文系出身から、大規模インフラを守る“司令塔”へ――ITの魅力は現場の「はたらく」を支えること

テクノロジードリブンの人材サービス企業を目指す、パーソルグループ。同じ志をもつテクノロジー人材が次々とジョインしています。 

今回は、パーソルビジネスプロセスデザインにて現在マネジャーを務める兼子に、自身のキャリア変遷やこの仕事の魅力、業務のうえで大切にしている思いについて聞きました。

ネットワークの“仕組み”に惹かれて、キャリアの軸を自ら切り拓く

まずは、現パーソルビジネスプロセスデザインに入社する前のキャリアについて教えてください。大学卒業後は、どのような仕事からスタートしたのでしょうか?

新卒でホームページ制作会社に入社しました。当時はかなり厳しい時代だったこともあり、就職活動が思うように進まない面もありましたが、「IT業界に入りたい」という強い思いから会社を選びました。

ただ、IT企業といっても実際の業務は「事務作業が半分、ホームページ制作のアシスタント業務が半分」といった環境でしたね。

当時からITに興味があったのですか?

そうですね。大学は文系でしたが、ITに関心があり情報処理の授業を選択して勉強していました。もともと、高校生の頃からパソコンの設定をカスタマイズするのが好きだったんです。

今ほどインターネットが普及していない時代だったので、わからないことは自分で調べて試行錯誤しながらセッティングしていました。「こうすればインターネットにつながるんだ」という発見があり、過程そのものを面白いと感じていました。

念願のホームページ制作会社での仕事はいかがでしたか?

経験としては良かったのですが、正直なところデザインを含めた表面の分野は、自分の得意領域ではないと感じ、「自分がやりたいこととは少し違うかもしれない」と思うようになったんです。

そんなとき、他社のエンジニアの方と話す機会があったのですが、「どんなに綺麗なホームページを作っても、ネットワークがつながっていなければ誰にも見てもらえない」というお話を聞いて。仕事を通じて、自分が何気なく使っているインターネットの裏側に、さまざまな設定や機器のつながりがあることは理解していたので、このお話が決定打になり、キャリアチェンジを模索するようになりました。

そこで、ITスクールに通い、本格的にネットワークの勉強を始めました。当時、サーバのコースには女性もいたのですが、ネットワークのコースには女性がほとんどいませんでした。それでも「やはり自分はネットワークがやりたい」という一心で、夢中で勉強しました。

自ら行動されるほど、強い思いがあったんですね。

仕組みを知れば知るほど、ネットの「表面」ではなく、それを支える「裏側」を作る仕事に魅力を感じたんです。氷河期という時代背景もあり、「手に職をつけたい」という気持ちもあったかもしれません。
その後、ITスクールの方に紹介でSIerへ転職しました。

転職後は、どのような業務を経験されたのでしょう?

ネットワークエンジニアとして、さまざまな企業へ常駐しました。新しいシステムの設計・開発のサポートから、既存システムの改善、テクニカルサポートとしての運用支援まで幅広く担当しました。
SNSのようなサービス会社や、大手検索エンジンのシステム、メーカーのネットワーク運用など、多種多様な現場で経験を積ませてもらいました。

エンジニア未経験からのスタートで、苦労もあったのでは?

当時は大変というよりも、次々と新しい技術に触れられる楽しさのほうが大きかったですね。覚えた知識と身につけた技術でお客さまをサポートし、「助かったよ」「ありがとう」と言ってもらえるのは、この仕事ならではのやりがいでした。

ただ、どうしても日中に作業できないシステムもあるため、夜間作業や時間外の稼働もあり、体力面でハードな時期もありました。データセンターにこもって明け方まで改修作業に没頭したこともありましたね。しかし、そうした現場での泥臭い経験こそが、エンジニアとしての足腰を鍛えてくれたと感じています。

腰を据えて、もっと大規模なインフラに携わりたい。キャリアアップを目指した転職

そこから、さらに転職を考えたきっかけは何だったのでしょうか?

SIerでは常駐先を転々とするスタイルが中心です。さまざまな会社と出会えて良い経験になるのですが、徐々に「一つの会社で腰を据えて、内側から事業やシステムを支える仕事がしたい」と考えるようになりました。

そこで転職活動を行い、現在の会社へ入社しました。入社当時はスキルアップへの意欲も高く、「パーソルグループのような大規模なネットワークに携われる」という環境にワクワクしたことを覚えています。

入社後に、担当された仕事を教えてください。

入社当初はグループ全体のインフラ基盤の運用を任され、主にネットワーク領域を担当していました。ユーザー数も多く、機器やサーバの台数も桁違いで、その規模感には圧倒されましたね。

その後、組織再編をきっかけにグループ向けのセキュリティ運用を行う専門組織「SOC(Security Operation Center)」での業務も3~4年ほど経験しました。ここでサイバー攻撃への対策やインシデント対策の基礎を身につけたことが、現在の「ネットワークとセキュリティ」の双方を管理するポジションに活きています。

どういった苦労がありましたか?

データセンターの移設設計を本格的に手がけた経験がなかったこともあり、さまざまな壁にぶつかりました。
例えば、「移行後にシステムが起動しない」「IPアドレスが変わることで設計詳細を見直さなければならない」「運用方法自体も変わるため、新たに運用設計が必要になる」など、現場では想定外の事態が次々と見つかり、一つひとつの対応に奔走していました。

その状況を、どのように乗り越えたのでしょうか?

とにかく、目の前の業務を一つひとつ丁寧に進めることを意識しました。自分一人の判断で進めるのではなく、必ず二人体制でチェックを行い、不明点は周囲に確認する。どこにミスが潜んでいるか分からないからこそ、地道な作業を徹底的に積み重ねました。
そうして業務の確実性を高めていった経験は、今の自分のキャリアを支える大きな土台になったと感じています。

ネットワーク×セキュリティの“司令塔”へ。「聴く」を大切にするマネジメントでチームを率いる

現在の業務について、詳しく教えていただけますか?

