
ここで世の中にDXブームが到来し、もともと得意だったIT関連の仕事の割合が自然に増えてきたんです。
たとえば経費精算や予算管理システムの導入を任されたり、「Tableau(タブロー)」や「Power BI」を用いて月次レポートを作成する業務フローを構築したり、RPAで経理処理の自動化を実行したり。一気にITソリューションでコーポレート部門の業務を高度化・効率化する仕事の比重が大きくなっていったんです。ここでの経験が現在のパーソルホールディングスでの仕事につながっています。
前職で常に疑問を感じていたのが、会社規模とIT投資のバランスでした。経営企画のバックグラウンドがあるため、IT投資の効果をシビアに考える習慣がついていて、コストパフォーマンスに関して自分のなかで常にせめぎ合いがあったんです。
最新のソリューション活用と会社規模がマッチする企業を探していたところ、パーソルホールディングスのDX推進の方向性に感銘を受けて入社するに至りました。
「BITA(ビジネスITアーキテクト)」という部門があり、IT部門でありながら、システムのことだけでなく、業務の在り方まで同時に企画する、単なる業務効率化や改善にとどまらない革新に挑戦する志に惹かれたんです。
IT人材は、実際の業務を詳細に理解できているわけではありませんし、逆に業務部門の人材はITに明るくないケースがあります。そんな「間に入ってくれる人材がいたらスムーズなのに…」という課題を抱えつつも、業務の知見を持った人材がITツールを開発するポジションは、世の中にあまりないと感じます。BITAという役割で、そのようなポジションが用意されていたパーソルホールディングスで、はたらきたいと思いました。
そうなんです。奄美大島の近くにある徳之島という島で育ちました!島には高校までしかなかったので、大学に入学するタイミングで東京に出てきて今に至ります。学生時代は海と緑に囲まれて育ってきたので、はじめて東京の新宿に来たときは賑やかすぎて「毎日お祭りしてるの?」と思うほどでした(笑)。
昔から本を読むのが好きで活字に関心があったのですが、これからはWebメディアやコンテンツのデジタル化が広がっていきそうと感じてその分野に関わっていくために、社会学を勉強したいと思っていました。
ただ残念ながら縁がなく、経営学部に進むことになり、近代マーケティングの父と評されるフィリップ・コトラーのマーケティング理論など経営の基礎や経営手法を学びました。本を読むこともそうですが、勉強も決して苦手ではなかったので、結果的に経営学自体はすごくおもしろかったですね。
はい、中学生のころからパソコンを持っていて、いろんなソフトウェアを片っ端からインストールして遊んでいるような子どもでしたね。ど田舎なのに世界と繋がれる感覚が持てて夢中でした。
当時は日本でパソコンが流行り始めたころで、ECサイトで参考書を買ったり、全国の中学生と遅くまでチャットしたり、毎日使いこんでました。東京に出てきてからは自分でOSをインストールしたり、趣味でデスクトップパソコンを自分で組み立てたりしていました。PCパーツ販売店で手クリニカルサポートのアルバイトもしていたんですよ(笑)
私自身は入社して3年目になりますが、現在はグループAI・DX本部 ビジネスITアーキテクト部 ファイナンスDX室で、ITコンサルタントとしてはたらいています。
パーソルグループは、経営の方向性として「テクノロジードリブンの人材サービス企業」を掲げており、実現に向けてさまざまなITプロジェクトが進行しています。それらをプロジェクトマネジャーとして推進するのがDX室の役割です。
今は、パーソルグループ国内38社、国内グループ社員約6万2500人を支える基盤として、会計システム、管理会計システム、稟議システムのそれぞれの刷新プロジェクトが進行しており、このうちの管理会計システムと稟議システムの2つのプロジェクトマネジャーを務めています。
これまで当社内では、予算は予算管理システム、稟議は稟議システムとそれぞれが独立して存在していました。そのため、たとえば予算をシステムで作り、上振れや下振れがあった際にその理由が明確にわからなかったり、会計システム上で登録されている数字がほかシステムの数字と一致しなかったりと連携していないことによる弊害がありました。
こういった課題を解決するために、すべてのシステムを連携させて予算の進捗を可視化することで数字を一本化しようというのが今回のプロジェクトで目指すゴールとなっています。
このプロジェクトは3カ年計画で、2024年度から始まり2026年度完了を目標としています。1年目は、パーソルグループ全体が標準で使えるシステムの仕様と社内の仕組みを構築し、2年目には機能をブラッシュアップしながらグループ各社に展開していく予定です。そして3年目は完成版を残りのグループ各社に展開する予定です。
現在は、2年目のフェーズを迎えており、グループ各社への展開を丁寧に進めているところですね。
