グループIT本部が「はたらいて、笑おう。」を目指すためにできることとは?-グループIT本部独自の組織理念浸透活動プロジェクト

パーソルグループが掲げるグループビジョン「はたらいて、笑おう。」の実現のために、本部独自のMISSION/VISION/VALUE/STYLE(以下、MVVS)を策定しているパーソルホールディングスのグループIT本部。

「グループビジョンを実現するために、グループIT本部は何をするのか?」を言語化し、グループIT本部のメンバーへの浸透を牽引する、有志で構成されたプロジェクトのメンバーである関口・山澤・小野寺に、取り組みの詳細や目指すべきゴールを聞きました。

「拠りどころ」となるMVVSの本部内浸透を目指して

ーまず、グループIT本部のMVVSの概要を教えてください。

小野寺:パーソルグループにおいて、私たちグループIT本部が何のために存在しているか(MISSION)、MISSION達成時にどのような世界が実現しているか(VISION)、さらにVISION実現のためにどのような価値を提供するか(VALUE)、そしてVALUE実現のために日々何を大切にするのか(STYLE)をそれぞれ言語化したものです。

ー本部独自のMVVSを策定した背景を教えてください。

小野寺:MVVSが策定された当時は、グループIT本部が組織として変化を迎えている最中でした。社会的にはCOVID-19の影響もあり、新しい仕事の進め方を取り入れる必要が出てきており、そんな中で、「グループIT本部をより安心してはたらける場所にしよう」という考えから生まれたのがMVVSです。

ー本部独自のMVVSを浸透するプロジェクトチームには、どのような役割があるのでしょうか?

小野寺:グループIT本部のメンバーにとって拠りどころとなるMVVSを、組織文化として中長期的に浸透させる役割を担っています。

グループIT本部が目指す世界観やMVVSは、所属部門の上長からメンバーへ説明してもらっています。しかし1回の説明では、MVVSを完璧に理解し、体現できるレベルまで落とし込める人材は少ないと考えています。
そのため、MVVSを組織文化として中長期的に浸透させるために私たちのチームがあり、積極的な浸透活動を推進しているのです。

ープロジェクトチームの体制を教えてください。

関口: 4名体制で活動しています。私と山澤さんは、タスクフォースが立ち上がったフェーズ1からプロジェクトチームに携わっており、フェーズ2から新たに小野寺さんともう1名のメンバーが加わりました。それぞれ浸透活動に思いを持ったメンバーが有志で集まったグループです。

小野寺:活動としては定期的なMTGで活動の進捗確認や課題の共有を行っているほか、チャットツールなどで日常的にコミュニケーションを取り、アイデアや気づきをシェアし合っています。

ーそもそもどのような背景で、皆さんはグループIT本部の組織理念浸透活動に携わろうと思ったのでしょう?

山澤:参画したフェーズ1時点では新卒2~3年目だったので、この活動を通してまずは自身がグループIT本部が目指す方向や、グループIT本部として発揮できる価値など、グループIT本部への理解を深めるよい機会になると考えました。また、MVVS文言の磨き込みや浸透活動などを通して、組織をよりよくしていく活動に貢献したいという思いもありました。

関口:この活動を通じて、グループIT本部としての意識統一やマインド浸透を行うことができるため、グループIT本部全員が同じ方向を向いていくことができるタイミングだと考えました。私自身その一端を担うことがモチベーション向上につながると考えたため、参画しました。

小野寺:MVVSには「自分らしく安心してはたらける」という価値観が込められています。これをグループIT本部に浸透させることで、メンバーが自分らしくはたらきながら、新しいチャレンジができる環境をつくることができます。その結果としてグループIT本部の成長や、イキイキとはたらける環境作りにつながると考え、自分自身もその活動に貢献したいという思いから、このプロジェクトに参画しました。

フェーズ1:自分ごと化しやすいよう、具体へ落とし込む

ー浸透活動の進捗状況を教えてください。

関口:浸透活動は2つのフェーズに分けて進めてきました。2022年度のフェーズ1では、2019年度に策定されたMVVSの抽象度の高いフレーズをより具体的な言葉に落とし込む作業を行い、2023年下期からはフェーズ2としてグループIT本部のメンバーに広く認知してもらうための活動を推進しています。

