事業を支える共通基盤をさらなる高みへ。堅牢かつ柔軟な次世代インフラの構築に挑む
テクノロジードリブンの人材サービス企業を目指す、パーソルグループ。同じ志をもつテクノロジー人材が次々とジョインしています。今回は、経験者採用で入社した畠山に、現在、取り組んでいる次世代インフラ構築プロジェクトやパーソルホールディングスではたらく魅力について聞きました。
次世代インフラが志向するのは、事業成長と安全性の両立
—畠山さんが率いるセキュアアクセスインフラ部の役割について教えてください。
セキュアアクセスインフラ部は、パーソルグループ各社が利用するシステムの認証・認可基盤の構築・運用、さらに情報漏洩やサイバー攻撃に備えた脅威検知やセキュリティ対策の全社展開などを所管する組織です。ここ数年はとりわけゼロトラストセキュリティの実現に向けた次世代インフラの構築に力を注いでいます。
セキュアアクセスインフラ部の使命をひと言で表すなら「テクノロジーを活用しパーソル全従業員が安心・安全に多様なはたらき方ができる環境を実現する」組織です。
—なぜいま「次世代インフラ」の実現に注力するのでしょうか。狙いは?
現在パーソルグループのITインフラは、自社データセンターを介してインターネットに開かれたハブ構造になっています。そのため構造上、どうしてもシステムへのアクセスが集中してしまうと、急激な処理速度の低下により業務の停滞を招きかねない危険性がありました。
また、システムの不正利用やデータ漏洩、巧妙化するサイバー攻撃から事業を守るには、厳格なID認証管理やアクセス制御、不正の検知や予測機能のアップデートはもちろん、セキュリティポリシーの徹底が不可欠ですが、組織全体に網をかぶせるようなやり方ではうまくいきません。なぜなら事業内容や事業フェーズによって必要とされるセキュリティレベルには濃淡があるから。
私たちが堅牢さと柔軟性を兼ね備えた次世代インフラの構築に取り組むのは、将来に向けた事業の成長とシステムの安全性を担保するためといえます。
—進捗状況についてはいかがですか?
現在は、データセンターの廃止に伴うインフラ環境のクラウド移管を目指し、グループ各社のIT部門やパーソルホールディングスの関係各所との調整などに取り組んでいる段階です。インフラ環境がオンプレミスからクラウドに変われば、当然ネットワークに流れるデータの流通経路が変わります。想定していたパフォーマンスが出せるのか、業務に悪影響を与えるリスクはないか関係各所と連携しながら、どのような状況に直面しても確実に「受け身」が取れるよう、注意深く準備を進めています。
はたらき方とインフラ刷新の可能性に惹かれパーソルへ
—畠山さんは、2024年4月からセキュアアクセスインフラ部の部長を務めているそうですね。これまでどのようなキャリアを歩んでこられたのですか?
前職はメーカー系のSIerのインフラエンジニアでした。2008年に新卒入社してから約3年間、中央官庁向けのアプリケーション開発に携わり、その後、中央官庁向けのインフラ構築に携わるようになりました。マネージドクラウドサービスの活用が当たり前になったいまとなっては信じられないかもしれませんが、当時はセキュリティチェックが非常に厳しいデータセンターにわざわざ出向き、サーバにミドルウェアやOSをインストールしたり、設定したりしていました。
—畠山さんはなぜ、アプリケーションエンジニアからインフラエンジニアに転身したのですか?
当時勤めていた企業には、システム開発のスペシャリストはいても、インフラの知見に秀でたエンジニアが少なかったんです。なので、この世界で経験を積めばきっと社内で第一人者になれると思い、インフラエンジニアの道に進みました。若手がベテランと同じ土俵に立って渡り合える数少ない領域がインフラだったんですよね。
—畠山さんは10年におよぶ経験を経て、2018年にパーソルホールディングスに転職されました。転職のきっかけを教えてください。
仕事内容はもちろん、職場環境にも恵まれていたのですが、前職はメーカー系SIerだったので、どうしても自社製品、自社サービスを織り込んだソリューションになりがちでした。もちろん、お客さまにおすすめするだけの価値あるインフラではあるのは確かなものの、同時にエンジニアとしての限界も感じるようになり、転職を志すようになりました。
しがらみのない環境で自分を試したかったですし、ちょうど子どもが生まれたばかりのタイミングでもあったので、それまで仕事一辺倒だったライフスタイルを見直そうと思い転職しました。
—数多くの転職先を検討したと思うのですが、なぜパーソルホールディングスを選んだのですか?
