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パーソルの未来をつくるクラウドリフト。推進役を担うCoEの責務と魅力

パーソルグループは、『中期経営計画2026』において「テクノロジードリブンの人材サービス企業」という経営の方向性を掲げています。グループ全体の事業やサービスにおけるテクノロジー実装・活用を強化するため、2023年4月に発足したのが「CoE(Center of Excellence)」です。

今回は、CoEの一員としてグループ全社のクラウド移行に取り組むパーソルホールディングスの宅見に、CoEの具体的な活動内容やその成果、プロジェクトへの意気込みについて聞きました。

「 CoE(Center of Excellence)」概要

組織を横断して、パーソルグループの各事業でのテクノロジーの実装・活用を強化する組織。
2023年4月にパーソルホールディングス内に設置され、2024年7月現在、パーソルテンプスタッフを中心に、DXを推進している。

開発経験を活かしCoEの立ち上げメンバーに

—これまでの経歴を教えてください。

SIerのプログラマーやSEとして、お客さまの要件・要望を実現するシステム開発に携わったあと、小売業向けパッケージソフトの自社開発と受託開発を手がける開発会社を経て、前職では保険業界向けのITサービス開発や導入に携わっていました。

—パーソルホールディングスへの入社のきっかけは? 

長年お客さまのための開発に携わってきたので、自社のビジネスをITで支える仕事をしてみたいと思ったのが1番の動機です。苦心して開発したシステムもお客さまに納品し契約満了ともなればそれ以上の手出しはできませんが、自社のビジネスなら施策の舵取りを含め、サービスを継続的に育てていくことができます。

なかでもパーソルホールディングスを選んだのは、CoEの立ち上げメンバーとしてプロジェクトをリードしてほしいという要望をもらえたことが大きかったです。大きな組織でコーポレートITを経験できることはもちろん、せっかく環境を変えるなら、できあがった組織に入るより、組織自体を育てていく経験したいと思いました。この点が、入社を決める後押しとなりました。

—改めて、CoEはどのような役割を担う立場なのでしょうか?

CoEとは「Center of Excellence(センター・オブ・エクセレンス)」の略で、テクノロジーに関する知見や人材を集め、傘下のグループ会社に知見やノウハウを提供する組織を意味します。サポート役ではなく、グループ各社のIT部門や企画部門、さらに現場の方々とともにITプロジェクトを推進することが、われわれCoEに期待されている事です。

—CoEの運営体制についても教えていただけますか?

現在は支援先となるグループ会社ごとに4つの室に分かれています。私がマネジメントしているSBUプロジェクト推進2室は私を含め7人のメンバーで、パーソルテンプスタッフのITプロジェクトの推進を行っています。

私が入社した2023年当時、CoEは総勢20名ほどでしたが、現在は80名を超えるメンバーが在籍しています。部門のメンバーは私と同様にSIerなどでシステム開発やプロジェクトマネジメントに携わってきた人をはじめ、ITコンサルやメーカーなどで新規ビジネスを立ち上げてきた人、データサイエンスやAI、データマネジメントに知見をもつ人など、多彩なバックグラウンドを持っていますね。

グループ各社のクラウドリフトと最適化を目指して

—現在、宅見さんはCoEとしてどのようなテーマに取り組んでいますか?

現在取り組んでいるのは、業務関連システムとインフラ基盤のクラウドリフトです。パーソルグループの業務を支える大小さまざまなシステムは一部の例外を除き、自社のデータセンター上で管理・運営していますが、パーソルグループは2026年3月までにデータセンターを廃止し、現在稼働中のシステムとインフラをクラウドリフトする計画を進めています。そのため、私の室では現在、グループ各社の業務システムが問題なくクラウドリフトできるよう、継ぎ目のない事業継続のため全力を尽くしています。

クラウドリフトの進捗状況を聞かせてください。

同じグループ企業であっても、企業規模やシステムの複雑さはさまざまです。あらかたクラウドリフトを終えているグループ会社がある一方、われわれが担当しているパーソルテンプスタッフのように、秘匿性の高い情報資産を扱う上、つなぎ込むべきシステムの数が多く、データベースの性能に配慮しなければならないケースもあります。完了までは平行して既存のシステムやインフラを維持、改善しなければならない難しさもあるので一筋縄にはいきません。

—今後の見通しは?