山澤:フェーズ1では各部署からマネージャー層と担当者層の社員1名ずつに集まってもらい、約1年かけてMVVSそれぞれのフレーズをブラッシュアップしました。

関口:とくにSTYLEでは、MISSIONを実現するために本部のメンバーが日々の業務で大切にすべきことを具体的に洗い出しました。「心理的安全性の保証」や「成長マインド」、「プロフェッショナリズム」を持つことで、「スピーディな組織運営」実現できると示しています。

小野寺:STYLEの箇所は、アジャイルの考え方と親和性が高いんです。アジャイルには、柔軟で俊敏な対応ができる、要するに「良いチームを作ろう」という考え方があります。そのために必要な要素としてSTYLEで定めている「心理的安全性の保証」や「成長マインド」などがあります。新たなことに挑戦し、時には失敗しながらも学びを得られる。そんな組織文化を作れれば、スピード感のある柔軟かつ一体感のある組織運営が実現できるのではないでしょうか。

山澤:こうして完成した言葉を、よりメンバーに理解してもらいやすくするためにビジュアルへ落とし込み、2023年5月に2つの成果物が完成しています。1つが先ほど示したMVVSの全体像を示すピラミッド図で、2つ目はVISIONが達成されたときの世界をイラスト化した絵です。

フェーズ2:MVVSの認知を広げ、理解と体現をサポート

ーフェーズ1を経て、フェーズ2ではどのような活動をしていますか?

山澤:フェーズ1で制作したピラミッド図とイラストの露出を増やして、メンバーにまずはMVVSを認知してもらえるような活動に注力しています。
1つの施策としてチャットツール上で「MVVS掲示板」を立ち上げ、運用を開始しました。ここでは、判断や行動の拠りどころとなるMVVSをいつでも簡単に見返せるようにピラミッド図やイラストを掲載しています。

今後は、私たちタスクフォースチームからの情報発信のプラットフォームやMVVSに関する質問や気づきを本部メンバーが気軽に共有できる場としても活用を検討しています。

ーなるほど。まずは、メンバーの目に付くところにMVVSを設置されたのですね。

山澤:はい。ほかの活動としては、これまでに「ディスカッション会」を2度開催しています。これは「MVVSに基づく行動のプチ自慢」をテーマに、各メンバーが自分の業務や所属部署の取り組みでMVVSを体現している事例を共有し、意見交換したり称賛しあったりする場です。

自由な発言を促すために、近いレイヤーでグループを組んで開催しました。1回目は新卒入社者と中途入社者5名ずつからなるメンバー層。2回目は役職者5~6名を対象に開催しています。

ーディスカッションでシェアされた取り組みで印象的なものはありましたか?

山澤:あるチームでは定期的に開催する朝会で共通のトークテーマを設定し、全員が発言する機会を作っているという事例が共有されました。リモートワークが基本のはたらき方であるなか、チーム内でのコミュニケーションのハードルを下げ、親睦を深める目的の活動は、STYLEで示されている「心理的安全性」を高める素敵な取り組みだと思いました。

小野寺:実際にMVVSを体現できている人もいれば、難しさを感じている人がいるのも現状です。でも、こうしたディスカッションを通じて「このような方法をとっているチームがあるんだ」という気づきや、「同じことで悩んでいる仲間がいる」という発見につながる場としても機能しているように思います。

リモートワークで減少しがちな組織横断的なコミュニケーションの機会の1つでもあるので、実際に「お話しする機会があってよかった」などのフィードバックも私たちに届いています。

ー逆に、浸透活動を通じて見えてきた新たな課題はありますか?

関口:MVVS浸透活動に対するアンケートでは、さまざまなフィードバックをいただいています。たとえば、役職者層からは「なぜMVVSの理解・浸透が必要か、というところからディスカッションした方が取り組みやすい」というアドバイスをもらいました。

ほかには、ディスカッション会の運営方法についても進行方法や参加者の事前準備などに対してさまざまな声があり、こういったフィードバックを真摯に受け止めて次回以降に生かそうと、プロジェクトチームで話しています。

