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セキュリティ環境のクラウドシフトを推進中。失敗を通して学んだ、意義と価値を伝える大切さ

テクノロジードリブンの人材サービス企業を目指す、パーソルグループ。同じ志をもつテクノロジー人材が次々とジョインしています。今回は、パーソルホールディングスへ2018年に新卒入社した井田に、現在の仕事とパーソルホールディングスではたらく魅力について聞きました。

「ITは課題解決のためのツール」。マインドに共感してパーソルホールディングスへ

―まずは、井田さんのこれまでの経歴からお聞かせください。

大学ではスポーツバイオメカニクスを専攻した後、修士課程でスポーツコーチング領域の研究を行っていました。在学中は中学生の野球コーチをしながら、その中学生を対象に「バッティング技術の向上が競技成績にどのような影響を及ぼすのかを統計的に明らかにする」研究をしていました。

就職活動では、いくつかの選択肢からスポーツ系の分析機関かIT系の仕事の2つに絞りました。就職先の選択肢にIT系の仕事を加えたのは、研究でプログラミングを使った統計を行っていてITに興味を持つようになったからです。

スポーツ系の分析機関と同時期にパーソルホールディングスから内定をもらい、最終的にIT系の仕事ができるパーソルホールディングスを選んだという流れです。

―専門分野であるスポーツではなく、パーソルホールディングスを選んだ理由は何でしょうか?

スポーツ系の分析機関は配属先が選べず、希望する分析の仕事ができない可能性がありました。一方、パーソルホールディングスはIT採用枠だったため、確実にITの仕事ができること。そして、IT未経験にも関わらず、ITの企画職として採用してもらえる珍しい企業であることに魅力を感じたことが理由です。

また、パーソルホールディングスのITへの向き合い方に共感したことも大きかったです。最終面接で内田さんから「ITを使うことが目的ではなく、ITはグループ会社の業務課題を解決していくツールだと考えている」と聞きました。私も在学時代、バッティング技術を解析するためのツールとしてITを使っていましたが、IT自体を目的にしたことはありません。ITへの向き合い方に共感できたことが、パーソルホールディングスへ入社する決め手となりましたね。

―井田さんの所属するネットワークSec.チームの役割と、井田さんの担当業務について教えてください。

現在、私が所属するグループIT本部では、ゼロトラスト型のアーキテクチャである次世代ネットワークの構築を目標に掲げています。

その目標実現に向けてネットワークSec.チームでは、プロキシやファイアウォールなどのセキュリティ機器をオンプレ環境からクラウドに移行するプロジェクトを推進しています。その中でも私は、マイクロソフト製品等のネイティブアプリやサーバを運用・保守するために使う通信領域のクラウド移行を扱っています。

このほかにチーム内では、グループ全体のIT機器のログをSIEMにて一元管理し、不正な通信や悪意のある攻撃がないかなどをチェックし、セキュリティの脅威からグループ社員を守り、安全かつスムーズに業務を遂行できる環境整備などを業務として行っています。

また、リードコンサルタントとしてアサインされた業務を進めることに加え、スクラムマスターとしてチームメンバーがはたらきやすい環境を整える役割も担っています。

―スクラムマスターとして意識していることや取り組み事例があれば教えてください。

私のチームでは基本的にメンバーがアサインされたプロジェクトをそれぞれ進めていく形となりますので、メンバー同士のコミュニケーションが希薄になったり、業務が属人化したりしないような取り組みを行っています。

取り組みの1つに、「メンバーの価値観の共有」があります。チーム内には業務の接点がなく、お互いのことをあまり知らないメンバーもいますので、お互いを知るために価値観を共有するフレームワークを取り入れています。20ほどのワードが並んだ価値観リストの中から各自が大事にしている5つのワードを選ぶのですが、同じ価値観を選んでいても説明が違うなど、おもしろい発見があります。私であれば「責任感」「良識」「自主性」「健康維持」「多様な視点」の5つを選ぶのですが、その時々で価値観は変わっていくので、定期的に取り入れていきたいと考えています。

ほかにも、業務の属人化を防ぐ取り組みとして、メンバーが進めている業務をリスト化したものに対し、メンバーみんなが「できる・できない」を◯△×をつけて視覚化する活動などをしています。担当者しか◯をつけていない業務があれば、その業務にサブの担当者をつけるなどしてできるメンバーを増やし、一人にかかる負荷を減らしていこうという狙いです。また、日次の朝会では各メンバーのその日の業務負荷状況を共有し合い、負荷の高いメンバーに対してヘルプを出すことによって特定のメンバーに業務負荷が偏らないような環境づくりを目指しています。

こういった取り組みは、グループIT本部内各チームのスクラムマスターが集まる定例会でヒントを得ています。定例会では、各チームの状況や課題、うまくいった取り組みなど実践的な情報を得られるので、とても助かっていますね。

セキュリティ対策の意義と価値を、根気強くていねいに伝えていくこと

―プロジェクトを推進するうえで、意識しているポイントはなんでしょうか?

