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「クラウドシフト推進」と「データセンター維持」の両面を支えるインフラエンジニアを取り巻く環境の進化

テクノロジードリブンの人材サービス企業を目指す、パーソルグループ。同じ志をもつテクノロジー人材が次々とジョインしています。今回は経験者採用で入社した菱に、現在の仕事とパーソルホールディングスではたらく魅力について聞きました。

ネットワークインフラ室の役割とは?

—現在、菱さんが室長を務めるビジネスコアインフラ部 ネットワークインフラ室の役割について教えてください。

簡単にいうとデータセンター内におけるネットワークインフラを管轄する部署です。

データセンター内で運用されているルータ/スイッチ・ファイアウォール・ロードバランサといったネットワーク機器やインターネット/WAN回線の維持・管理するのが主な役割です。現在はこうした通常業務に加え、パーソルグループが取り組んでいるオンプレミス環境からクラウド環境への移行に向けた準備に取り組んでいます。

—インフラ環境のクラウドシフトにも携わっているのですね。

はい。すでにパーソルグループではAWSやOCI、Microsoft Azureなど、さまざまなパブリッククラウドを利用していますが、現状ではデータセンターネットワークを中心として各種クラウド環境へ接続される構成になっています。こうした仕組みをクラウド環境への移行に合わせて再構築するのもわれわれの仕事です。つまり、ベクトルの異なるふたつの仕事を担当しているのがネットワークインフラ室の役割といえます。

「技術」と「人」を自分の武器にするための転職

改めて菱さんのご経歴を聞かせてください。

20代のころはSIerに在籍しながら、銀行や証券会社など金融機関が利用するネットワークの設計や構築、運用、保守、障害対応業務に一通り携わりました。30歳を機に自社サービスを手がける事業会社に転職し、それ以降は、ゲームやモバイル、広告、教育といった事業ドメイン領域でインフラ構築/運用に携わってきました。

30代から40代にかけては、少しずつエンジニア組織のマネジメントや人材育成、採用などにかかわるようになり、自分の強みも「技術と人」の掛け合わせにあると考えるように。そして2022年にパーソルホールディングスへ入社し、現在に至ります。

—なぜ数ある選択肢のなかからパーソルホールディングスを選んだのでしょうか?

パーソルホールディングスに興味をもったのは、「はたらいて、笑おう。」というグループビジョンに共感を覚えたのがきっかけです。インフラエンジニアになってからずっと「楽しくはたらくこと」を意識してきましたから、このようなメッセージを発信する会社ではたらけたら、どんな将来が拓けるのだろうかと興味が湧き、応募しました。

—面接では、入社したらどのような仕事を任せたいと?

インフラ企画・推進力やマネジメントが得意分野ということもあり、現在企画中のクラウドシフト推進に向けた大型プロジェクトをリードしてほしいというオーダーでした。私が入社する以前から、クラウドシフト推進に向けたプロジェクトは動きはじめていたものの、プロジェクトをリードできる人材が足りないとのこと。

インフラの企画から実装まで一気通貫で任せたいという話を聞き、それならこれまでの経験や取り組んできたアプローチが活かせるだろうと思い、入社を決めました。

—テクノロジードリブンの人材サービス企業を目指しているパーソルグループなら、「技術」と「人」の両面から課題解決に当たれると思われたんですね?

その通りです。以前からそのふたつを自分の強みにしたいと思っていましたし、規模が大きな人材サービス企業でエンジニアリングだけでなく、人を活かす取り組みに携われたら、きっといい経験になるはずだと考えました。

インフラエンジニアとして大規模なクラウドシフトプロジェクトに携わりながら、いずれエンジニアのモチベーションを高める評価制度づくりや、個人の成長を後押しするような施策の立案に携われる可能性が少しでもあるなら、挑戦する価値があるだろうという思いもありました。

裁量を与えられているからこそ、困難に立ち向かえる

—入社してみていかがですか?

入社直後、「データセンターネットワーク再生プロジェクト」や「クラウド連携基盤導入プロジェクト推進」に参画して感じたのは、クラウドシフトの難しさでした。パーソルグループは、これまで新規事業の創出やM&Aを通じてビジネスを拡大してきたため、解決すべき課題が多く「想像以上に手強い」というのが率直な感想でした。

具体的にどのような難しさがあるのでしょう?

