DXの先にある「はたらき方の転換」、パーソルワークスイッチコンサルティングの武器となる新事業とは
テクノロジードリブンの人材サービス企業を目指す、パーソルグループ。同じ志をもつテクノロジー人材が次々とジョインしています。
今回は、主に企業のBPR(Business Process Re-engineering)を支援する「業務コンサルティング」と、AIやAutomation技術を活用した「テクノロジーコンサルティング」の2つの領域で事業を展開するパーソルワークスイッチコンサルティングの宇賀持(うがもち)に、現在の仕事とパーソルワークスイッチコンサルティングではたらく魅力について聞きました。
エンジニアからコンサルタントへ。パーソルワークスイッチコンサルティングの源流となる、コンサルティング部立ち上げに尽力
ー新卒でエンジニアとしてキャリアをスタートされたそうですね。
はい。大学は文学部でしたが、「若いうちは無知のIT分野であっても頑張れるかも」という思いから、システムエンジニアとしてメーカーに就職しました。そこでは、社内で利用する基幹システム基盤や、関連するアプリケーション開発を担当し、新規開発からシステム改修まで携わりました。
ーそのエンジニア経験を経て、パーソルワークスイッチコンサルティングへ入社されたのですね。
そうですね。私が入社した当時はパーソルワークスイッチコンサルティングという企業は存在しておらず、インテリジェンスとしてIT系のアウトソーシングサービスを行っていました。そのため入社後1年ほどはコンサルティング関連の業務ではなく、契約・請求業務管理を行う社内システムと、それに伴う社内BPRを担当しましたね。
その後、新たにコンサルティング組織が立ち上がるという話となり、立ち上げメンバーとして声がかかりました。この時の事業が現在のパーソルワークスイッチコンサルティングの源流となっています。
ーエンジニアからコンサルタントへのキャリアチェンジを行うことになったときは、率直にどのような気持ちでしたか?
エンジニアのメインミッションは、お客さまから依頼された仕様に基づいて正確に開発すること、そしてそれを安定的に稼働させることです。それらの現場経験を武器に、プロジェクトメンバーとのコミュニケーションを通じて、より自分の考えや意見、オリジナリティが反映できるような職種にチャレンジしたい、という思いから転職を決めた背景があります。この想いに一歩近づけると思ったので、コンサルタントへのキャリアチェンジは前向きに捉えられましたね。
ーコンサルタントとしては、どのような業務を担当していたのですか?
2016年にAI&データ事業を立ち上げ、徐々に領域を拡大しながらデータ蓄積基盤の設計からAIによる高度データ分析、BIによるデータ可視化、それらのデータ分析結果を戦略に活かすためのデータ利活用支援を行っていました。当時の組織にはエンジニア経験がある人材が私だけだったので、システム系の案件を広く担当しましたね。
「はたらき方の転換」実現を支援するパーソルワークスイッチコンサルティング
ーパーソルワークスイッチコンサルティングは、どのような事業を行っているのでしょうか?
企業のBPRを支援する業務コンサルティング、AIやオートメーション技術を活用したテクノロジーコンサルティングの2つの領域で事業を展開しています。
業務とテクノロジーのコンサルティングで「はたらき方の転換」を実現して、お客さまの持つ課題を解決へと導き、人材と組織の生産性を向上させる支援をしています。
ー現在、宇賀持さんが担当している事業や役割を教えてください。
私はテクノロジーコンサルティング領域を担う、ITコンサルティング部の責任者を務めています。ITコンサルティング部は、ITサービスを外販するAI&データ事業を担うチームと、新たな取り組みであるデジタル・エクスペリエンス事業を担うチームで構成されています。
―まずAI&データ事業について教えてください。
それまでは企業へ積極的にシステムを導入し、業務を効率化することが主でしたが、2010年代半ば頃より社内で利用されている業務システムに蓄積されたビッグデータを活用し、経営戦略構築に活かしていこうという動きが出始めました。この流れを受けて立ち上げられたのがAI&データ事業です。
データを収集・加工・分析し、可視化する「データパイプライン」と呼ばれる部分の企画から設計、構築から運用までのコンサルティングを行っています。AIを高度なデータ分析に活用し、企業の戦略に活かすことが目的です。
AI&データ事業はBPRやツール導入といったコスト削減や業務効率化に直接繋がるものとは異なり、お客さまのサービスやはたらき方に付加価値をつけるものです。その価値をお客さまにしっかりと感じていただけるようにサービスを提供しています。
会社の新たな武器となる「デジタル・エクスペリエンス」
ーもう1つのデジタルエクスペリエンス事業についても教えてください。
デジタル・エクスペリエンス事業(「デジタル・エクスペリエンス コンサルティング」サービス)は、2024年4月に立ち上げたばかりの事業です。
デジタル・エクスペリエンスは、「カスタマーエクスペリエンス」「パートナーエクスペリエンス」「エンプロイーエクスペリエンス」「デベロッパーエクスペリエンス」といった4つのエクスペリエンスを含んでいます。
この事業は、これまで多くの企業が取り組んできたDXによる業務効率化のさらに先にある体験価値にフォーカスしています。DX化の目的を単体ごとの業務効率化に留めるのでなく、組織を超えての業務や、ステークホルダーとの繋がりを感じる従業員体験に会社として向き合っていきましょうと提案しています。
―たとえばどのような提案を行っているのでしょうか?
