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【前編】テクノロジー活用によって、仕事はもっと自由に楽しくなる―パーソルテンプスタッフが目指す理想の社会とは 

パーソルテンプスタッフ株式会社 テクノロジー本部 本部長 原田耕太郎の写真

人材派遣・アウトソーシング事業を手掛けるパーソルテンプスタッフ。 
今回は、同社でテクノロジー活用推進の先陣を切る、テクノロジー本部 本部長 原田へインタビュー。 

原田の経歴や、派遣市場の今後と目指す未来について聞きました。 

【後編】はこちら→パーソルテンプスタッフが推進するテクノロジー活用―多様な仕組みでIT人材不足解消を目指して

ITの枠を超えてビジネスと融合する。そこにITの未来がある 

―まず、原田さんの役割とパーソルテンプスタッフのテクノロジー組織にフォーカスしてお話を伺います。まず、現在原田さんが担う役割とミッションについて教えてください。 

パーソルテンプスタッフのテクノロジー組織には、ITマネジメントやインフラ関連の業務を中心に扱うテクノロジー本部と、派遣スタッフやクライアントが利用するサイトやアプリの開発を中心に扱うビジネスIT本部があります。 

私はパーソルテンプスタッフのCIOと、テクノロジー本部の本部長を兼任しています。 

CIOとして「社内にテクノロジー組織を構築する」という全社的な役割と共に、 テクノロジー本部の本部長として、「インフラ設備のクラウド化を推進していく」「IT人材を確保・育成してテクノロジー活用を推し進めていく」というミッションも担っています。 

―原田さんの組織作りは、これまでの経験が生きているそうですね。 

そうなんです。 

私は大学卒業後、IoTベンダーに就職してSEになりました。就職超氷河期だったので、会社に帰属する意識ではなく手に職をつけようと思ったのが理由でした。 

SEとして6年勤めましたが、「言われた通りのものを作る」という当時の仕事内容に飽きてしまい、ビジネスの意思決定から関わることができる環境を求め、ITコンサル会社に転職しました。 

しかし、その会社でも何をやるかは発注者が決定し、それに対してオプションを示す仕事しかできず、行き詰まりを感じていました。 

そこで事業を推進する側の仕事に就こうと思い、2012年に転職した会社がパーソルキャリアの前身のインテリジェンスです。 

実は、インテリジェンスは勤めていたITコンサル会社のクライアントで、アジア圏でもトップクラスの発注額をいただいており、「勢いのあるおもしろそうな会社だな」と気になっていたんです。 

面接の際には、当時のCIOから伺ったBITA※1の思想に強く心を惹かれました。「ビジネスとITが融合し、一緒にクリエイティビティを持って進めていく」という思想の元ではたらくことは、まさに自分の理想の環境だと思ったんです。そのため、迷いなく入社を決めました。それが、パーソルグループでのスタートですね。 

※1 BITA (Business IT Architect):「ITとビジネス両方の知識を持ちながら、IT施策を推進する」という思想。2012年に旧インテリジェンスで新設部門「BITA」が立ち上げられた。 

パーソルテンプスタッフ株式会社 テクノロジー本部 本部長 原田耕太郎の写真

―パーソルテンプスタッフの組織づくりの根底にも、BITAの思想があると伺いました。現在、原田さんが管轄するテクノロジー組織はどのような組織になっているのでしょうか。 

私がパーソルテンプスタッフに着任した2016年当時、パーソルグループ内で「テクノロジー組織がリーダーシップを発揮していくべき」という動きが加速し始めていました。しかし、パーソルテンプスタッフでは、テクノロジー組織がリーダーシップを発揮していく以前に、テクノロジー活用でやや遅れを取っている状況でした。 

そこでまず、BITAの思想にも通じるテクノロジー組織として、深い知見を持つテクノロジー活用の領域からリーダーシップを発揮し、ビジネスにおける知見も深めていくことが重要だという意識改革から取り組みました。 

私は、仕事をする上で大切なのは、「自分たちでやりたい仕事を選び、自分たちで決めて進んでいく」ことだと考えています。 

その上で、テクノロジー組織に所属している人たちが自分たちで意思決定をできる場面を増やすことができれば、必然的にビジネスに対する興味も深まっていくと思うんです。 

まさにBITAの思想のもとで、パーソルテンプスタッフの組織はつくられていると言ってもよいのではないでしょうか。 

―そんなパーソルテンプスタッフのテクノロジー組織ではたらく魅力は何でしょうか? 

