STRATEGY
「守り」だけでなく、DXを具体化する「攻め」も両立できるIT組織を目指して――パーソルテンプスタッフ「テクノロジー本部」が掲げるミッションと戦略
テクノロジードリブンの人材サービス企業を目指す、パーソルグループ。同じ志をもつテクノロジー人材が次々とジョインしています。 今回は、経験者採用で入社した田端に、現在の仕事とパーソルホールディングスではたらく魅力について聞きました。
新卒からITコンサルティング会社を2社経験した後、2022年5月にパーソルホールディングスに入社して現在に至ります。
1社目では官公庁および金融系の大規模プロジェクトのPMOを担当し、さまざまなプロジェクトのプロジェクト管理を経験した後、2社目ではお客さま先に常駐し、社員代替としてインフラ系プロジェクトのプロジェクトマネジャーを担当。計画や方針策定・課題解決など、プロジェクト推進にかかわる業務を経験しました。
多くのプロジェクトに携わることにより、システム開発やプロジェクト管理の知識・経験だけではなく、周囲の関係者と人間関係を築き、プロジェクトに巻き込んでいけるようなスキルを身に付けることができました。また、お客さまに寄り添ってプロジェクトを推進していくことの楽しさを知れたことが大きかったと思います。
前職では、さまざまなプロジェクトを経験させてもらいましたが、次第に類似する案件が多くなり、業務がルーティーン化してきたことに疑問を抱いたのがきっかけです。あらためてキャリアを見つめ直し、自身を成長させるために「より多様なプロジェクトに携わりたい」「今度は事業会社で自社の課題解決に貢献してみたい」と考えて、キャリアチェンジを決めました。
面接の際に、「新しくプロジェクト管理の専門組織をこれから作る。そこに加わって、ぜひとも力を貸してほしい」と言われたことがとても印象に残っています。ここでなら「新しいこと」に挑戦できると大きな期待を感じ、入社を決断しました。また、面接から内定をもらうまでがとてもスピーディで、意思決定の速さを感じたことも決断の後押しになった点ですね。
いわゆるCoE(Center of Excellence)の役割を担う組織に参画し、グループ各社の支援に携わってきました。パーソルテンプスタッフの支援からスタートし、パーソルクロステクノロジー、パーソルキャリア、パーソルビジネスプロセスデザインと徐々に支援先のグループ会社を広げながら、現在もグループ各社のプロジェクトの推進や支援にあたっています。
ひと口に「グループ各社の支援」といっても、予め具体的な役割が決まっているわけではありません。「どうすればプロジェクトを前に進めることができるか」「どうすれば、よりプロジェクトに貢献できるか」を中心に自分達の役割を都度考えながら、実行に移しているのが特徴です。
当初はパーソルテンプスタッフの支援が中心だったのですが、徐々にCoE組織が拡大していくとともに、支援先のグループ会社も増えていった結果、プロジェクト支援を専門とする「SBUプロジェクト推進室」が立ち上がり、室長に着任しました。その後、2025年4月の組織再編を経て「デジタル推進部」の部長に就任しています。
4月の組織再編では、パーソルテンプスタッフに特化して支援を担うStaffingITソリューション部とのすみ分けが行われ、その点で従来と若干の変化はありますが、「グループ会社支援を担う」というミッションの根幹の部分は入社当時から今まで変わっていません。
これまでと変わらず、グループ各社のIT施策を加速することが私たちのミッションです。
このミッションを基に、各組織に点在する「挑戦と変革」に向けて強い意思を持ったキーパーソンと連携しながら、多様なIT施策の支援を行っています。
これまではIT施策を推進する手段の一つである「プロジェクト支援」にフォーカスしていましたが、取り組みや対話を重ねていく中で、プロジェクト以外でも頼っていただける部分が増えてきました。そこで、直近ではプロジェクト推進だけではなく、企画や戦略などグループ会社のIT施策の根幹に関わる部分にまで支援の役割が広がってきています。
パーソルビジネスプロセスデザインでは、基幹システムの刷新プロジェクトと情報システム部門の改革に取り組んでいます。基幹システムの刷新プロジェクトは、現在は要件定義のフェーズで、業務部門のユーザーと協力会社の間に入って業務要件を整理するとともに、プロジェクト全体の推進や課題解決に力を発揮しています。
情報システム部門の改革は、事業部門のサービス開発を支援するような組織の組成が目標です。「IT部門として事業部門に対してどういった支援ができるか」「その支援のために組織としてどうあるべきで、どういった人材が必要か」といった議論と検討を進めています。
協業の背景には「IT部門の在り方」が変わってきていることが挙げられますね。特に、「グループ各社のIT部門でケイパビリティとリソースが不足している」という課題が大きくあります。これは、単純に人手不足という部分もありますが、IT部門の役割の拡大に起因する部分が大きいと感じます。
これまでは、世間一般的にも、事業部門の要望をSIerやITコンサルに丸々依頼していたことも多かったのですが、昨今はIT部門に主体的な動きを求められています。そのため、IT部門が事業や経営の課題に対して積極的にITソリューションを提案していかなければならないですし、何よりIT部門が中心となってプロジェクト全体をコントロールする必要があります。求められる役割が増えた結果、ケイパビリティとリソースが足りない状態になってしまっていると感じています。
