グループ横断で考えるB2Bマーケティングとは――価値創出の最大化に挑戦

テクノロジードリブンの人材サービス企業を目指す、パーソルグループ。今回は、グループ全体の視点からマーケティングの再設計に挑む林に、これまでのキャリアと取り組みの現在地について聞きました。

全体最適を意識した、グループ横断で価値を発揮するマーケティングへ

まずは、現在取り組んでいる業務について教えてください。

パーソルグループ全体のマーケティング施策を横断的に捉え、各社の取り組みを活かしながら、より効果的な形を一緒に模索するプロジェクトを推進しています。

プロジェクトを立ち上げたきっかけは、私たち自身の問題意識でした。もともと法人向けのマーケティング施策はグループ各社がそれぞれ推進していました。しかし、同じ領域で似たような施策が行われていたり、グループ内で取り組みが重複していたりする状況が見えてきたんです。例えば、SEOの領域では、グループ内の複数のサイトが類似したキーワードでコンテンツを発信していたり、セミナーにおいても近しいテーマで各社が個別に開催していたりするというケースがありました。

また、小規模の事業会社では、マーケティングの体制自体が十分に整っていないケースもあり、各社ごとに体制や注力領域が異なるため、取り組み方に違いがある状態でした。

そこで、各社の取り組みや課題感をヒアリングし、グループとしてどの領域で横断的に連携できそうかを一緒に検討し、マーケティング機能をより効果的に発揮できる形を模索しています。法人マーケティング部として、グループ各社と連携しながら、施策の設計から実行を進めています。

規模の大きな取り組みですが、林さんはどのような役割を担っているのでしょうか?

横断マーケティングの企画推進を担当しており、昨年よりフィジビリティスタディ(実現可能性調査)に取り組んでいます。

ホールディングスは自社でサービスを持っていないため、施策を進める際には事業会社の皆さんと連携する必要があります。そのため、各社のマーケティング担当と対話を重ねながら、「現場ではどこに課題があるのか」「グループ全体でどのような連携ができるか」を一つひとつ整理しながら進めているところです。

このプロジェクトには、どのような思いで関わっているのでしょうか。

これまで6年ほどB2Bのマーケティング施策に携わってきました。その中で、個別の施策を実行するだけでなく、「なぜこの施策を行うのか」といった上流の戦略にも関わりたいという思いが強くあります。

また、これまで各施策を通じて得た知見を、グループ全体の取り組みに活かしたい。そう考え、自ら手を挙げて今回のプロジェクトに参画しています。

“成果が見える営業経験”を原点に、グループ全体の価値を届ける体制づくりに挑む

林さんのこれまでのキャリアについて教えてください。

2013年に新卒で大手印刷会社に入社し、セールスプロモーション領域を担う営業としてキャリアをスタートしました。お客さまの販促施策に合わせて、店頭で使用するPOPやカタログ、チラシなどの企画から制作、納品までをご支援していました。

お客さまと直接やり取りしていたため、「今回のキャンペーンは反応が良かった」といったフィードバックをいただくことも多くありました。自分が関わったアウトプットがお客さまの成果につながったと実感できる点に、大きなやりがいを感じていましたね。

そうした経験を経て、なぜ転職を考えるようになったのでしょうか?

目の前の仕事にはやりがいを感じていましたが、キャリアを長い視点で考えたときに、続けていくイメージを持ちにくくなったのがきっかけです。

当時はスピード感が求められる環境の中で多くの経験を積むことができましたが、今後は自分自身の成長や専門性をより中長期で高めていける環境に挑戦したいと考えるようになりました。

そこで一度環境を変え、これからのキャリアについて改めて考えたいと思い、転職を決意しました。

転職を考えたとき、次はどんな仕事に関わりたいと思っていましたか?

3年半の営業経験を活かした仕事がしたいと考えていました。また、大学時代にマーケティングを学んでいたこともあり、もう少し企画やマーケティングに近い領域に挑戦してみたいという思いもありました。

そうした中で出会ったのが、パーソルホールディングス(旧:テンプホールディングス)です。当時はグループとしてのシナジーを発揮するために、これから体制を構築していく段階でした。

ただ、そうしたフェーズだからこそ面白さを感じたんです。より広い視点で事業に関われるのではないかと考え、2016年に入社しました。

入社後は、どのような業務を担当したのでしょうか?

入社当初は営業企画として、グループ全体のクロスセル促進に向けて、グループの営業約4,000名が、お客さまの課題に対してグループ商材を提案するために必要な体制づくりに取り組んでいました。

評価などの制度をどうするか、連携するにあたってのインフラ周りの整備、グループ商材に関する知識のインプットなどさまざまな施策に取り組みました。私は、営業が各社のサービスを理解し、提案できる状態をつくるために、サービス情報をまとめたポータルサイトの作成や営業向けの勉強会の企画などを推進していました。

新たな取り組みであったため、会社/部署ごとに温度感の差や懸念の声もありましたが、そうした状況の中、グループALLで進めていくための土台をつくるという意識のもと地道に活動していました。

立ち上げ期の混沌とした中で試行錯誤を重ね、ゼロからマーケティング基盤を構築

営業企画から現在の法人マーケティング部に異動された経緯を教えてください。

組織は徐々に拡大していき、法人マーケティングを本格的に推進していくこととなり、少しずつ施策も動き始めていきました。そうした流れの中で、2019年に法人マーケティングの部署が新しく立ちあがったんです。

入社当初からマーケティング領域に関わりたいと思っていたので、「ぜひやりたいです」と手を挙げて異動しました。

普段から、挑戦したいことは言葉にして伝えるようにしています。キャリア面談や1on1の場でも「将来的にはマーケティングに携わりたい」と継続して伝えてきました。そうした意思表示を続けることが、次の挑戦につながっていくのだと思います。

法人マーケティング部門の立ち上げ当初は、どのような取り組みから始めたのでしょうか?