私がテクノロジー組織の改革に取り組む根底には、「下請けのテクノロジー組織はつまらない」という原体験があります。だからこそ自分たちで決められる環境を用意することで、自分たちで動いて決めながら、「はたらく」を楽しいことに昇華していってほしいと思っています。 

当社ではたらくおもしろみとして、事業とテクノロジー活用のシンクロ度合いが非常に高いことが挙げられます。実際にエンドユーザーが使うプロダクトを作るので、自分が作っているものが誰に使われて、どういう評判なのかを身近に感じられるんです。 

手応えを感じながら、自分の力で自分の仕事をどんどん楽しくしていけるのが、パーソルテンプスタッフではたらく魅力だと思います。 

はたらき方を柔軟に変えていく時代。テクノロジーで仕事をもっと自由に、もっと楽しく

―続いて、テクノロジー活用によって変化していく”派遣市場の今後の見立て”や、目指すべき社会の在り方についてお伺いします。原田さんは、パーソルテンプスタッフのビジネスの主眼である派遣市場の今後について、どのようにお考えでしょうか? 

従来型の労働者派遣法で捉えた派遣市場は、シュリンクしていくという見立てです。 

しかし、いわゆる正社員で長期間ひとつの場所ではたらくスタイルに対し、職場やはたらき方を柔軟に変えながら生活する人たちは増えていくと考えています。それを派遣と定義するかどうかの話だけであって、柔軟に仕事を選びたい方に提供できるサービスはむしろ増えていくでしょうし、実際に増えています。 

特に、有期型の仕事を組み合わせて生活を成り立たせる、というはたらき方は増えていくでしょう。従来型の派遣は減ったとしても、新しい仕事の選び方を提案する事業として拡大していくチャンスがあると、ポジティブに捉えています。 

パーソルテンプスタッフ株式会社 テクノロジー本部 本部長 原田耕太郎の写真

―テクノロジーを活用することで、どのような社会を実現していきたいですか? 

フルタイムで働かないといけない、簡単に転職するのは憚られる、といった考えに縛られるのではなく、自分の人生を豊かにするために、はたらき方だってもっと柔軟に選んでいい。みんなが自分らしいはたらき方・生き方ができる社会を実現するために、テクノロジーを活用していきたいと思います。 

よく「テクノロジーが人の仕事を奪う」などと言われます。局所的にはそういう部分もありますが、大局的には、それは正しくないと思っています。テクノロジー活用により創出した時間で、人間は人間にしかできないことをすればいい。テクノロジーは、人間がもっと仕事をポジティブに楽しむためのサポートツールとして存在しているんです。 

楽しさの延長によいアイデアが生まれる、というのが私の信条です。まずは自らが体現して、よいサービスをどんどん提供していきたい。そして、当社の事業を通して繋がっている営業やコーディネーター、派遣スタッフやお客さま、すべての方に仕事をポジティブに楽しんでいただけるよう、テクノロジー活用を推し進めていきたいです。 

取材・文=ファーストブリッジ 宮本智美
(2023年7月時点の情報です。)

パーソルテンプスタッフ株式会社 テクノロジー本部 本部長 原田耕太郎の写真
原田耕太郎Kotaro Harada
パーソルテンプスタッフ株式会社
テクノロジー本部 本部長
2000年IoTベンダーに新卒入社。SEとして通信会社の基幹システムに従事。2006年コンサルティングファームに入社。ITコンサルとしてIT機器メーカーの基幹システムに従事。2012年インテリジェンス(現:パーソルキャリア)に入社。「an」を運営する事業のBITA部・部長に着任。その後、事業管理部門の統括部長職を経て、2016年より現職。また、CIOとしてテクノロジー組織強化の陣頭指揮を執る。

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