そうですね。パーソルグループ全体としても現状に対する危機感や「挑戦と変革」のマインドは常に持っており、「スピード感をもって変革を進めたい」というグループ各社の強い思いもひしひしと感じています。
常に「やりたいこと」と「できること」にギャップはあります。そのギャップを埋め、力強く変革への取り組みを推進する「実行部隊」となれるのが、私たち「デジタル推進部」です。「変化を起こしたい」という思いに「面白いですね、ぜひ一緒にやっていきましょう!」と共鳴して取り組みを前進させる――この点こそが協業の意義だと自負しています。
そして今、そういったシナジーを生み出せるようなグループ各社との信頼関係もしっかり育まれつつあると感じますね。
何か明確なきっかけがあった、というよりは地道にコミュニケーションを積み重ねた結果だと思います。
振り返ってみると、CoE組織が立ち上がった当初は、協業を進める中で、まだまだ「本当の意味」でグループ会社を理解できていなかったのではないかなと思います。そして、実際にプロジェクトに深く入り込むようになり、現場の皆さんの思いや考えを知っていく中で、私たちCoEメンバーも同じ目線で物事を見られるようになってきたのかなと思っています。
もちろん、変化したのは我々ホールディングスのCoEメンバーだけではありません。私たちがプロジェクトを支援する過程で「この人たち、こんなことができるんだ」「自分たちが掲げるテーマをこんなにサポートしてくれるんだ」と、グループ会社の方々も私たちの特性や強みに対する理解を深めてくださっていると感じますね。
こうした双方の歩み寄りによって「どういう変革を進めていこうか」ということをともに考え、議論を重ねることで、私たちに任せていただける役割の幅も広がってきたのだと思います。
まずは業務の中にしっかりと入り込んで「事業に対してどんな思いを持っているか」「事業の方向性をどう考えているのか」「何がやりたくて、どんな課題を持っているのか」を汲み取ることです。
もう一つは、フラットであること。各組織に対して忖度(そんたく)をせず、良いものは良い、良くないものは良くないとストレートに言える関係性であることです。既存のカルチャーやパワーバランスに囚われずに提案ができることが私たちの強みですから(笑)。距離が縮まりすぎると忖度が生じてくるので、今後も適切な距離感を保ちながら一緒に取り組んでいく立場でありたいと思っています。
率直にお伝えすれば「無事終わった」とホッとしています(笑)。もちろんいくつか問題もありましたが、それでも組織として、当たり前のことを当たり前にできたことはとてもうれしいですね。
何度もお伝えしている通り、私たちの組織はプロジェクト支援から企画や戦略の領域にまでスコープが広がってきています。これほどまでに頼ってもらえていることをポジティブに捉え、グループ各社の期待に応えていかなければと気を引き締めているところです。
大切なのは、グループ各社が抱えるさまざまな困りごとにリーチすることです。「私たちが扱うのはこの領域だけ」と壁を設けることなく、デジタル推進部のリソースとケイパビリティで今できる最大限の支援を行っていきたいと思っています。
その過程で、グループ各社の困りごとややりたいことに対する解像度を上げ、より多様なリクエストにも応えられるよう、組織としても成長し、できることを増やしていければと思います。そのためにも採用による体制強化にも注力していきたいですね。
私自身は「スペシャリスト」ではなく「ジェネラリスト」だと自覚しています。特定の専門性がある訳ではないですが、テーマや課題を限定せず、置かれた環境の中でテーマや課題に応じた解決策を模索しながら答えを出していくことが得意なので。こうした強みはまさにデジタル推進部の活動に直結すると考えており、グループ各社のサポートに生かしていきたいですね。
今は世の中があまりにも激しく変化していて、既存の仕組みややり方に固執してしまうと現状維持すら難しく、どんどん衰退していってしまいます。世の中の変化の流れやテクノロジーの進化のスピードを正しく理解して、「常に変革を起こし、世の中の変化に付いていかなければ」と思える人こそ、今後活躍する人材だと思います。そういった変化に対して高い意識を持って取り組める方と一緒に仕事がしたいですね。
実は、案外、そういった人は少ないんですよ。後から見れば「ああ、あのときこういう変化が…」と分かるものですが、渦中にいるとなかなか変化に気付けないもので。今実際に起こっている変化や5年10年という長期的な視点で起こり得る変化を冷静に理解しながら、変化に対して挑戦できるマインドを持った方が仲間に加わってくれればうれしいですね。
取材・文・撮影=合同会社ヒトグラム
※所属組織および取材内容は2025年8月時点の情報です。
※略歴内の情報は2025年4月時点での内容です。
パーソルホールディングス株式会社
グループAI・DX本部 デジタル推進部
部長
コンサルティング会社2社で、ITコンサルタントとして顧客企業のプロジェクト支援を務めた後、2022年5月にパーソルホールディングスに入社する。DX推進準備室において、国内グループ各社のプロジェクトの推進・支援に携わり、2025年4月より現職。