一例として、業務効率化を目的としているはずなのに、ITシステムやRPAツールは部門ごとにサイロ化されているという課題が挙げられます。部門を超えてシステムを連携し、各業務システムを横断的に接続することができれば、複数のシステムを用いて分断されていた業務を連携させることができます。横断的にシステムを連携させることで、部門を超えたデータ連携のニーズにも容易に応えることができ、DX化だけでは実現しきれない「デジタル・エクスペリエンス」を向上させることが可能になります。
このような状態をつくることでユーザビリティが向上し、ツールを使うハードルが下がり、エクスペリエンスが向上するといった効果を体感してもらう。これを会社としてさらに推し進めていくために作られた事業です。
ーデジタル・エクスペリエンス事業で扱っている具体的なサービスを教えてください。
デジタル・エクスペリエンスを実現するためには、デジタルプラットフォームが重要と考えています。このプラットフォームとして、新たにServiceNowやMicrosoft Dynamics 365を取り扱っています。
ServiceNowは、各業務システムを1つの製品に全て置き換えるという発想ではなく、あくまでも今ある業務システムを横断的に連携させ、エンドツーエンドでデジタルワークフローを実現するという考え方に基づいています。また、デジタルワークフローの観点においてBPO領域では非常に効果が期待されていることから、グループ内のBPO事業と連携し、お客さまへの提案を進めています。
Microsoft Dynamics 365は、85%以上の国内企業がMicrosoft製品を導入しているという調査結果から、ニーズの高さを見越しています。その他のMicrosoft製品との相性の良さや、CRM、SFA、ERP、マーケティング、顧客サービスなど、幅広い領域をカバーできる点が魅力です。
普段使い慣れた製品とのシームレスな連携はユーザーにとっては重要となりますし、AIやARといった最新技術を利用した機能はユーザーの期待にこれまで以上により応えられるものとなります。
ーなぜこのタイミングでデジタル・エクスペリエンス事業を立ち上げたのでしょうか?
RPAツールや部分的なITツールを導入することで、一時的な便利さは向上します。ただ、もともとエンジニアだった立場から考えると、「このデジタル化は応急処置的な対応なのではないか?」と疑問に思うことがありました。もっと根幹部分を改革し、根本的な経営課題にチャレンジするのが、本来我々が目指すべきところなのではないかと。
われわれのコンサルティングは、人事DX、営業DX、経理DXといったそれぞれの業務の専門領域があります。デジタル・エクスペリエンスは一つの領域で完結することができない事業だからこそ、われわれがコンサルティング市場の中で勝ち続ける武器となるのではないかと思ったのです。
そこで、「パーソルワークスイッチコンサルティング全社にとって武器となる新たなサービスを構築する」という私のミッションも相まって、現在のデジタル・エクスペリエンス事業を立ち上げるに至りました。
パーソルワークスイッチコンサルティングならではのサービスへと成長させたい
ー2024年度の取り組み内容や目標を教えてください。
まずは、デジタル・エクスペリエンス事業を軌道に乗せることが今期の大きな目標です。
デジタル・エクスペリエンス事業は、BPO事業に大きな影響を与えると予想しています。お客さまからお預かりした業務にデジタル・エクスペリエンスのサービスを活用いただくことで、お客さまの満足度はもちろん、BPO領域ではたらくパーソルグループ社員の業務効率化と満足度向上にも必ずつながるためです。
ー2023年にパーソルプロセス&テクノロジーから分社化し、コンサルティング会社として事業を展開していますが、現在のパーソルワークスイッチコンサルティングのフェーズを宇賀持さんはどのように捉えていますか?