プロジェクトの体制としては、私の下に実際にツールを活用する業務部門のメンバー30名ほどのワーキンググループがあり、業務コンサルタントがサポートしています。さらにプロジェクト全体や技術的な開発を議論しながら進めるチームとコンサルタントも加わり、全体で50名ほどとプロジェクトを進めている状況です。
そうですね。特に稟議システムのプロジェクトでは、グループ会社ごとに担当者がおり、さらにその関係者も複数名いたりと、ワークフロー上で関わる人数が多いのが特徴です。
このプロジェクトは、業務をシステムの仕様に合わせる”Fit to Standardを目指そう“という前提で始まっています。しかしながら、もちろんそれぞれの会社ごとに業務の進め方も使用しているツールも違うので、会社ごとの背景を理解しつつも、足並みを揃えていくのは大変でした。それでも標準機能に合わせてもらえるよう議論し、理解を得なられるように進めています。
相手の目線を重視しています。言葉をそのまま受け止めるのではなく、その言葉に隠れている背景や思いが何かを常に考えるようにしています。相手の本音の部分が解決しなければ前に進まないので、多方面に気を配って話をします。
調整のなかには経営層への説明も含まれるのですが、そこではとにかく「端的に話すこと」、「結論から話すこと」を心がけています。忙しい方がばかりなので、だらだら説明すると伝わりません。そういった意味では説明する際の資料も、ポイントがわかりやすいよう工夫し、経営者が判断すべき内容と現場が判断できる内容を区別するなど、全体を通してメリハリをつけています。
こういった経営層への意思決定を仰ぐ際の説明の工夫ができるのは、経営企画に携わっていた経験が生きていると思いますが、プロジェクトマネジャーにその視点があると、業務の方から見ると安心感があるようで、そこは嬉しいですね。
かなり難易度が高く、日本においても前例の少ないプロジェクトに参画できていることにやりがいを感じます。
今私たちが実現しようとしていることは、実は多くの企業が目指しているものだと考えています。このプロジェクトが完了すると、予算作成や見込の管理における工数が大幅に削減やガバナンスが強化されます。これが実現できるシステムがまだ世の中には限られていることから、自社で構想からつくり上げなければなりません。開発するためには相応の投資と時間が必要で、ここまで力をかけられる企業は稀です。
そういう状況にもかかわらず、先陣を切ってこの課題解決に取り組んでいるパーソルグループはすごいと思いますし、そのくらいの意気込みでこのプロジェクトに着手したんだと理解しています。このプロジェクトが成功すれば、ITの力で難易度の高い解決ができる、ITに強い事業会社という証明になるんじゃないかと思っています!
今回のプロジェクトが成功すれば、業績データを収集して可視化するところまでは実現できるのではないかと思っています。ただ、集めたデータをどのように活用するか、意思決定にどのように生かしていくかまではそう簡単にはたどり着けず、あと一歩前進しなければなりません。プロジェクトが完了した後も、その先の価値創造に引き続き携わっていきたいと思っています。
現在はファイナンスDX室に所属しているのでファイナンス領域のプロジェクトを担当していますが、もう少し担当領域を広げていきたいという気持ちがあります。パーソルホールディングスではおもしろい企画がたくさん立ち上がっていますが、一方でその後の運用が継続されなくなってしまったものもあります。せっかくのいい試みが継続されないことで埋もれてしまっていることに対して、今後自分がどのように関わるべきかというソリューションが見えているわけではありませんが、課題は感じていますね。
目の前には無数の困りごとがあるので、それらを1つひとつ丁寧に解決できる人材に成長したいと思っています。
はい、前職よりも残業が減りましたよ!今は早いときには夕方6時に業務を終えています。どうしてもプロジェクトの進行で遅くなることもありますが、残業は多くて月に30時間程度です。休みの日はおいしいものを食べるのが楽しみです。
また、就業環境も恵まれていると思います。フルリモートで、自宅ではたらけるので、時間を有効に使えています。たとえば、気になったときにさっと掃除ができますし、今日も足元にいるのですが、ネコを飼っているので仕事中も癒されてます。オフィスにはネコはいませんから、「これも福利厚生だなあ」と思っています(笑)。
社内ではさまざまな企画が立ち上がっていますが、発案できる機会と、その企画を通すための周りの協力体制などが整っているところですね。すぐに「予算がないからダメ」といった判断をするのではなく、「投資する価値があるか」を軸に議論でき、真剣に検討してもらえる風土があるのはパーソルホールディングスの素敵なところだと思います。
なので、企画好きには最高の会社だと思っています。
IT領域での企画が好きな方がいれば、ぜひパーソルホールディングスの門戸を叩いてみてください!
取材・文=ファーストブリッジ 宮口佑香
(2025年5月時点の情報です。)