元SEの女性マネジャーが惹かれたパーソルキャリアの魅力と自社のIT化を推進するやりがい
テクノロジードリブンの人材サービス企業を目指す、パーソルグループ。同じ志をもつテクノロジー人材が次々とジョインしています。今回は、パーソルキャリアに経験者採用で入社し、現在、テクノロジー推進グループのマネジャーとして活躍中の中野に、現在の仕事とパーソルキャリアではたらく魅力について聞きました。
転職したのは、ライフスタイルの見直しとビジネス知識を深めるため
—ご入社されるまでのご経歴を教えていただけますか?
前職は大手のSIerでフロントSEをしていました。さまざまなお客さまとお付き合いする機会がありましたが、とくにメディア業界やゲーム業界、通信業界のお客さまに対し、データベースやストレージ、ネットワークなど、インフラ周りの強化や新たな認証基盤などを提案する機会が多かったですね。
前職で仕事をはじめた2000年当時はインターネットブームの真っ只中で、利用者はうなぎ登りに増えている状況でした。その後もガラケーからスマホへの移行が進むと、さらに開発案件が増え、一時は数十社のお客様を抱えるほど多忙を極めました。その上、提案のための地方出張や、海外ベンダーの開発拠点まで足を運んで仕様の詳細を詰めるようなこともありましたから、時間がいくらあっても足りない状況でしたね。
—そんな中野さんは2013年に、転職サービス「doda」を擁する現在のパーソルキャリア、当時のインテリジェンスに入られました。SIerから事業会社への転身にはどんな意図があったのでしょうか?
前職を辞めた理由はふたつあります。結婚を機にこれまでのはたらき方を見直そうと思ったのがひとつ目の理由です。
経済紙に採り上げられるような大型案件にも携わりましたし、難易度の高いシステム開発に関わるやりがいはありましたが、ミッションクリティカルなシステムに携わることが多く、休日や深夜に対応を迫られることが少なくありませんでした。
前職に限らず、当時のSI業界全体がこうしたハードワークを要求するはたらき方が常態化していたこともあり、外の世界を見るべきだと思ったのが事業会社への転職を志した動機です。
2つ目の理由は、10年以上にわたるキャリアのなかで、数々のシステムを構築してきた自負がある一方、提案、開発、納品のサイクルを繰り返すうち、顧客のビジネスや経営に対する解像度の低さ、知識の少なさを自覚するようになったことです。システムやITの知見を活かして、ビジネスや経営に踏み込んだ提案をするにはどうしたらいいか。それを考えるなかで思い浮かんだのが、さまざまな業界と接点をもつ人材業界でした。
—人材業界にもいろいろな企業があります。当社を選んだ理由は?
転職サービス「doda」に加え、人材紹介をはじめとする広範な人材サービスを展開しており、さらに領域を広げようという意欲を感じました。さらに自社の成長だけでなく、サービスを通じて仕事に対する世の中の常識を変えていこうという、社会と向き合う姿勢に惹かれたのも理由のひとつです。これまで培った開発経験やプロジェクトマネジメント経験を人材領域で活かすにはうってつけの環境だと感じ決めました。
”より現場に近いIT担当ならでは”の仕事の魅力に気づく
—SIerから事業会社への転職ですが、入社後ギャップを感じることがあったのでは?
同じITに携わるにしても、SIerと事業会社では求められるスキルや知識は似て非なるものだということがよくわかりました。とくに前職では、顧客側にITと自社の事業を熟知した担当者が間に入ってくれたおかげで業務が円滑に回りましたが、事業会社においては、エンジニアリングに強いベンダー的な視点と、事業やビジネスを主眼としたユーザー的な視点の両方が欠かせません。
とくに私たちのように自社内でシステムを企画、提案するようなスタイルだとその傾向が顕著です。望んで転職してきたとはいえ、当初はそのギャップを埋めるのに苦労しました。
—どうやってそのギャップを克服しましたか?