デジタル・エクスペリエンス事業を立ち上げた背景にもつながりますが、この事業を「パーソルワークスイッチコンサルティングといえばこのサービスだね!」といえるような武器として会社を挙げて成長させていかなければならない段階だと考えています。
そのため、社員教育にも注力したいですね。コンサルティング会社のコンサルタントとして、市場の流れをキャッチアップし、個々のスキルを常に上げ続ける必要があると感じています。
―個々のスキルアップをはかるために、取り組んでいることはありますか?
全社の取り組みとして企画し、実際に展開しているのがデジタルプラットフォーム勉強会です。
そのほかITコンサルティング部としては、デジタルプラットフォームやその他ITに関連する資格取得を目指した学習支援を行っています。
しっかり目標を掲げてメンバー一人ひとりがコミットできるような体制や仕組みづくりに取り組んでいるところです。
根本的な改革が提案できるスペシャリスト集団へ、組織を成長させたい
―ところで、宇賀持さんははたらきながらMBAを取得されたと伺いました。
部長のポジションを任せていただきながら、2年前に仕事と並行しながら大学院へ通い、MBAを取得しました。授業がある日は2時間早く仕事を開始して定時内で業務を終えられるよう調整していました。業務と学業を両立させ、おかげさまで無事に卒業できました。
こういった体制を含めて、自分が「これに挑戦したい」と思ったときに年齢や役職関係なくチャレンジできる機会はオープンに開かれています。上司の理解もありますし、チームメンバーも協力してくれる、チャレンジ中の人材を応援する社風があると感じますね。
―最後に、パーソルワークスイッチコンサルティングにおける宇賀持さんの今後の目標を教えてください。
自分自身はいちコンサルタントとしてスキルアップしつつ、今の組織をスペシャリスト集団として成長させ、より高度なサービスが提供できる組織づくりに注力したいですね。
お客さまのことを考えると、コンサルタントは活用し続けないほうが良いと思っているんです。というのも、もちろんご支援内容や状況にはよりますが、コンサルタントが入り続けているプロジェクトは、実は失敗ではないかと考えていまして。我々コンサルタントとしては、やはりお客さま自身でしっかり運用できる仕組み作りをサポートする。仕組みが固まったらしっかりと手放してお客さまのなかで回していただけるのが理想ではないでしょうか。
それには、お客さまのなかにある潜在的な課題をしっかりと引き出して根本的な改革をするための提案が欠かせません。今後はますます妥協なき提案ができるようなスキルを私自身も身につけたいですし、メンバーそれぞれにも求めていきたいですね。
取材・文=ファーストブリッジ 宮口佑香
(2024年9月時点の情報です。)
※Microsoft は、米国 Microsoft Corporation の米国およびその他の国における登録商標または商標です。
※ServiceNow、ServiceNow のロゴ、Now、その他の ServiceNow マークは、米国および/またはその他の国におけるServiceNow, Inc. の商標または登録商標です。その他の会社名および製品名は、関連する各会社の商標である場合があります。
※SalesforceはSalesforce, Inc.の商標であり、許可のもとで使用しています。
※SAP® は、ドイツおよびその他の国における SAP SE またはその関連会社の商標または登録商標です。
※SAP® Ariba® は、ドイツおよびその他の国における SAP SE またはその関連会社の商標または登録商標です。
※Adobeは、米国およびその他の国における Adobe の登録商標または商標です。
- 宇賀持志織Shiori Ugamochi
- ソリューションデザイン事業部
ソリューションデザイン統括部
ITコンサルティング部
部長(シニア・コンサルタント) - 2012年に現パーソルワークスイッチコンサルティング株式会社に中途入社。コンサルタントとして、プロジェクトマネジメント、戦略立案、業務BPR、システム設計~構築、データ利活用業務に従事した。2017年に現パーソルワークスイッチコンサルティングの源流となる組織・ITコンサルティング部の立ち上げを担当。現在は、AI&データ事業、デジタル・エクスペリエンス事業の責任者として事業を推進中。