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「DXを通じた顧客体験価値向上」を実現した先にある、もっと多様で、自由なはたらき方ができる社会を目指して

テクノロジードリブンの人材サービス企業を目指すパーソルグループ。人材派遣領域を担うパーソルテンプスタッフでは、DXによる企業と派遣スタッフの「はたらく」環境改善に力を入れています。今回はパーソルテンプスタッフの山下に、現在の業務内容や山下が部長を務めるクライアントDX推進本部が取り組むDX戦略について聞きました。

中小企業の経営相談を受けるなか、人材における課題の深刻さを痛感

―まず、山下さんの経歴を教えてください。

私は2016年にパーソルテンプスタッフへ入社しました。パーソルテンプスタッフ入社以前はいくつかの会社で、コンサルティング業務に携わっていました。

特に前職である税理士法人では、中小企業の経営相談を主に担当していました。銀行などを交えての資金繰りなど、さまざまな相談に対応する中で、一番解決が難しいと感じたのが採用や育成といった「人」における課題でした。このことをきっかけに、「人材の課題はどうしたら解決できるのだろう?」と人材業界に興味を持つようになったんです。

最初は人事の仕事を探していましたが、転職エージェントより紹介されたパーソルテンプスタッフに縁を感じ、転職を決めました。

―入社後、どのような業務を担当されてきましたか?

入社後4年間は、社内で使う基幹システムの刷新や、刷新後の企画開発・運用設計・推進活動などに従事していました。前半の2年間は、給与や社会保険を計算するシステムを担当し、その後は営業担当者が使用するシステムに携わりました。ずっと社内向けシステムを担当していたのですが、「事業の売上貢献につながる業務に挑戦したい」という思いが芽生え、自ら異動を志願。その後、現在のクライアントDX推進部にマネージャーとして着任するに至りました。

営業担当者、派遣先企業、派遣スタッフそれぞれにメリットがあるDX化を

―現在の業務内容を教えてください。 

クライアントDX推進本部の部長として、「DXを通じた顧客体験価値向上」をテーマに取り組みを推進しています。人材派遣サービスを利用されている派遣先企業が感じるサービスへのご意見やご不満をキャッチし、テクノロジーを活用し解消するということがミッションです。

現在は、派遣先企業様向けプラットフォーム「T-PLA(ティープラ)」のシステム開発やコンテンツ企画、推進活動に注力しています。

―T-PLAについて教えてください。

T-PLAは派遣先企業向けのプラットフォームで、契約状況や請求内容の確認をはじめ、派遣スタッフの勤務状況確認などを行うことができるシステムです。

T-PLAの企画が立ち上がったのは約6年前で、それまでは派遣先企業とのやりとりは営業担当者に一任されていました。しかし、労働者派遣法の改正などによって営業担当者が担う仕事量は次第に増加。派遣スタッフ管理の煩雑さが課題となっていました。

そういった課題を解決するためにT-PLAが誕生しました。これまで営業担当者が担っていた契約書や請求書の発行といったタスクの一部をT-PLA上で行えるようにすることで、派遣先企業へのサービス品質向上はもちろん、営業担当者がより提案に集中できる環境作りを実現しました。

T-PLAリリースにより、これまで特に大きな課題となっていた問い合わせや書類の再発行といった事務系業務のスピードが大幅に改善し、現在では派遣先企業の導入率は7割を超え、ユーザー数は5万人を突破しています。

―クライアントDX推進本部が取り組んでおられる、今期の重点施策について教えてください。 

24年度はT-PLAのサービス品質向上のため、事務的な機能だけではなく派遣先企業と派遣スタッフコミュニケーションツールとしての機能を拡充させていきたいと考えています。例えば、派遣先企業が新たに派遣スタッフを依頼したいと考えたときに、T-PLA上のボタン一つで行えるようにするほか、派遣先企業から派遣スタッフへの定期評価やフィードバックを行える仕組みを構築し、派遣スタッフのモチベーションアップにつなげていきたいと考えています。 

また、T-PLAには膨大なデータが蓄積されており、それらを活用することでより派遣先企業や派遣スタッフにフィットしたサービスを提供できると考えています。例えば派遣スタッフを取り巻くマーケット情報などを精査することで、より派遣先企業のニーズに合致する派遣スタッフの紹介が可能になると考えています。 

派遣スタッフにおいても、自身にあった派遣先企業での就業ができれば、長期的かつ安定的にはたらくことができるようになります。なかには将来的に正社員勤務を希望されている方もいらっしゃいますので、T-PLA上で派遣先企業からの評価が蓄積されていけば、今後のキャリア構築にもお役に立てると考えています。 

―「DXを通じた顧客体験価値向上」を推進する上での面白さは何ですか? 