事業責任者や事業部門を支える現場のみなさん、さらに人事や営業など、これまであまり接点がなかった人たちとお話しする機会が増えるに従って生産性や組織マネジメントに対する関心が高まり視野が広がりました。ITの専門家としての顔と、社内事情に精通したIT担当者のふた役をこなすのは簡単ではありませんが、ITとビジネスが融合する領域で仕事をするうちに少しずつ知識がつき、当初感じたギャップは感じなくなりました。
—入社から現在のテクノロジー推進グループに入られるまで、どんなお仕事を担当されましたか?
入社から1年ほどで、産休・育休に入ったのですが、この間にインテリジェンスからパーソルキャリアへと体制が大きく変わることになり、当時の上司からいくつか復職先の選択肢をいただいたのですが、より現場に近いポジションでIT活用に取り組みたくてパーソルキャリアのIT部門を選びました。そこから現在のテクノロジー本部に異動するまでは、時短勤務をしながら人事などのコーポレート部門が使うシステムリプレースなどに携わりました。
エンジニアや営業経験者が支えるパーソルキャリアのIT化
—改めて現在のテクノロジー推進グループでのお仕事内容を聞かせていただけますか?
パーソルキャリアにおける安全なIT活用を実現するガバナンスやセキュリティ施策の企画と実行に加え、2020年からはオンラインホワイトボードのMiroやチャットアプリのSlack、オンラインストレージのBoxなど、新しいワークスタイル方を実現するツールの導入や活用支援に取り組んでいます。
—同じIT部門でもさまざまなミッションがあります。ITマネジメント&セキュリティ部におけるテクノロジー推進グループの位置づけを説明していただけますか?
ITマネジメント&セキュリティ部には、テクノロジー推進グループのほかにも、セキュリティ対応に特化したチームや、ITマネジメントの高度化に取り組むチームがあるのですがが、私たちのチームはこれらのチーム連携しながら、IT活用のベースとなる環境やルールの整備をリードすることで、それぞれの事業のIT推進を後押しする役割も担っています。
—業務に用いるツール類はパーソルホールディングスのIT部門が主体となって導入するのだと思っていました。
確かに社員が使うPCや業務に用いるオフィスツールの導入および利活用は、主にパーソルホールディングスのIT部門が主導しておりグループ各社が利用する共通基盤として提供しています。しかし同じグループ会社とはいっても、事業内容や組織体制は大きく異なるため、共通基盤では間尺に合わない部分がどうしてもでてきてしまいます。私たちは社内のニーズや課題を踏まえ、安全かつ効率を損なわないような代替手段を検討し、理想と現実のギャップを埋める役割を果たしているんです。
—「間尺に合わない部分」とは具体的にどんなケースですか?具体例を教えてください。
Windowsを前提としたツールは、営業部門やバックオフィス部門では安全かつ便利に使えても、Macを使う開発部門には安全性や利便性の面で馴染まないケースがよくあるんです。パーソルキャリアにはテクノロジー本部を中心に約700名弱のIT/テクノロジー人材が在籍しており、組織体制もリモートワーク主体のチームもあれば、出社が前提のチームもあり、はたらき方も規模もさまざまです。セキュリティやガバナンスを損なわず、かつ生産性向上に資する開発環境を整えることは、私たちにとって重要な仕事のひとつになっています。
—そんなテクノロジー推進グループには、どんな方が在籍しているのでしょうか?
IT知識に加え、各事業のビジネスや業務に対する知識の両方が問われる仕事なので、エンジニア出身者に加え、現場の悩みに精通している営業出身メンバーも複数在籍しています。キャリアチャレンジ制度という人事制度を活用して、IT未経験でも社内異動でき、現場経験を生かして活躍している様子は、特徴的だと思います。私たちはグループ共通で導入するツールの導入日程を調整したり、パーソルキャリア独自に使うツールの選定や導入、さらには適切な活用法を伝えたりする支援業務も少なくないため、技術経験だけではフォローしきれない取り組みも多いんです。そのため多彩な経歴をもつメンバーが集まっています。
ITの利活用を進め、新たなビジネス課題の解決に挑む
—いまテクノロジー推進グループが力を入れているテーマを教えてください。
パーソルキャリアにおけるIT活用人材の育成と増員が一番のテーマです。具体的な取り組みとしては、担当領域において現場をリードする社員のなかから「エバンジェリスト」や「チャンピオン」のような役割となるの社員を募り、現場の円滑なIT活用や新たな施策の定着と改善に取り組みやすい環境づくりを進めてもらうほか、学びの場を提供することで、IT活用の裾野を広げる取り組みに注力しています。今後はより便利なテンプレート化の作成や拡張する活動を継続しながら、グループ全体で活用を進められるような取り組みを目指します。
—ITの利活用について、現場のみなさんの反応はいかがですか?
