自走するチームをつくる秘訣は「自分の言葉」で語ること
テクノロジードリブンの人材サービス企業を目指す、パーソルグループ。同じ志をもつテクノロジー人材が次々とジョインしています。 今回は、経験者採用で入社した梅澤に、現在の仕事とパーソルホールディングスではたらく魅力について聞きました。
「グループ全体に貢献したい」という使命感からパーソルホールディングスへ
―まずは、これまでの経歴からお聞かせいただけますか。
新卒で食品メーカーに入社して営業職として8年勤めた後、SI会社に転職してプログラマー・エンジニアの経験を積みました。2006年にパーソルプロセス&テクノロジーに転職し、パーソルグループで使用する各種システムや自社プロダクトの開発に従事。そして、2021年にパーソルホールディングスへ転籍したという流れです。
―キャリアのスタートは営業職だったのですね。どうして営業職からエンジニアになろうと思ったのですか?
「ものづくりをしたい」と思ったのが、エンジニアを目指したきっかけです。
ずっと営業をやってきて販売のスキルはついたのですが、目の前の商品を自分自身が本当に”よい”と思っているのか疑問を感じる瞬間がありました。次第に、自分が「これは売れる!」と納得できるものをつくって、世の中に広める仕事をしたいと思うようになったんです。
そう思い始めた頃は、ちょうどインターネットが普及し始め、ITエンジニア不足をよく耳にするようになった時代でした。そこで、IT化の波に乗れないかという期待があり、本業の傍ら、ITエンジニアスクールに通い始めたんです。そこで出会った講師の方に、「顧客とのコミュニケーションが得意なエンジニアは比較的少なく重宝される」と聞いたんです。
これまでに営業職で培ってきたコミュニケーション力にエンジニアのスキルが加われば、ITビジネスにおける新しい役割を担っていけるのではないかと考え、エンジニアの道に進むことを決めました。
―その後、パーソルプロセス&テクノロジーに15年在籍し、2021年にパーソルホールディングスへ転籍されました。転籍の理由はなんでしょうか?
パーソルでの勤務歴がかなり長くなり、「この先、自分は何ができるのか」と考えた時に、1つの会社の仕事というより「グループ全体に価値を発揮する仕事ができるのでは」と思ったんです。
パーソルプロセス&テクノロジーでは、グループ各社が使用するシステムの開発や運用保守をしていました。それらの業務を日々行う中で、グループに共通する課題が見えてきたんです。たとえば、情報が整備されておらず必要なデータにアクセスしにくかったり、ホールディングスが保有するデータを利用するために、都度申請を行う必要があったり。
そういった手間を解決してほしいという各社の要望も耳にしていましたし、長年パーソルの仕事に携わってきた自分であれば、なんとかできるだろうという使命感から、パーソルホールディングスへの転籍を決めました。
自走するチームづくりのために、大切にしたのは「自分の言葉で語る」こと
―梅澤さんが室長を務めている、セールス&マーケBITA室の役割を教えてください。
1つは、営業・デジタルマーケティング領域をテクノロジー活用によってサポートする役割です。パーソルホールディングス内のグループ営業企画部が営業施策の方針を決め主導していくのですが、私たちはその営業施策を実現するためのシステムの企画・開発を担当しています。また、グループ社員が安定的にシステムを利用できるよう、システムを保守運用することも、私たちの役割です。
―梅澤さんの部署からさまざまな営業員向けシステムがリリースされています。営業の業務理解は不可欠だと思いますが、どのように理解を深めているのでしょうか?
