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パーソルキャリアの品質管理への意識変革―より顧客満足度の高いサービス開発を目指して

テクノロジードリブンの人材サービス企業を目指す、パーソルグループ。同じ志をもつテクノロジー人材が次々とジョインしています。今回は3人の子育てをしながら2023年にパーソルキャリアに入社したQAエンジニアとして活躍する吉満に、現在の仕事とパーソルキャリアではたらく魅力について聞きました。

接客業からQAエンジニアへ転身

ーまず、吉満さんのキャリアについて聞かせてください。

人と関わることが大好きだったことから、接客業からキャリアをスタートしました。エンジニアのキャリアとしては少し珍しいですよね(笑)。レストランでのサービスを担当していて、3年ほどはたらきました。接客の仕事は本当に楽しかったのですが、ワークライフバランスを考えるようになり、転職を検討しはじめました。

縁あって未経験可で募集していたシステムエンジニアリングサービス会社に転職したのが、IT領域に足を踏み入れたきっかけです。

ーまったく違う業界に入って、最初は大変だったのではないですか?

最初はめちゃめちゃ苦戦しました!とにかく人と話したい、動き回りたい、座ってお仕事なんて耐えられない、みたいな…(笑)。

QAエンジニアとしての最初の仕事は、プロダクトやサービスに触れながらテストをして不具合を報告することでした。さまざまなお客さま先に出向しながら業務に慣れていくうちに、テストや品質保証の奥深さにのめり込んでいきました。

QAエンジニアは、さまざまなステークホルダーと関わる職種なので、実はコミュニケーション力が求められます。そのため、人と関わることが好きだというもともとの性格や、接客業での経験が思いがけず活きており、その点はとてもうれしく思っています。

その後、ソフトウェアテストや品質保証の基礎を学びつつ、現場で品質保証や改善に取り組む中で、QAエンジニアとしての経験を積むことができました。

ー転職を考えられたきっかけを教えてください。

より広い視野で仕事に関わりたいと思ったのがきっかけです。
転職前は、お客さま先の決められた部門内で業務を行うことがほとんどでした。QAエンジニアとしてソフトウェアの品質を追求する中で、より良いサービスを作るためには部門を超えた連携が必要と感じることが多く、事業会社のQAエンジニアとして転職できれば、自分がやりたいことに挑戦できるのではないかと思ったのです。

一方で、小さな子どもを育てながらはたらくことへの難しさも感じていて。当時はリモートワークがまだ一般的ではありませんでしたし、子どもの急な体調不良でご迷惑をおかけすることも心配でした。

悩みながらも、一番下の子どもが3歳を迎えたタイミングをきっかけとして転職活動に入り、パーソルキャリアの新規サービス事業開発のQAエンジニアとして入社するに至りました。

部分最適から全体最適の品質管理にチャレンジ

ー今所属されているITアーキテクチャ部プロセス管理部では、2024年度はどのような取り組みに注力していますか?

2024年度、プロセス管理部は、「開発プロセスの可視化と改善活動の推進」に取り組んでいます。

具体的には、パーソルキャリア内の継続開発チームのうち22チームを対象に、定期的に品質アセスメントを実施しています。

IT投資の経営判断をしやすくするため、それにより、エンジニアリング環境を改善して、より開発しやすく働きやすい環境を整備するために、まずは開発チームの現状を把握し、全体俯瞰して見えた課題や良いナレッジを情報整理していくことに注力しています。最終的なゴールは、品質低下を防ぎ、テクノロジー組織が発展し、事業成長とともに伴走できる状態の好循環ループを構築することです。

ー全体最適の品質管理に対する取り組みが始まった背景を教えてください。

もともと、品質担保や改善については、各開発チームごとに部分最適で進めているのですが、急速に拡大する事業の目標にコミットしながら、品質担保やアーキテクチャの最新化をし続ける難しさに直面しているという課題感があがってきていました。そこで、横断的に開発チームを支援する組織として、24年度にプロセス管理部が新設されました。

このような背景から、各領域に散らばっていた品質管理をリードする人材をプロセス管理部に集約することとなり、現在に至ります。

品質管理への意識を組織レベルで上げていく

ー各開発チームの品質管理状況は、どのように可視化しているのですか?

四半期ごとに品質アセスメントを実施し、各チームの開発プロセスや品質管理状況を把握しています。

具体的には、開発プロセスの定義、開発プロセスに紐づく成果物の定義と管理状況、テストやレビューの実施方針、不具合分析やリスク管理状況などのヒアリングを行い、5段階評価による評価や傾向分析を行い、状況を可視化しています。

取り組みを始めた当初は、アセスメント項目の検討から始めました。アセスメント結果を受け、効果的な設問についても検討を重ねています。現状、開発チームへの回答負荷や、分析負荷などの課題もあるため、可視化に必要な情報を自動的に収集する仕組みづくりにも今後取り組んでいく予定です。

また、開発パフォーマンスの指標を測る「Four Keys*1」も取り入れています。品質と開発パフォーマンスは密接な関係があり、品質が高いとリードタイムが短縮され、お客さまにより早く高品質なプロダクトを提供できるようになるという考え方です。この指標をエンジニアリングチームで意識し、主体的に品質管理とシステム開発を両輪として進めていこうとしています。