やはり、影響力の大きさではないでしょうか。これまで私は経営相談やコンサルティングなど、企業の課題解決にさまざまな形で取り組んできましたが、自分一人の力では限界があると感じることもありました。DXを通じて顧客体験価値向上に取り組む現在は、より多くの企業の課題解決に貢献できていると実感していますね。 

T-PLAのように5万人以上ものユーザーにご利用いただいているサービスに携わることで、実際に使用いただいているユーザーからの反応を身近に感じることができ、日々やりがいを感じています。 

クライアントDX推進本部ではよりスムーズにユーザーの声をサービスに反映したいという思いから、ここ2年ほどはアジャイル開発にも取り組んでいるほか、開発、企画双方の体制が整ってきたこともあり、積極的にPoCも行っています。こういった取り組みが少しずつ、よりユーザーにフィットしたサービス開発に活きていると感じています。 

効率化ではなく、快適化のDXを目指したい

―山下さんはパーソルテンプスタッフへ入社後、一貫してDXに関連する事業に携わられていますが、そんな山下さんの思う人材派遣事業の魅力について教えてください。

人材派遣事業の魅力は、はたらく選択肢が増えることだと思います。何らかの制約があってはたらけなかった方にとっては一歩前進する機会になりますし、副業やパラレルワークなど、はたらき方が増えるなかで選択肢の一つにもなっています。また、企業にとっても、事業拡大、安定化において非常に有効な手段だと考えています。

もっと多くの企業で派遣スタッフが活躍することができれば、企業の事業貢献につながることはもちろん、はたらき手である派遣スタッフの選択肢も広がっていくのではないでしょうか。

人材派遣事業をさらに世の中へ浸透させていくことは、人材派遣事業のリーディングカンパニーであるパーソルテンプスタッフにとって非常に重要なミッションです。まず行うべきは、派遣スタッフの就業によって企業にどのようなメリットがあるのか、といった人材派遣の有用性を企業へきちんとお伝えし、体感していただくことだと考えています。

―先ほど「人材派遣事業のリーディングカンパニー」とありましたが、山下さんの考えられるパーソルテンプスタッフの人材派遣事業の強みや魅力は何だと思いますか?

私がパーソルテンプスタッフに惹かれた理由の一つでもありますが、企業や派遣スタッフにしっかりと向き合う企業風土が根付いている点です。T-PLAの構想も、企業や派遣スタッフにもっと良いサービスを提供したいという思いから生まれました。常に企業、派遣スタッフのことを考え、サービスをアップデートさせているからこそ、多くの方に利用いただけているのではないでしょうか。

クライアントDX推進本部では、そのような強みをデジタルでどう実現していくか、という大きな責任を担っています。DXと聞くと「効率化」をイメージされる方も多いかと思いますが、私個人としては効率化のためのDXではなく、快適化、パーソナライズ化のDXを推進していきたいという思いがあります。派遣先企業のビジョンの達成や派遣スタッフのキャリア形成など、人材派遣事業の発展にデジタルの側面から貢献していきたいですね。

人材派遣にとどまらず、グループの総力を活かしたサービス提供を

山下さんの今後の理想のキャリアを教えてください。

今後は、T-PLAを軸に新しいビジネスを企画したいと考えています。これまでは人材派遣事業というビジネスの中での業務プロセス改善や顧客満足度の向上に取り組んできましたが、パーソルグループが持つ幅広い商材を掛け合わせ、新規ビジネスを生み出したいですね。

また、将来的にはパーソルグループ全体のサービスをより多くの方々に届けていきたいと考えており、そのために社内外の連携をさらに密に取っていきたいと考えていますね。

―山下さんが感じる、パーソルテンプスタッフのはたらき方の魅力を教えてください。

年次や年齢に関係なく、手を挙げることで挑戦できる環境が整っている点です。

私は入社以降、クライアントDX推進本部への異動も含め自ら志願してさまざまな経験をさせてもらいました。特に女性は結婚や出産でライフスタイルが大きく変わるタイミングがありますが、パーソルテンプスタッフは女性社員が多いこともあり、その点への理解も大きいですね。「今は自分のペースを大切にしたい」「子どもが大きくなったからキャリアに力を入れたい」など、ライフプランに合わせてキャリア形成できるのが、大きな魅力だと感じます。

取材・文=ファーストブリッジ 佐原有紀
(2024年10月時点の情報です。)

山下未希Miki Yamashita
パーソルテンプスタッフ株式会社
クライアントDX推進本部 部長
2016年パーソルテンプスタッフへ入社。基幹システムの刷新、刷新後の企画開発・運用設計・推進活動などに従事。2020 年よりクライアントDX 推進部にて、派遣就業先企業向けプラットフォーム「T-PLA(ティープラ)」のシステム開発・コンテンツ企画・推進活動に従事中。

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