価値あるデジタル施策を推進する、頼れる組織を目指して――CoE組織の現在地
テクノロジードリブンの人材サービス企業を目指す、パーソルグループ。同じ志をもつテクノロジー人材が次々とジョインしています。今回は、経験者採用で入社した中桐へインタビュー。
現在、中期経営計画2026において掲げられた「テクノロジードリブンの人材サービス企業」実現へ向けて、パーソルホールディングス内にテクノロジー人材による「CoE(Center of Excellence)」組織を設置し、グループ各社を人材面からサポートするための取り組みをスタートさせています。
今回はこのCoE組織の取り組みを主導する中桐に、CoE組織の現在地や今後の展望と、取り組みの裏側にある想いとこだわりについて話を聞きました。
現場に近いIT担当の立場から、身近な仲間のエンゲージメント向上に貢献したい
――まずは、中桐さんのこれまでの経歴からお聞かせください。
テクノロジーにまつわるキャリアがスタートしたのは、前職の教育系企業に入社した頃のことです。それまで就いていた営業職とはまったく畑違いのシステム担当としての役割を任せていただき、大規模なシステムのリニューアルやクラウド移行などのプロジェクトを多数手がけるようになりました。
その後、販売管理やマーケティングにまつわる多様なシステムの開発責任者や、データ基盤開発のプロダクトマネージャーなどの経験を経て、2020年にパーソルホールディングスに転職し、今に至ります。
――前職からのキャリアチェンジを考え、またその転職先としてパーソルホールディングスを選択されたのはなぜですか?
15年の経験の中で前職のビジネスや業務、システムについての理解が深まり、一定程度まで到達できた感覚や、「教育業界における今の立ち位置以外でも、IT領域でならやっていけるだろう」という自信が得られたことが、転職を考えるようになったきっかけの1つです。
また当時、周りの仲間が転職して別の場所で活躍し始めていたことも、挑戦の後押しになりました。
転職先としてパーソルホールディングスを選んだのは、前職と“人”という軸が共通していることから、近しいビジョンや文化に共感してはたらけるのではと思えたことが大きかったと思います。
また「ITはIT、業務は業務」という縦割りではなく、IT領域でありながらビジネスに近い仕事ができること、それまであまり経験のなかった従業員向けの社内システムを担当できることも、魅力に映ったポイントです。
そういった業務を通じて、より身近な方々のエンゲージメントの向上に寄与したいなという思いで、入社を決めました。
――パーソルホールディングスでは、どのような役割や業務を経験されてきたのでしょうか?
2020年4月に入社して1年ほどはCOVID-19対応として、業務のデジタル化の推進、社内規定の改定など、IT領域のみに閉じない横断的な取り組みをリードさせていただきました。
その後は、基幹系の共通システムの開発・運用保守を担当する部門の部長として、コーポレートシステムの刷新やリニューアル、データ基盤構築などを担当。
さらに2022年からは、グループ各社のデジタル化を推進する、グループデジタル変革推進本部の「DX企画部」の立ち上げにも関わり、共通システムの開発・運用保守に加えて、新組織の体制づくりや中期経営計画のテクノロジー戦略策定にも取り組んできた、という流れです。
多様な強みを持つメンバーが集まり、相乗効果を生みながら価値あるデジタル施策を推進できる組織に
――中桐さんの現在の役割について教えてください。
立ち上げから参画しているグループデジタル変革推進本部内の「DX企画部」の部長とともに、新たに設置されたCoE組織の活動を推進するべく、2023年度より組成されたグループテクノロジー推進本部の「DX横断室」の室長も兼務し、両本部の有機的な連携を積極的に図っています。
――CoE組織の活動について、具体的な構想を聞かせていただけますか?
CoE組織は、デジタル化の推進において重要な役割を担う専門人材やノウハウを集約した組織で、この組織を起点にグループ各社への人材面やノウハウ面でのサポートを行っていきたいと考えています。
ここで言う専門人材とは、プロジェクトを牽引できるPMや、アジャイルに開発を進められるエンジニアのみにはとどまりません。デジタル化の芽を見つけて構想を立ち上げられる企画者、AIを用いた企画立案ができるデータサイエンティスト、BPRやシステム構想の実現を担えるITコンサルタントなど、多様な強みを持つメンバーを指します。
このようなメンバーの力を活用し、国内の複数のグループ会社において、各事業のプラットフォームの機能実装、データ連携、開発内製化などに直接携わっています。現時点では特に、コア事業である人材派遣事業における企業向けプラットフォームの企画支援をはじめ、セールス向けの商談機会のDX化などに幅広く取り組んでいる状況です。
多様な強みを持つメンバーが1つの組織に集まり、それぞれの力を発揮して相乗効果を生むことで、価値のあるデジタル施策を推進していこうとしています。
――新たな活動やそのための組織づくりを進めるにあたり、両本部の連携が重要になりそうですが、兼務の意義や効果についてはどのように感じていますか?