グループIT本部が率先してMVVSを体現すれば、「はたらいて、笑おう。」実現につながる

ーフェーズ2の浸透活動のゴールや今後取り組みたいことを教えてください。

関口:MVVSの浸透度を「レベル1~5」の形で定義しており、定期的なアンケートでメンバーの浸透度を測っています。フェーズ2では、メンバーを「レベル3」まで導くのが目標です。

レベル1は「認知している」段階、レベル2は「内容を理解している」段階で、現時点では多くのメンバーがこの段階にいると考えています。レベル3は「MVVSの意図を理解し、自分なりに解釈を深めている」状態と定義しており、MVVSを理解したうえで自分ごと化できている状態です。

最終的にはレベル5の「行動した経験を他者と共有し、より理解を深められている」というより高度な体現を目指していくことになります。

山澤:そのためにも、まずはMVVSの認知度を上げる地道な活動が重要です。MVVSのピラミッド図やイラストをメンバーに配布したり、パソコンのスクリーンセーバーにしたりと、とにかく目にする機会を増やす施策を色々と検討しています。

また、これまで2回開催してきたディスカッション会もまだ参加者が限られているので、全員が最低1回は参加できるように機会を設けたいですね。

ー最後に、タスクフォースチームとしてグループIT本部で目指したい姿を教えてください。

関口:私たちグループIT本部は、グループ各社にインフラを提供しています。だからこそ、障害が発生した際にはお互いにフォローし合い、かつそれぞれが自分の役割を理解して自律的に動ける、そんな能動的な組織を目指したいですね。

そのためにもまずは「MVVSを意識して仕事をしよう」という意識をメンバーに持ってもらいたいです。

山澤:私は「グループIT本部だからこそ」、これをさらに落とし込んで「自分の部署だからこそ」の価値が何かを考えられる人材が1人でも増えれば組織として強くなると考えています。実際に、MVVSをもとに部門独自のMVVを策定し始める動きも出てきています。そのなかから自分自身の役割や価値を見出し、日々の仕事の拠りどころとしてMVVSが機能すれば良いな、と思います。

あと、今後タスクフォースチームのメンバーを新たに募集する機会があるかもしれません。私たちの活動に関心を持ったグループIT本部の仲間も増やしていきたいですね!

小野寺:私たちグループIT本部が率先してMVVSを体現し、グループビジョンである「はたらいて、笑おう。」が実現できる組織でありたいと思います。私たちのVISIONには「グループIT本部のリードによって、パーソルグループみんなが安心して自分らしくはたらけている」というフレーズがあります。私たち自身が安心して自分のパフォーマンスを発揮することは、グループ各社に貢献することにつながります。

そのために現時点ではMVVSを自分ごと化して、自分の武器にできるそれぞれの方法をそれぞれが見つけられるようサポートしたいです。

取材・文=ファーストブリッジ 宮口佑香
(2025年3月時点の情報です。)

関口健太Kenta Sekiguchi
パーソルホールディングス株式会社
グループIT本部 ビジネスコアインフラ部
ネットワークインフラ室
リードコンサルタント
2007年国内メーカー系企業へ入社。カスタマーエンジニア・システムインテグレーター・営業の経験を経て、2020年にパーソルホールディングスへ入社。現在はネットワーク観点でグループ各社にインフラ環境を提供し、運用・改善を支援している。
山澤美咲Misaki Yamazawa
パーソルホールディングス株式会社
グループIT本部 情報セキュリティ部 SBUセキュリティ支援室
リードコンサルタント
2020年、パーソルホールディングスへ新卒入社。情報セキュリティ部 ITセキュリティマネジメント室に配属され、ITセキュリティに関するルール整備やセキュリティチェックの運用などを担当。2024年4月よりSBUセキュリティ支援室へ異動し、SBUのセキュリティレベルの向上に向けて、ヒアリング等を通して現状や課題などを明らかにすることや、よりよい状態へ改善していくための取り組みを共に考え実行することの支援を行っている。
小野寺祐太Yuta Onodera
パーソルホールディングス株式会社
グループIT本部 IT企画部 IT戦略室
コンサルタント
2011年にパーソルクロステクノロジーに入社し、取引先常駐のアウトソーシング業務を担当。スクラムやアジャイル開発の経験をもとに、組織への浸透を目指して2020年にパーソルホールディングスへ。現在はGIT本部でスクラム・アジャイルを組織に広める活動に携わっている。

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