「はたらいて、笑おう。」という、キャッチフレーズに表れているように、パーソルグループは、社員のはたらき方に真摯な会社という印象をもったのと、企業規模が拡大するなか、複雑化の一途を辿っていたITインフラを刷新する動きがあると聞いたのも大きかったですね。インフラ刷新ともなれば、かなり大がかりな取り組みになるでしょうし、大規模なプロジェクトの経験はインフラエンジニアとしての成長を後押ししてくれるはずです。それで転職を決めました。
一番の目標は、ゼロトラストセキュリティの実現
—入社後はどんなお仕事を?
入社後の配属先はコミュニケーションインフラ室でした。ここではリモート先からでも代表電話が受けられるソフトフォン、コラボレーションツールのMicrosoft TeamsやクラウドストレージのBoxなど、コミュニケーション領域のツール類の全社展開などに携わりました。セキュアアクセスインフラ部でいまの仕事に携わるようになったのは2024年4月からのことです。
—コミュニケーションツール類の全社展開から、グループ各社が利用する次世代インフラの構築へと管掌範囲が大きく広がりました。
確かに業務の対象範囲は大きく広がりましたね。ただ、これまで携わってきたコミュニケーションサービスの全社導入もセキュリティ対策が強く求められる領域ですから、システムやデータの安全な運用に関して他部署のメンバーとも頻繁にやりとりしてきたので、それほど大きなギャップは感じません。
しかし、そうはいっても考えるべきことは多岐にわたります。個人としても組織としてもまだまだ知見を深めていかなければなりません。そうした取り組みの一環として、われわれセキュアアクセスインフラ部が音頭を取り、今期から次世代インフラ構築に必要な専門性と経験を秘めた各部のキーマンを集めた情報交換の場を設けるなど、プロジェクトを成功に導くための土台づくりにも取り組みはじめたところです。
—畠山さんが、託された責任をまっとうするために大切にしていることは何ですか?
プロジェクトを取りまとめるにあたっては、まず全体像を描き、周知することを大事にしています。「すり合わせの場を設けたので、みんな自由に話し合って決めてください」では、無責任すぎます。この状態でいくら話し合っても、議論の方向性も話の粒度もバラバラで話が噛み合わないことがしばしば起こるからです。だからこそ、立場の異なる者同士が認識を揃えられるよう心を配るようにしています。
当然のことながら業務のディテールは現場の担当者が最も把握しているので、われわれとしては、まず「下絵」になるような「線画」を用意し、現場のみなさんには、その下絵に基づいて色づけや装飾を施して絵を完成させるようなイメージで進めるようにしています。それは次世代インフラ構築プロジェクトでも変わりません。
—現在のフェーズで次世代インフラ構築プロジェクトに参加する意義はどこにあると思われますか?
完成したものを維持する、運用するだけでは味わえないモノづくりの楽しさと楽しさの両面を味わえるのが一番でしょうね。事業側が決めた要件通り、ただ粛々とつくり上げる仕事ではないので、発見した課題を自ら率先して解決したり、周囲を巻き込みより大きな課題を解決に導いたりすることが求められます。
クラウドやオンプレミス環境で培った技術や経験を次世代インフラの構築に活かしてみたい方、変革への情熱とフットワークの軽さに自信のある方はぜひ入社を検討いただけたら嬉しいですね。
—今後の目標は?
次世代インフラの構築を通じて「ゼロトラストセキュリティを実現した」と、胸を張って示せるようになるのが一番の目標です。新たなインフラ環境のもと、社員のみなさんに生産性が向上した、はたらきやすくなったと実感してもらった結果、売上や利益に貢献できたら、これ以上の喜びはありません。
インフラのクラウド移行はそのための重要なマイルストーン。一つひとつの事業、一人ひとりの働き方に寄り添う次世代インフラの実現に向け、これから訪れるであろう大きな山場を乗り越えていきたいと思っています。
—最後に、次世代インフラの構築に興味がある読者のみなさんにメッセージをお願いします。
現在、セキュアアクセスインフラ部では現在、経験豊富なベテランに加え、将来を託せる若いメンバーの採用にも力を入れています。きっと、変革期のいましか体験できない貴重な体験ができるはずです。ぜひこの次世代インフラの構築を通じて、インフラエンジニアとしての成長の手応えを掴んでください。
取材・文=グレタケ 武田敏則
(2024年8月時点の情報です。)
- 畠山惇Atsushi Hatakeyama
- グループIT本部 セキュアアクセスインフラ部 部長 兼
アイデンティファイインフラ室 室長 - 2008年、メーカー系SIerに入社。中央官庁向けの業務システム開発や保守・運用に従事。2009年からインフラエンジニアとして、システム基盤の構築案件の提案からインフラ構築、保守までを担当するように。2018年、パーソルホールディングスに転じ、コミュニケーションインフラ室配属のインフラエンジニアとして、コミュニケーションツールの全国展開や保守・運用に携わる。2024年4月から現職。