研修やワークショップに刺激を受けた人たちのなかには、自分たちで勉強会を主催したり、率先して外部の技術セミナーに参加したりするケースが見られるようになりました。現場から私たちのグループに相談を持ちかけてもらう機会も増えており、セキュリティや業務効率化に対する関心が高まっているのを感じます。私たちもこの期待に応えるため現場の課題を深く理解し、新たな課題解決につながりそうな情報収集にも力を入れているところです。
—中野さんはこれから、テクノロジー推進グループをどんな組織にしたいですか?
当面は非同期コミュニケーションツールの利活用に注力することになりますが、今後は生成AIなど、新たなテクノロジーの活用やツール間の連携など、高度なIT活用が増えていくと見ています。社員のみなさんが自らのライフスタイルやライフステージにあったワークスタイルを選べるよう、広く世の中で使われている便利なツールをリサーチし、使い手である現場社員が活発に活用できるツールの導入案の検討からセキュリティ等の運用シミュレーションなどをしっかりおこない、実現させていくのがグループとしての目標です。
そもそもパーソルキャリアは、秘匿性の高い個人情報を扱う部門が少なくありませんから、お客さまと向き合う事業部門のみなさんはもちろん、IT活用にまつわる制度やルールをつくるチームや経営陣から信頼を寄せられるグループとして、これからもIT活用を後押していきます。
—中野さんの個人的な目標についても聞かせていただけますか?
テクノロジー本部の女性マネジャーは少数派で、全社で見てもテクノロジー領域の女性マネジャーは私を含めまだ15名ほどしかいないのが実情です。もし女性社員から「マネジャーって大変そう」「結構プライベートも忙しいから私にはムリ」と思われており、二の足を踏むような状況があるとしたら、会社にとっても本人にとっても大きな損失です。女性社員のロールモデルといっては少し大袈裟ですが、肩肘張らずに挑戦する姿を見せることで、仕事の楽しさや困難の乗り越え方、マネジャーのやりがいや魅力を伝えていければと思っています。
—最後の質問です。中野さんはどんな方と一緒にはたらきたいですか?
仕事を通じて会社をよくしたい、社会をよくしたいという志をもつ人と一緒にはたらきたいですね。実際、私たちのチームには、上司から指示されたことを粛々とこなすより、やるべきだと信じることに誠実に向き合うメンバーが大勢おり、それぞれが自分の得意分野を活かしながらはたらいています。テクノロジー推進グループは、エンジニア経験はもちろんですが、営業経験などさまざまな現場経験も生かしていけるポジションです。今後も、ITの力でパーソルキャリアの成長を支えていきたいという思いのある方に参画いただきたいと思っています。
- 中野奈津子 Natsuko Nakano
- パーソルキャリア株式会社
テクノロジー本部
ITマネジメント&インフラ・セキュリティ統括部
ITマネジメント&セキュリティ部
テクノロジー推進グループ
マネジャー - 2013年にパーソルキャリア(旧インテリジェンス)へ入社。現在は、新しいはたらき方や効率化の向上をITで後押しすることを目指し、ITツールの安全な導入と利活用を可能にする環境づくりやITガバナンスやセキュリティ施策の推進に尽力するとともに、オンラインホワイトボードの「Miro」やチャットツールの「Slack」、オンラインストレージの「Box」など、非同期コミュニケーションを実現する各種ツールの導入や活用サポートをリードする。