クラウドやデータベースのチューニングを専門とするベンダーはもちろん、各社のIT部門や既存システムの運用や維持・管理に携わっているベンダー各社の協力を得ながら、クラウドリフトに必要な段取りや課題の解消に取り組んでいます。難易度は高いものの、必要な技術支援が受けられる体制を整えられました。一番の山場はこれからですが、概ね計画通り進捗しています。

すべてはテクノロジードリブンの人材サービス企業になるための布石

—各社のクラウドリフトが無事完了すれば、宅見さんに求められる役割もおのずと変わるのでしょうね。

はい。生成AIの急速な進化を見てもわかる通り、ビジネスを取り巻くテクノロジー環境の変化は非常に速く、そのスピードは年々加速しています。大きな変化がいつ訪れてもおかしくない環境のなかでビジネスの成長を持続させるには、事業の基盤となるITインフラやシステムも柔軟性に富んだものにアップデートしなければなりません。 

クラウドリフトはビジネスの機動性を高め、将来にわたって成長を加速させるための地ならしのようなもの。クラウドリフトが無事完了したらクラウドネイティブな最新テクノロジーを順次取り入れ、変化への対応力を高める方向にグループ全体で進むことになるでしょう。データセンター廃止に伴うクラウドリフトは、テクノロジードリブンの人材サービス企業になるためのマイルストーンのひとつに過ぎないのです。

—宅見さんのCoEプロジェクトには、今後どのような人材が必要でしょうか。

直近のニーズを申し上げると、インフラやネットワーク、クラウドに関する専門的な知識や幅広い経験がある方になりますが、スキル以上に大事なことがあります。それは変化への対応力と柔軟性です。環境が急激に変化すれば、一夜にして戦術の見直しや優先順位の変更が迫られてもおかしくないからです。変化を受け止め、その上で本質的な改善につながる戦術を編み出し、周囲を巻き込みながら実行に向けて動き出せる方。そんな方に期待を寄せています。

—パーソルグループの事業特性や事業内容についての理解についてはいかがですか?

グループとはいっても、事業内容や企業規模も異なりますし、重要視するポイントや業務の進め方もさまざまです。ITの活用度合いも会社によって異なりますから「これが最適な進め方」と押し付けるようなやり方は通用しません。人材ビジネスに携わった経験は必須ではありませんが、担当するグループ会社の事業内容を知るのはもちろん、相互理解を深めるような振る舞いやコミュニケーションが必要になるでしょうね。

—クラウドリフトの山場を前に、これからCoEの一員になるおもしろさ、価値はどこにあると思われますか?

立ち向かうべき課題の大きさと課題をクリアしたあとの達成感は比例するものです。われわれは大規模かつグループ内でも注目度が高いプロジェクトの最前線で、プロジェクトをけん引していく立場にもあります。プレッシャーもありますが、パラダイムが大きく変わる過渡期にしか味わえない醍醐味や学びが得られるはずです。 

—最後にCoEに関心をお持ちの読者へ、メッセージをお願いします。

CoEは多様な年代、バックボーンを持った方々が集まっています。前職では触れたことのない行動や考えに接することで、新たな気づきを得る機会が多くあります。新たな組織であるCoEを作り、成長させていく経験は、ほかではなかなか得られない貴重なものと感じています。時には困難な課題に直面することもありますが、自分たちの手で組織を形作っていくという可能性を楽しめるのではないでしょうか。 

クラウドリフト後もシステムの最適化や最新技術の実装など、CoEが推進すべき領域は広がっていきますから、大規模な企業グループのテクノロジー改革にひと役買いたいという意欲のある方に、ぜひ加わっていただきたいですね。 

取材・文=グレタケ 武田敏則
(2024年7月時点の情報です。)

宅見栄作Eisaku Takumi
パーソルホールディングス株式会社
グループデジタル変革推進本部 デジタル推進部
SBUプロジェクト推進2室
室長
SIer在籍中はプログラマーやSEとして、小売業界、保険業界向けのITソリューションサービスの企画、構築、導入を担当。2023年4月にパーソルホールディングスへ入社し、現在はグループ会社のIT活用を支援する組織横断型のグループデジタル変革推進本部デジタル推進部で、パーソルテンプスタッフ社の業務システム全体をクラウド化するプロジェクトを担当している。家庭では育児に励む9歳男児の父。環境変化に合わせた働き方を実践中。

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