大きく分けると、ネットワークとセキュリティの2つの領域を担当しています。

ネットワーク面では、自社拠点のネットワーク設備の運用・保守を行っています。近年はWeb会議やクラウドサービスの利用が増え、「通信が遅い」「止まってしまう」といった声が上がることも多いのですが、状況に応じて通信帯域の調整や機器のリプレースを行い、社員がストレスなくはたらくことに集中できる環境づくりを心がけています。

セキュリティの面では、外部からの攻撃を防ぐためのシステム対策や、ウイルス感染などのインシデントに備えた対応フローの整備を担当しています。トラブル時には、関係部署と連携して対応を指揮する“司令塔”のような役割を担うこともあります。さらに、社内から「新しいシステムを導入したい」といった相談があった場合には、安全に利用できるか、リスクはないかを確認する「セキュリティアセスメント」業務も行っています。

今期からマネジャーに着任されたとお聞きしました。仕事をするうえで、意識の変化はありましたか?

2025年4月にマネジャーに就任してからは、メンバーの話をしっかりと聞き、その人の状況や気持ちに寄り添うことを大切にしています。

かつて自分がメンバーだった頃、上司から期待される目標や基準を淡々と伝えられたことがありました。言っていることは正しいと理解しつつも、そのときの自分の状況やそこに至るまでの過程をあまり汲み取ってもらえなかったように感じ、心理的な距離が生まれてしまった経験があります。

状況を無視して意見を押し付けても、前向きなモチベーションにはつながりません。メンバーにもそれぞれの個性や強みがありますし、一人ひとりが力を発揮できるよう、最適な業務環境を整えるのが私の役目だと思っています。

リモートワーク中心の体制のなか、コミュニケーション面で工夫していることは?

週1回の定例会議で業務状況を共有してもらうほか、メンバーとは週1回の1on1を行い、個々の状況を丁寧に確認しています。

就任当初、業務負荷が高く「状況を十分に理解してもらえていない」と感じていたメンバーがいたのですが、丁寧に話を聴き、全体のバランスを見ながらタスクの再配分や負荷調整を行ったところ、「助かりました」と声をかけてもらえるようになりました。まずは「聴く」ことが、チームの成果につながると実感した出来事でしたね。

相談され、頼られる存在に。大事なのは技術よりも、「貢献したい」という気持ち

今後の展望や目標を教えてください。

情報システム部門は、どうしても「システムを管理するだけの部署」と思われがちですが、私は現場の社員の要望を丁寧に汲み取り、「この部分をこうしてほしい」「こういう便利な使い方がしたい」といった課題を一緒に解決できる存在でありたいと考えています。

そのために、誰もが相談しやすい環境をつくり、気軽に声をかけてもらえるような立ち位置を目指していきたいです。

長くIT領域ではたらく兼子さんにとって、この業界の魅力はどこにあると感じていますか?

根底にあるのは、ITの力で「便利になった」「安心して使える」と実感してもらえたときの喜びです。誰かの仕事が前に進むたびに、自分の仕事がそこにつながっていると感じられる点は、この領域ならではの魅力だと思います。

また、この領域は次々と新しい技術が出てくるため、ベースは同じでもやることが少しずつ変化します。セキュリティも新しい脅威や対策が出てきますし、ネットワークも昔はオンプレミス中心だったものがクラウドへと移行し、どう構成を考えるか……と、日々アップデートがあります。その変化を楽しめるところこそ、この仕事の醍醐味ではないでしょうか。

最後に、IT領域を目指す方、特に女性IT人材に向けてメッセージをお願いします。

ITの世界は「むずかしそう」というイメージを持たれがちですが、実際にはそこまで難解なものではありません。知識は学習すれば必ず身につきますし、今は学ぶツールも充実していて、必要な技術を習得する手段はたくさんあると思います。

それよりも大切なのは、「ITの力で便利にしたい」「もっとはたらきやすい環境を作りたい」といった気持ちだと思います。たしかに女性が少ない業界で、不安を感じたり躊躇することもあると思いますが、「面白そう」「自分ができたらうれしい」という気持ちさえあれば、努力次第でどこまでも活躍できます。

私のような女性エンジニアがマネジャーとしてはたらいている姿を見て、少しでも励みにしてもらえたらうれしいですね。パーソルグループは私が所属するパーソルビジネスプロセスデザインのように、フレックスやリモートワークも推奨されていて、はたらき方も柔軟です。「IT業界は忙しい」というイメージもあると思いますが、昔のように夜通しで作業していることもないので(笑)、安心して一歩を踏み出してほしいと思います。

取材・文=いしげまやこ(ファーストブリッジ)/撮影=山口修司(ファーストブリッジ)
※所属組織および取材内容は2026年2月時点の情報です。
※略歴内の情報は2026年2月時点での内容です。

Profile

兼子浩美 Hiromi Kaneko

パーソルビジネスプロセスデザイン株式会社
IT本部 IT統括部
インフラBITA部
ユーザーインフラグループ
マネジャー

2016年にパーソルプロセス&テクノロジー(現パーソルビジネスプロセスデザイン)へ中途入社。グループのセキュリティ運用業務ではSOCのリーダーとしてエンドポイント対策やインシデント対応、脆弱性管理の運用改善を実施。近年では自社情報システム部門でのEDRやSIGの導入、リスク評価、セキュリティアセスメントに注力し、セキュリティ体制の強化に取り組む。2025年からはマネジャーとしてセキュリティ・ネットワークの組織を管掌。

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