始動当初は、新たな枠組みを作るにあたってのプロセス整備を私がすべて担当していましたが、最近ではグループテクノロジー推進本部のメンバーが「一緒にプロセスを整理しましょう」「こういうふうに進めませんか」と協力してくれる状態になっています。
進行しているプロジェクトに集中しているとなかなか手が回らない土台づくりの部分に入り込んでもらい、そこがうまく回り始めたという意味で、「課題を早く的確にキャッチアップして支援に入る」という兼務の目的が果たされだしているのかなという感覚です。
――現在CoE組織はどのような状態にあるのでしょうか。組織づくりの現在地について教えてください。
3〜4名でスタートしたところから1年弱で50名へと、組織が急拡大してきました。その中でも、長く在籍してパーソルグループのことを深く理解しているメンバーは一握りで、在籍キャリア1年未満のメンバーが8割を超えています。
今は、みんなが分からないことをみんなで探り、形式知化して共有しながら、みんなで課題を乗り越えてゼロから組織をつくっていく、そんな段階です。
現段階では、既に決まりきったことよりも、全員で手探りでグループ各社のデジタル化支援を行っているため、ベンチャー企業のような取り組みをこれだけの規模の組織の中で経験できることに、苦労に勝る面白さを感じています。
――新組織のマネジメントにおいて、特に注力されている点やこだわっている点があれば教えてください。
特に意識しているのは、みんなが同じ方向を向いて進めるように、という観点です。まったく同じ方を向くのは難しかったとしても、一つの北極星があり、方向に多少のぶれはありながらも同じものを見て進める状態を作りたいと思っています。そのために、まずは組織としてのビジョン・ミッション・パーパスの発信は積極的に行ってきました。
これらを発信して根付かせること自体は、昔からこだわってやってきたことです。
ただCoE組織は始動したばかりで、「組織をどうしていくか」「グループ各社との協業はどうあるべきか」の正解を模索している段階にありますから、やるべきことが明確なITプロジェクトとは性質が異なりますよね。
だからこそ、今回は私から一方的に発信するだけではなく、みんなの中から出てきた思いも汲み上げていくために、新しい取り組みにも挑戦しています。
メンバーにも自身のビジョンやミッション、パーパスを言語化し「それが組織として掲げるものとどう紐づくか」を整理していただいて。さらにその結果をメンバーどうしで共有し、改めて「CoE組織として進むべき方向性」としてまとめるワークを行いました。みなさん非常に真剣に取り組んでくださり、意思統一の効果が実感できるよい機会になったと感じます。
――これまでの経験をふまえながらも、組織や人に合わせて柔軟に向き合い方を変化させているのですね。
そうですね。ダーウィンは「最も強いものが生き残るのでも、最も賢いものが生き残るのでもない。唯一生き残るのは、変化できるものだ」と語ったと言われていますが、これは私のキャリアにおいてとても大切にしてきた考え方です。
Techの世界は、“変わらないことが許されない世界”で、変化を拒否すればそこで取り残されてしまいますから。置かれた環境やその変化に合わせて柔軟に自分自身も変化させ、順応しながら価値発揮していきたいと思っています。
熱い想いを持った仲間とともに、チャレンジを楽しみたい
――CoE組織の取り組みを通じて、パーソルグループにどのような影響を与えていきたいと考えていますか? 組織としての今後の展望を教えてください。
まずは、「CoE組織に相談すれば、小さな芽からそのグループ各社にとって本当に必要なデジタル施策が実現できる」という、パーソルグループの中で頼れる組織になっていきたいなと思います。
そして私たちがそんなCoE組織としての役割を全うすることで、パーソルグループを「テクノロジードリブンの人材サービス企業」に近づけていきたいなと。私たちの成功こそが、その実現に近づけられるものだと信じています。
――その実現に向けて、どのような方に入社してほしいとお考えですか?
CoE組織が目指すのは“価値あるデジタル施策を推進できるフルスタックの組織”ですが、それは多様なロールのメンバーが集まり、適材適所で得意を発揮することで実現するものです。
決して一人ひとりにフルスタックであることが求められるのではなく、持つ強みも、それを発揮していただくステージもそれぞれでよいので、とにかく“想い”のある方と一緒にはたらきたいと思っています。
立ち上げ期で楽しいことばかりではありませんが、「テクノロジードリブンの人材サービス企業を一緒につくりたい」「泥臭いフェーズでも、みんなで支え合ってグループのデジタルを推進したい」「人を軸に社会課題を解決したい」と熱い想いを持ち、一緒にチャレンジを楽しんでくださるような方を仲間に迎えられれば嬉しく思います。
――ありがとうございました!
取材=伊藤秋廣(エーアイプロダクション)/文=永田遥奈/撮影=合同会社ヒトグラム
(2023年9月時点の情報です。)
- 中桐亮Ryo Nakagiri
- パーソルホールディングス株式会社
グループデジタル変革推進本部 DX企画部 部長兼
グループテクノロジー推進本部 テクノロジー横断部 DX横断室 室長 - 2006年ベネッセコーポレーション入社。BtoC通信教育を支える販売管理システムやマーケティングシステムの責任者、顧客データ分析のための分散処理技術を用いたデータ基盤開発PMなどを経て、2020年よりパーソルホールディングスに入社。コロナ禍でのデジタル化推進やコーポレートシステムの刷新企画プロジェクトに従事。グループ全体の基幹システム管掌部門・部門長を経て、2022年より現職。テクノロジードリブンな人材企業を目指してグループ各社のDXやデータ利活用を推進。