パーソルホールディングスに来て驚いたことでもあるのですが、営業と開発が同じチームのように、一緒に企画を考える文化があるんです。営業メンバーに言われた通り開発するのではなく、「こういうことができるのでは?」「運用を変えたほうがいいのでは?」と、私たちも企画段階から意見を言いながら開発にあたっています。日頃から営業メンバーと密に連携することで、業務理解を深められていると思いますね。
また、私の部署はメンバーの1/3が開発未経験で、営業や企画の出身者です。ものは違えど、営業システムを利用する立場だった経験があるので、開発メンバーに対して利用者目線の意見が言えるんです。チーム内に営業を知るメンバーとものづくりが得意なメンバーがいて、お互いに連携・補完できているのが部署の強み。その強みがあってこそ、営業業務を理解したシステム開発ができています。
―現在梅澤さんは、合わせて6チームのマネジメントを担当されているとのこと。マネジメントにおいて意識していることを教えてください。
優秀なメンバーに助けられている面が大きいのですが、メンバーに権限委譲することは意識しています。業務の進捗報告をもらって最終判断はこちらでしますが、システム開発の大部分は各システムのオーナーとなっているメンバーに決めてもらっています。
権限委譲を行うには、自走するチームづくりが重要です。そのようなチームをつくるために大切にしてきたのが、メンバーに対して「自分自身の言葉で語る」ことです。たとえば「社長がこう言っているからやりましょう」ではなく、社長の方針に対して自分がどう思ったか、自分がどうしたいかを話すことを意識しています。自分の言葉で話すことで熱量が伝わり、メンバーも自分ごととして動いてくれるんです。
パーソルプロセス&テクノロジーでマネジメントをしていた時代、メンバーに思いがうまく伝えられず「自分がやったほうが早い」と業務を抱えていたことがありました。結局、それで業務が停滞してしまうことがあったんです。そんな時に出会ったあるマネージャーが、メンバーに対して「何をしなければいけないのか・それはなぜなのか」を自分の言葉で語る方だったんです。メンバーに彼の想いがしっかり伝わっていて、見事に自走するチームになっていましたね。
その影響から、私も自分の言葉で語ることを心がけた結果、現在のような自走するチームとなっていったんだと思います。
スピーディーな経営判断の追い風を受け、失敗を恐れずテクノロジー活用の事例をつくっていく
―梅澤さん個人として、はたらくうえで大切にしていることはなんでしょうか?
自分の中で「生活」を真ん中に置いて、仕事を最優先にしないように心がけています。
というのも数年前、成果を出さねばという使命感に駆られて、休む時間も顧みずはたらいていたことがありました。結果、無理してはたらいても、いい仕事は全然できないことを痛感したんです。
ライフワークバランスを考えてはたらくようになってから、自分のコンディションを良好に保てるようになり、仕事のパフォーマンスも落とさずにはたらけています。
パーソルホールディングスは基本的に在宅ワークですし、フレックス制なので、自分ではたらく時間を決められます。しっかり仕事でアウトプットしていれば、「今日は15時に仕事を終えて、残りの時間は趣味に使う」といったこともできます。プライベートを大切にしながらいかに効率よく仕事するかを自分でプランできるのは、パーソルではたらくメリットだと思いますね。
―最後に、パーソルグループがテクノロジー活用を推進していることについて、梅澤さんの想いをお聞かせください。
まず、率直に「いいな!」と思っています。というのも、テクノロジー活用にお金をかけて、まずは試してみるという経営判断がとても早いんです。これまでの経験からすると、お金を投資して新しいテクノロジーを導入するとなると、他社の動向を見てからだったり検討に時間がかかったり、経営判断に時間がかかる印象。本当の意味でのテクノロジードリブンな動きは、なかなかできないと思うんです。
しかし、パーソルグループでは、「たとえ失敗したとしても、まずやってみよう」という気概を感じます。スピーディーにテクノロジー活用が進んでいく環境のもとで、私自身、失敗を恐れずテクノロジー活用の事例をつくるアクションを起こしていきたいと思っています。
取材・文=ファーストブリッジ 宮本智美
(2023年9月時点の情報です。)
- 梅澤幸治koji Umezawa
- パーソルホールディングス株式会社
グループデジタル変革推進本部 ビジネスITアーキテクト部 セールス&マーケBITA室
室長 - 1997年、新卒で食品メーカーに営業職で入社。量販店への自社商品の販売や売り場提案、NB・PB商品の開発などを行う。2005年にSI会社に転職し、プログラマー・エンジニアとしてシステム開発に従事。2006年にパーソルプロセス&テクノロジーに転職し、パーソルグループで使用する各種システムの設計〜運用、マネジメント業務に従事。2016年には自社プロダクト「MITERAS勤怠」の立ち上げプロジェクトに参画し、外販向けのプリセールスおよびPMとして25社への導入にも携わる。2021年10月にパーソルホールディングスへ転籍し、セールス&マーケBITA室の室長を務める。