グループ会社のIT担当者の方とコミュニケーションを取ってプロジェクトを進めていくのですが、 そのコミュニケーションがもっとも難しく重要なポイントとなります。

一般的に、セキュリティ対策をしたからといって直接的に事業の売上が上がることはありません。それでも、グループ会社にはセキュリティ対策のためにリソースを割いてもらうことになるので、納得して協力してもらうための説明がとても重要です。セキュリティ対策をする意義やどんな価値を生むのか。あるいは「初期投資はこれくらいだけど、プロジェクトが完了したら自動化されて工数はこれくらい下がる」といったメリットなど、丁寧に伝えることを意識しています。

―入社してから今までを振り返って、大変だったことや印象に残っていることはありますか?

入社2年目のときに経験した、失敗から学んだ出来事が印象に残っています。

あるとき新しいセキュリティ製品を導入することになり、グループ会社に作業を依頼しました。予算会議で承認されている案件なので当然のように進めていたのですが、グループ会社のITの責任者から質問が殺到してしまったんです。特に、あるグループ会社のITを統括するマネージャーからは「何でそれが必要なのか?」「それをやるために工数が割けない」と強く問われ、自分の説明不足を痛感しました。

そのマネージャーに導入の意義やメリットを丁寧に説明したところ、「やらなければいけないことは分かった。ただし今は工数を割けないから、期限を延ばしてもらえないか」と前向きに検討してもらえ、結果的には快く進めてもらえました。それ以降、別件で依頼した際にもそのマネージャーは一番前向きに取り組んでくれる存在となり、セキュリティ対策の相談もしてくれるような良好な関係を築くことができました。

徐々にわかってきたことですが、グループ会社のIT担当者には、実際に製品導入の作業をする部下や社内外のシステムユーザーなど、説明しなければならない相手がいるんです。担当者がきちんと説明責任を果たすためには、私たちの伝え方がいかに大事かを学んだ経験でしたね。

―パーソルホールディングだからこそ経験できた・成長できたと感じることはありますか?

入社後、かなり早い段階からプロジェクトを任せてもらい、失敗も含めいろいろな経験ができました。私の経験を次に繋げたいと考え、新卒の後輩たちにも本部全体やグループ会社に向けて発信する場に参加してもらい、社員の生の声を聞いて学びにしてもらうことは意識してやってきましたね。

グループ会社に製品などを導入する際、スピード重視でどんどん進めてほしいという会社もあれば、どんな小さなリスクも潰してから安全に進めてほしいという会社もあります。それぞれの会社が求めることが違うため、グループ会社のカラーに応じて「こういう資料を使ってこういう説明をしよう」「ここを強調して伝えよう」など、一歩踏み込んだコミュニケーション能力が身についたと思います。様々なグループ会社とのコミュニケーションを通じて能力を磨けるのは、パーソルホールディングスだからこそではないでしょうか。

―最後に、これから井田さんが目指していくキャリアイメージを教えてください。

今後は、マネジメントの立場を目指していきたいと思っています。今はリードコンサルタントとしてプロジェクトを推進していますが、1人でできることには限界があると感じています。今後は組織を作ったりマネジメントしたりする立場として、より大きなプロジェクトや価値の高いサービス提供に携わり、事業の課題解決に貢献できる存在を目指していきたいですね。

取材・文=ファーストブリッジ 宮本智美 
(2023年10月時点の情報です。)

井田雅人Masato Ida
パーソルホールディングス株式会社
グループIT本部 セキュアアクセスインフラ部
ネットワークSec.チーム
リードコンサルタント
2018年パーソルホールディングス株式会社に新卒入社。グループ全体のWebシステムに対するセキュリティ対策製品(WAF)の選定・導入・運用や、グループ全体のサーバの脆弱性を可視化・一元管理するシステムの選定・導入・運用に従事。現在は、ゼロトラストネットワークの構築に向けたクラウドFW(FWaaS)の導入を推進。

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