*1 Four Keys: DORA(DevOps Research and Assessment)による、ソフトウェア開発チームのパフォーマンスを測る4つの指標。

ー吉満さんの担当業務を教えてください。

私自身は、QAエンジニアとしてテストやプロセスに関する支援を担当しつつ、品質保証への意識を組織レベルで高める場づくりをしています。

具体的には、『HiPro Direct』や『PERSOL MIRAIZ』、『HR forecaster』などの開発チームで、テストベンターの方々と連携しながら品質課題を整理し、改善活動を推進しています。

もう1つは、「QA輪読会」を定期的に開催しています。ソフトウェアテストの技術者資格認定の運営組織・JSTQB(Japan Software Testing Qualifications Board)が公開しているシラバスがあり、それらをメンバーで読み合わせ、ソフトウェアテストの基礎について学んでいます。

組織全体の品質知識の底上げを目的に開催していますが、「現状の品質・テストの状況はこれで良いのか?」をテーマに、部門を越えて意見交換ができる場として非常に好評です。

入社以前から一部の組織で取り組まれていた活動を、現在はテクノロジー本部全体に声をかけ、組織レベルで品質管理への意識を向上させる取り組みとして運営しています。

ーところでプロセス管理部には、どのようなメンバーが在籍しているのでしょうか?

プロセス管理部は、マネージャーを含めて全体で9名の組織です。

多様なバックグラウンドを持つメンバーで構成されていて、QAエンジニアは私ともう1名の計2名。ほかにはエンジニアやテックリードの経験を持つメンバー、スクラム開発の進行役や調整役となるスクラムマスターの経験者、ITコンサルタントなど、さまざまな専門性を持つ人材が集まっています。

パーソルホールディングスのCoE*2から参画しているメンバーもいて、ITポリシーを再整備するプロジェクトをともに進めているところです。ディスカッションする際、さまざまな角度から意見が飛び出すのが今の組織の良い面だと思いますね。

*2 CoE(Center of Excellence):組織を横断して、パーソルグループの各事業でのテクノロジーの実装・活用を強化する組織。優秀なテクノロジー人材の採用やノウハウをパーソルホールディングスに集約して組成。

キャリアオーナーシップを体現し、成長していきたい

ープロセス管理部の今後の展望についてお聞かせください。

24年度より動き出し、半期を経て下期に入るタイミングで、プロセス管理部をより「自分ゴト化」しようと、インセプションデッキを活用し、自分たちの役割を再定義しました。

長期的なゴールとしては、パーソルキャリアの全開発組織が高レベルな開発プロセスを実践することで、品質、生産性高くユーザーにサービス提供し顧客ニーズを満たせている状態をイメージしています。

近いゴールとしては、トップダウンでのガバナンス強化ではなく、開発組織が自律的に品質や生産性などの指標を運用し、ボトムアップでそれを果たせている状態を目指しています。

私たちプロセス管理部は、そのなかで「鏡」を提供する役割を担っているのだと思います。自分が変わりたいと思うとき、まず鏡を見て現状を確認するように、各開発チームが自分たちの状況を客観的に把握できる仕組みがこれまでは不足していました。「ここを改善したほうがいいかも」「このままで大丈夫そう」といった判断材料を提供し、各チームが自律的に改善していける仕組みを整えていきたいです。

ー吉満さんご自身で、思い描いているキャリアプランはありますか?

パーソルキャリアでは、世の中に果たすべきミッションとして『人々に「はたらく」を自分のものにする力を』を掲げており、これを大きな魅力だと感じています。

誰かに与えられたものとして仕事をするのではなく、主体的に仕事に取り組む意識や行動こそがキャリアオーナーシップだと感じています。目標から逆算し、それと紐づけて自分の日々の仕事に取り組む価値が見出せれば、モチベーション高く継続してはたらけるのではないでしょうか。

そのなかで、これまでの自分のキャリアを大切にしたい思いもあります。接客業とQAエンジニアのように、一見関連があるのか?と思われるような仕事であっても、自分にできることはどこかに必ずありました。今後も、これまでの経験が誰かの役に立つように、貢献できるように意識しながらキャリアを前進させたいですね。

ー最後に、吉満さんが思うパーソルキャリアではたらく魅力を教えてください。

女性として、結婚や出産でライフスタイルが大きく変わり、その変化があるたびに悩んで揺れ動きながらここまで来ました。これまで様々な環境で働いてきましたが、パーソルキャリアは子育て世代のはたらき方に対する理解が深いと感じます。

育児だけでなく、介護などなんらかの制約に悩んでいる人材は性別問わずいると思います。そのような方も価値を発揮できるはたらき方が広がっているのが、パーソルキャリアの魅力ではないでしょうか。

取材・文=ファーストブリッジ 宮口佑香
(2024年12月時点の情報です。)

吉満恵子Keiko Yoshimitsu
テクノロジー本部
ITアーキテクチャ統括部プロセス管理部
品質管理グループ
リードエンジニア
QAエンジニアとして大手メーカーやITベンチャー企業などさまざまなプロダクトの品質保証を担当し、テスト方針策定、プロセス改善、アジャイルQAの推進をリードした。2023年パーソルキャリアに入社。現在は、自社ITの品質保証や意識を向上させる場づくりを担当している。

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