まずはブランディングを強化する方針のもと、展示会やオフラインイベントなどを中心に、認知の向上とリード獲得に取り組んでいました。

あわせて、マーケティングを推進するための基盤が十分に整っていなかったため、インサイドセールスの立ち上げやMAツールの導入、データ基盤の整備などを、5〜6名のメンバーで役割を分担しながら試行錯誤を重ねていました。

任せてもらえる範囲が広く、多様なサービスをどのように伝えればお客さまに分かりやすく届くのかを考えることにもやりがいを感じていました。

立ち上げ期ならではの難しさもあったのではないでしょうか?

そうですね。まずは施策を形にして、成果を出すことを最優先にしていました。同時に、事業会社の方々から信頼してもらい一緒に取り組ませてもらえる関係性を築くことも意識していました。限られたリソースの中で、実際の成果やプロセスを通じて期待に応えていく必要がありました。

一つひとつ成果を積み上げることで、信頼を得るという両立に向き合っていた点が、立ち上げ期ならではの難しさだったと感じています。

ホールディングスとしての価値を問い続け、横断マーケティングの意義を示す

グループ横断のマーケティング施策は、どのように進めているのでしょうか?

グループ全体で横断マーケティングを展開していくにあたり、まずはその有効性を検証するところから始めています。ただ、いきなり全体に広げるのではなく、複数の事業会社から関心や課題感が重なっていたテーマを起点に、まずは小さく取り組んでいます。

現在はデジタル人材育成の領域にフォーカスし、パーソル総合研究所やパーソルイノベーションと連携しつつ、具体的な施策の検討と実行を進めているところです。例えば、グループ横断で自社カンファレンスを企画・実施し、各社の知見やサービスを掛け合わせた形で顧客に価値提供を行いました。各社単独で実施するよりも、より広い接点をつくれる実感があり、横断で取り組むことの手応えも感じ始めています。

実際に進めていく中で、当初の想定との違いはありましたか?

正直に言うと、想定していた以上にスケールさせていく難しさを感じています。グループ横断で取り組むことで、グループ全体や各社にとってどのようなメリットがあるのかを示す必要がありますし、限られた予算の中で成果を出していかなければなりません。仮に成果が出たとしても、「それによって何が変わるのか」と問われる場面もあると思います。

だからこそ、組織を横断して取り組むことでどの程度の成果が見込めるのか、どれだけ効率化につながるのかを検証しながら、横断マーケティングとしての価値につなげていきたいと考えています。

そうした現状を踏まえ、今後はどう進めていこうと考えていますか?

まずはグループ各社のマーケティング担当へのヒアリングを通じて、各社で実施している施策や予算、実績といった現状を把握するところからスタートしています。そのうえで、各社の状況や課題を踏まえながら、パーソルグループとしてどのような連携が有効かを検討していきます。

また、検討した内容については、可能なものから横断的な施策として実行・検証を行い、仮説と実行を繰り返しながら、より良い形へとブラッシュアップしていきたいと考えています。

ホールディングスとしてマーケティングに関わる価値を、どのように捉えていますか?

パーソルホールディングスのマーケティング部門は、グループ各社がそれぞれ取り組みを進めている中で、役割や価値の示し方が求められる場面もあります。私自身、どこに価値を出すべきなのか、これまで繰り返し考えてきました。

しかし、グループ各社のマーケティング担当者と対話を重ねる中で、「ここを一緒に取り組めると助かる」「この部分で悩んでいる」といった声を聴く機会も増えてきました。そうした場面では、「ホールディングスではこのように取り組んでいます」といった形でノウハウや実績を共有するなど、具体的な支援につなげてきました。

こうした経験を通じて、各社だけでは手が回りにくい領域や、横断するからこそ提供できる価値には、まだ取り組める余地があると感じています。グループ全体のマーケティング機能を底上げし、各事業会社の成果に少しでもプラスになる――そんな好循環をつくる存在として、貢献していきたいと思います。

最後に、新しいフィールドで挑戦したいと考えている方に、メッセージをお願いします。

パーソルホールディングスの魅力は、自分ではたらき方を選べるところです。制度としても挑戦できる仕組みが整っており、「何をやりたいか」という意志を尊重する風土があります。

また、周囲には主体的に学び続けているメンバーが多く、そうした姿勢から日々刺激を受けています。そのため、自分の意志を持って挑戦し続けたいと考えている方にとっては、成長の機会が多いのではないでしょうか。

前向きに学び続けながら仕事に向き合う。そんな誠実な方と一緒にはたらけたら嬉しいですね。

ありがとうございました!

取材=伊藤秋廣(エーアイプロダクション)/文=嶋田純一/撮影=長坂佳宣(PalmTrees)
※所属組織および取材内容は2026年3月時点の情報です。
※略歴内の情報は2026年3月時点での内容です。

Profile

林千那美 Chinami Hayashi

パーソルホールディングス株式会社
グループAI・DX本部 法人マーケティング部
リードジェネレーション室
シニアデジタルマーケター

新卒で大手印刷会社に入社し、営業として顧客のプロモーション・販促領域を支援。2016年にパーソルホールディングス(旧:テンプホールディングス)へ入社後、営業企画として営業のクロスセル促進に従事。2019年より法人マーケティング部にて主にリード獲得施策に携わり、現在はグループ全体のB2Bマーケティング最適化プロジェクトを推進している。

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