その時々でベストと思われるやり方を採用していたからだと思うのですが、インフラの設計思想がバラバラで、残されたドキュメントが少ないこともあって、現状を読み解くだけでも時間がかかってしまう難しさがあります。かといって、過去の技術的負債をクラウドにそのまま引き継ぐわけにはいきませんから、非常に神経も使いますし手間も時間もかかる。その点は本当に想像以上でした。

—それだけの難プロジェクトだからこそ、インフラを熟知した経験豊富なベテランが必要だったんですね。

技術的な難しさだけではありません。パーソルグループ各社は事業内容も事業規模もそれぞれですし、会社ごとにクラウドシフトの難易度も異なります。ステークホルダーとのコミュニケーションは密にしなければならず、ある程度場数を踏んだ人間でないとなかなか難しいと思います。

しかも、オンプレミスからクラウドへの移行が完了するまでは、現行のデータセンターの維持管理にも一定の時間と人を割く必要もあるので、両者のバランスを取る難しさもあります。これまでさまざまな経験を積んだ身としては「腕がなります」と言いたいところですが、本格的な山場はまだこれからなので、もうひと山、ふた山超えるまで気を抜く暇はなさそうです。

—難題に立ち向かうには、仕事の任され方や裁量の大きさも重要なポイントになりそうです。実際のところいかがですか?

インフラエンジニアは、普段なかなか意識されることが少ない存在である一方、その仕事ぶりがビジネスに与える影響は少なくありません。そのため、インフラエンジニアを束ねるマネージャー陣には、かなり幅広い裁量権がある印象です。指示されたことを淡々とこなすだけでは達成困難な目標に立ち向かっている以上、任せてもらえる範囲が広いのは当事者としてとてもありがたいですし、インフラエンジニアとして培ったポリシーを貫くこともできるので、そういう意味では非常にやりやすい環境です。

クラウドシフトを成功させ、エラーバジェット運用と人材成長に寄与したい

—クラウドシフトを成功させた後、どんなことにチャレンジしたいですか?

Googleが提唱する「SRE(Site Reliability Engineering)」に基づく業務体制を確立してみたいですね。その中でもエラーバジェット運用を推し進めたいと考えています。

たとえばサービスの正常稼働時間を、99.9%保証する代わりに、0.1%を定期メンテナンスや技術的負債の解消に割けるようになれば、攻めのインフラが可能になり、ビジネスの発展に寄与するはずです。日本ではまだまだ「インフラを止めるなんてもってのほか」と考える方が多い状況ではありますが、「テクノロジードリブンの人材サービス企業」を目指すパーソルホールディングスならきっと実現できると考えています。

—「人を活かす取り組み」についてはいかがですか?

マネージャーになったからには目の前の仕事だけでなく、次世代の人材育成にも責任があります。インフラエンジニアは仕事の性質上、トラブル発生時にスポットが当たりがちな職種なので、どうしても加点評価より減点評価に偏りがちな傾向があります。新たな評価制度をつくったり、モチベーションアップ施策に取り組んだりできる機会があれば、ぜひ挑戦したいですね。

インフラエンジニアを取り巻く環境をよりよく変えるのが私自身のライフワークなので、これからもさまざまな角度から挑戦を続けるつもりでいます。こうした経験から得た知見や成果が、何らかの形で社会に還元できたらこれ以上嬉しいことはありません。

—最後に、パーソルホールディングスではたらく魅力を教えてください。

現在グループ各社のビジネスを支えるインフラ環境の大改革に取り組んでいますが、こうしたダイナミックな変化を目の当たりにするチャンスはそうそう巡ってくるものではないと思っています。数少ないチャンスをものにして、今後のキャリアに活かしたいと考える方とぜひ一緒にインフラ環境のクラウドシフトを目指していきたいですね。

取材・文=グレタケ 武田敏則
(2024年6月時点の情報です。)

菱信一郎Shinichiro Hishi
パーソルホールディングス株式会社
グループIT本部 ビジネスコアインフラ部
ネットワークインフラ室
室長
2001年にキャリアをスタートし、インフラエンジニアとして金融、ゲーム、モバイル、広告、教育と多岐にわたる事業ドメインを経験。主にインフラ企画や運用改善に取り組む一方、エンジニア組織の活性化やエンジニア向けの人事制度の立案など、ヒューマンリソースにも携わる。2022年、パーソルホールディングスに入社。ビジネスコアインフラ部 ネットワークインフラ室の一員として「データセンターネットワーク再生プロジェクト」や「クラウド連携基盤導入プロジェクト」を推進。2024年より現職。

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